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フライトシム XBLA 宇宙 STG
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2011/06/06 (月) カテゴリー: XBOX 360

『Spacewar!』の登場により幕を開けたビデオゲームの歴史。その歴史は宇宙戦争の歴史でもあった。
『スペースインベーダー』、『Asteroids』、『Gravitar』、『ギャラクシアン』、『スクランブル』、『Space Duel』、『Tempest』。メインストリームを彩った数多の宇宙戦争と共に、ビデオゲームは大きな進化を重ねてきたのだ。
その流れから派生し、一世を風靡したのがスペースコンバットゲーム、或いはスペースコンバットシムと呼ばれるジャンル。
これを定義しようとすると、また色々とややこしいのだが、一般にはコクピット視点や自機後方視点で展開する、3D、或いは疑似3Dの宇宙空間シューティングゲームのことを指す。

『ウイングコマンダー』シリーズや『Star Wars: X-Wing』シリーズなど、多くの人気タイトルを生み出し、かつては一世を風靡した人気ジャンルであったが、今ではコアなファンによって細々と支えられた存在となっている。
一時は保守本流を極めながらも、今ではメインストリームからすっかり退潮して、熱狂的なマニアだけが残った流れは、日本の2Dシューティングゲームなんかの状況に近いものがあるかもしれない。
日本の2DSTG同様、こちらも『X』シリーズなど優れた作品を今でも生み出してはいるが、それらも複雑化してすっかり一見さんお断りの世界と化してしまっているからだ。

そのスペースコンバットゲームの始祖とも言えるのが、1979年にATARIから登場したStar Raiders。
この時代にコクピット視点の疑似3Dシューティングを実現させた野心作であり、後に登場する全てのスペースコンバットゲームの礎となった、エポックメイキングなゲームである。
後にATARI 2600に移植され、このバージョンは現在Game Roomなどでプレイが可能だ。
日本でもナムコが、この『Star Raiders』をそのまま戴いちゃったような『スターラスター』というゲームを、ファミコンでリリースしていたりした。
そんな創成期ATARI看板タイトルの一つであり、あらゆるスペースコンバットゲームの元祖とも言える『Star Raiders』が、スペースコンバットゲームの復権を高らかに掲げて帰ってきた!

歴史的な連続性は無いクセに、何故か今のATARIは、かつてのATARIクラシックのリメイクにご執心なのだが、それらのデキはというと『Haunted House』のようにオリジナルを手堅く現代風にしたものもあれば、『Yar's Revange』のようにオリジナルとは全く関係ないゲームなっていたりと(『パンツァードラグーン』作りたきゃ、他所で作れや!)、開発会社によってまちまちだ。
そしてこのリメイク版『Star Raiders』は、『Yar's Revange』のような「リメイク版にかこつけて、自分の好きなゲームを作っちゃいました」みたいな事態は避けられたものの、その内容はあまり芳しいデキではない。

戦略マップから戦術マップに移動するシステムなど、オリジナルの要素を色濃く踏襲しているのは確かだけど、肝心のスペースシューティングパートが、やたらと作業感が漂う単調なものになってしまっているのは何故だろう。
遊んでいて「あれ? スペースコンバットゲームって、こんなに心躍らないものだったっけ?」などと、ジャンルそのものにまで疑問を呈してしまったのだが、勿論そんなワケはない。『ウイングコマンダー』や『コロニーウォーズ』は、間違いなく面白かった。
リメイク版『Star Raiders』は、これらの旧世代スペースコンバットゲームのプレイ感覚から全く進化していないにも拘わらず、ゲームバランスやスピード感、浮遊感といった、グラフィック部分を除いたあらゆる要素が減退してしまっているのだ。

結局のところ『Star Raiders』は、『ウイングコマンダー』や『Star Wars: X-Wing』といった優れた後継を生み出した時点で、その役割を終えていたのだろう。
だけどどれだけ優れた後継が出ようとも、『Star Raiders』のオリジネイターとしての偉大な功績は揺らぐものではない。
今回のように、うっかり後継者たちに劣るリメイクを作っちゃう必要なんか、そもそも全くないのだ。
それを分からずに、このエポックメイキングな作品のリメイクを、やる気の全く無さそうな開発会社に丸投げしてしまう時点で、今のATARIを詐称する会社の、自社ブランドに対する愛情の薄さが伺えてしまうだろう。
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