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2022/10/20 (木) カテゴリー: ノンセクション

日本列島に居座っていた暑い日々もやっと終わりを告げた。さんぽの季節だ!
なんか10月も下旬になろうとするとは思えないような前フリだが、実際10月に入ってもちょっと歩けば汗ばむような蒸し暑い日が幾度となくあったりしたのだからしょうがない。
出先で30分とか小一時間とか微妙な暇ができたとき、太陽を避けてドトールや焼鳥日高に飛び込むのも、もうおさらばだ。
これからは汗一つかかず涼しい顔しておさんぽで時間を潰せる。

こういった時はスマホの位置ゲーの類が伴侶となってくれそうな気もするが、いやそんなことはない。
『Ingress』なんかやりだすと「この辺りを覆う緑をすべて刈ってやるう!」と目を血走らせて、周りの景色なんか見ることもなくスマホと睨めっこでいつの間にか半日くらい費やしてしまう。
のんびりゆったりさんぽなんてレベルでは間違ってもない。

かと言って個人の「気まま」の裁量に任せてみても、案外そういうのは自由度に限界があって、結局は同じようなルーチンに走りがちだったりする。
オレの場合だと繁華街を10分ほどふらふらした挙げ句、結局「ホッピー」だの「昼から飲めます」なんて看板を掲げた店に吸い込まれるのがオチだ。

そんなときに頼りになるのは、やっぱり他人の無責任な稚気だ。そしてそうした稚気をダイレクトに感じられる手法は、やはりアナログだ。
ちょっと前にLCC航空会社が行き先ランダムの航空券とミッションをセットにしたガチャを売り出して話題になったけど、あれなんかはやっぱり実機のガチャを回すからこそ(いちいち実機という言葉を付け加えなきゃならないことに、ガチャの言葉の歪みっぷりを思い知らされたりもするが)が肝になっていたんじゃないかと思う。

そしてこの『ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神』。
他人どころではない。神様の稚気である。ありがたく従うほかはない。
手のひらサイズでポーチなんかにも軽く収まる小ぶりなブックレットの前半ページを占めるのは、「動物名の入った地名」や「10駅先で電車を降りて」など、極めてファジーな場所指定が記された「どこで」。

後半は「スイッチやボタンを探そう」だの「複数の食べ物を合成して食べよう」だのと、パーフェクトにクリアしなくても基本問題ない「なにをする」の項。
前半部分を適当にパッと開いて目的地を定め、後半部分をめくったページに記されているゆるっとしたミッションをクリアしたりしなかったりする。
要はさんぽの気軽な導線。位置ゲーみたいに「ここになんとしても辿り着かなければ!」なんて切羽詰まった使命感とも無縁だ。

さんぽするぞ!って意気込みと共にこれを手に取るのもいいけれど、バッグの片隅に忍ばせておいて出先でのちょっとした余暇を潰すのにも最適だ。
さんぽ神のお告げのままに、普段は降り立つことのないような駅の改札を通り抜けて、歴史の痕跡を探して隅田川河畔をのんびり歩いてみたり、絵に描かれた動物を求めてコンカフェの軒をくぐりオムライスにお絵描きしてもらったりと、自分の「気まま」では踏み出せないような、いつもと違うさんぽの時間を過ごすことができる。

「食べたことのないものを食べよう」のお告げに焼鳥日高でガツ刺しを注文する自分に都合の良い解釈や、「心霊現象を探そう」で歌舞伎町を彷徨って見つからないままバッセンで汗を流す逸脱だって、ファジーを是とするさんぽ神ならきっと許してくれるだろう。
稚気満載のゆるっとしたアナログゲームならお手の物のドロッセルマイヤーズが送り出した、ちょっと小粋なさんぽの伴侶だ。
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