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【Serious Sam 4】シリアス・サム4

   ↑  2022/12/14 (水)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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シャツの裾をボトムスの外に出す着こなしが一般化したのはいつからだろうか。
少なくともオレが色気づいた年の頃にはカジュアルな着こなしはそのスタイルが当たり前だった。
しかしそれは間違いだ。Tシャツだろうがカッターシャツだろうが、その裾はズボンの中に収めるのが正しい。
なぜならサム・シリアス・ストーンはそのスタイルを20年以上に渡って貫いているからだ。
冴えない色の襟なしポロにつるつるのブルージーンズ。クールカットに古臭いサングラス。
ゲーム界きってのファッションリーダー、シリアス・サムが帰ってきた。
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今やFPSのクラシックブランドとなったシリアス・サム。
FPSタイトルが溢れかえり他のFPSクラシックがモダンなスタイルに適合しようと試行錯誤しているが、シリアス・サムには突き抜けた爽快感とバカバカしさの折衷という個性がある。それは2020年代に入っても色褪せていない。
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このシリーズの魅力はなんといったってそのコントみたいな構造だ。
人海戦術なんて言葉も生ぬるく思えてくるほどの大量の敵を暴力的な火力で片っ端からなぎ倒す。
よく語られるセールスポイントだがこれは微妙に違う。
実際にはあまりにも過剰な数で突進してくる敵の波にもみくちゃにされてあたふたするが正解である。
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それを際立たせているのが絶妙なまでの緩急と間の置き方だ。
上方落語の桂枝雀はかつて「笑いの根本は緊張と緩和にある」なんて仰っていたが、クロアチアの開発会社がまさか枝雀師匠の影響を受けているわけはないが、しかしこのシリーズに一貫している構造は、まさに緊張と緩和の繰り返しである。
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だだっ広く開放感のあるフィールド。見渡す限り敵の数は見えないが、やがて遠くの方からクリアスケルトンのぱからんぱからんという蹄の音や、グナーのどたどたした足音や、カミカゼのやけくそな叫び声がフェードインしてくる。
よっしゃ来いとダブルバレルショットガンを構えて散発的に突っ込んでくるエイリアンを捌いている間がまだ余裕のあるうち。
敵はあっという間にその数を増し、撃っても撃っても倒した分の5倍10倍の勢いで増え続け、その濁流に飲み込まれて指先も思考も追いつかず翻弄されてしまう。
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怒涛の波状攻撃をなんとか切り抜けた後に訪れるのはしばしのブレイクタイム。
ぐったりしながら静寂の中でしばらく足を進めていると、また遠くの方から、ぱからんぱからん、どたどたどた、「ゥァァァアアアアアアアアア!」。
このルーチンが何度が続くうちには、やがて敵の物音が響いてくるたびに力のない笑い声がついつい漏れてきてしまう。
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前作『Serious Sam 3: BFE』から9年ぶりの登場となったこの『Serious Sam 4』も、初代作から連綿と続くこの流れをそのまま引き継いでいる。
大樹のようにブレない基本コンセプトの一方で、下卑たユーモアのセンスや取って付けたような乗り物パート、ちっともモダンじゃないキャラクターデザイン、機能していないスキルツリーに雑にもほどがあるサウンド周りと、このゲームの不備な部分もゼロ年代初頭のFPSそのまんまだったりするが、そうしたまるっきり進化していない部分もなんとなく許容できてしまうのは、数の暴力による蹂躙に次ぐ蹂躙の麻薬的な楽しさがあるからだろうか。

<未日本語化>

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