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アドベンチャーゲーム
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2023/06/09 (金) カテゴリー: Switch

Behemoth(ベヒーモス)はゲーム界隈では重量級のモンスターによく用いられる名詞だが、音楽シーンにおいて一般的なのはブラックメタル重鎮バンドの名前だ。
北欧で盛んなイメージがあるブラックメタルだが、東欧のシーンもなかなか活発で、このBehemothはポーランドのグループ。

22年には最新アルバム"Opvs Contra Natvram"をリリースし、いまなお現役最前線のこのバンドをフィーチャーしたゲームの名は『Apocalipsis』。
タイトルのみならず、死んだ妻を生き還らせようとする男の現実とも悪夢世界ともつかぬ彷徨が、ボッシュやデューラーの木版画をモチーフにしたビジュアルのもとで展開する、Behemothに負けず劣らずダークなムード全開のポイント&クリック式アドベンチャーゲームだ。

これらの要素だけで掴みは充分すぎるくらいなこのゲーム。
オレも陰々滅々として魅惑的なビジュアルに惹かれて手を出したクチだが、ああ、しかし残念なことにその掴みだけで終わってしまっている、ちょっと勿体ない作品であった。

一番の問題はポイント&クリックのメカニズムが一貫して淡白なこと。
パズルやフラグ立てといった同系統作品の面白さの根幹になる部分がいずれも深みに欠けて、キャラクターが次の場面に進むための単調な手順に留まっている。
このフックが不足した行程の淡々とした繰り返しが、せっかくのインパクト抜群なビジュアルの印象も弱めてしまっている。

そして製作者が全面に推しているBehemothのフィーチャーだけど、こちらも実はあっさりとしたもの。
Behemothのフロントマン、ネルガルの参加は、幕間のわずか数行のナレーションのみに留まりそしてその楽曲もほんの触りだけ。しかも普通にプレイしていたら耳にすることのできないようなシークレットな存在だ。

Switchで配信されている『Apocalipsis Wormwood Edition』は本編に加えてその前日譚となるDLC『One Night in the Woods』もバンドル済み。
ただしこの前日譚も本編譲りのアートワークはやはり魅力的ではあるものの、テンションの低いゲーム進行も変わらない内容がわずか10数分で終わってしまう淡白さなのであった。
<未日本語化>
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