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2009/04/04 (土) カテゴリー: XBOX 360

♪ Atomic power Atomic power, Was given by the mighty hand of God
Pip-Boy備え付けラジオから今流れているのは、スリードッグの脳天気な声でも、アガサのバイオリンでも、勿論ジョン・ヘンリー・エデンの退屈な演説(エンクレイブラジオに足りないのは、ラッシュ・リンボーみたいなプロパガンダ担当者だ)でもない。
ラジオが拾ったのは、カスタムサントラという名の亡霊電波。流れてくる曲は、元Dead Kennedysのジェロ・ビアフラとオルタナティブカントリー界の奇才、モジョ・ニクソンのコラボレーションアルバム『Prairie Home Invasion』からのナンバーだ。
”パンク界のモジョ”ビアフラと、”カントリー界のビアフラ”モジョ。似た者同士が手を組んで'94年に発表したこのアルバムは、全編をブラックユーモアに満ちたカントリーチューンが埋め尽くす隠れた傑作だ。

その中でも"Atomic Power"は、一際ドス黒いナンバーだ。オリジナルは、Buchanan Brothersが太平洋戦争直後の'46年にリリースしたカントリーのクラシック。
♪ Hiroshima, Nagasaki Paid a big price for their sins
そんな筆舌に耐え難い歌詞が、極めて陽気で脳天気な調子で歌われる、無邪気な無邪気な原爆賛歌。
このオリジナル曲は、ブラックユーモアではない。Buchanan Brothersは何の疑問もなくこの曲を歌い、そして当時の人々はこれまた何の疑問もなく真面目にこの歌を受け止めた。

'82年に公開されたドキュメンタリー映画『アトミック・カフェ』によって、この曲は再び脚光を浴びる。
'40年代から'50年代にかけて数多く作られたアメリカ政府による核兵器や反共プロパガンダフィルムを再編集した(「原爆が炸裂したら、机の下に隠れましょう」by合衆国政府)この映画のBGMに使われた、数多の反共、レイシズム、核兵器礼賛の楽曲群の中でも、この"Atomic Power"は、飛び抜けて不気味な輝きを放っていた。

そして今オレはGod's own holy hand のもたらした荒れ果てた世界をひたすら歩く。
ところどころに存在する、全壊を免れた家屋に横たわった、生活の痕跡すら残す白骨死体の数々。
「原爆が炸裂したら、机の下に隠れましょう」
彼らはきっと何の疑いもなく、それを実行したのだろう。

♪ Atomic power Atomic power, Was given by the mighty hand of God
ビアフラの、タチの悪いジョークみたいな歌声が、ひと気のないウェイストランドの荒野に、風に乗って流れる。
スリードッグの野郎が、もし倒壊したラジオ局の残骸の中からこのレコードを発見したとしたら、これを一聴して果たして奴はどんな感想を漏らすであろうか。
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