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宇宙
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2022/02/02 (水) カテゴリー: XBOX Series X|S

宇宙葬。言い出す方はロマンに酔えるかもしれないが、手配する身になれば面倒くさいだけである。
しかし未来ともなれば、そんな宇宙葬をシステマチックに執り行ってくれる法人サービスもあるかもしれない。
ソビエト社会主義共和国連邦が存在している世界線。
宇宙をひた走るのは、集団宇宙葬の喪主と棺を満載した霊柩船。しかしこの船は開始早々爆発事故を起こし四散してしまうのであった。

散らばるのは船の残骸とスペースデブリ、大量の棺と喪主であった死体。そして唯一の生存者であるプレイヤー(とニワトリ一羽)。
無限の宇宙にぽつんと取り残されてしまった主人公。
やっと繋がった救助要請通信には「助けが到着するのは4396年後」なんてファンキーな答えが帰ってきた。
もう他人なんかアテにしてらんない。酸素の続く限り使えそうなものを宇宙空間からかき集めて、必要な道具や機器をビルドして、なにがなんでもの大宇宙サバイバル生活が幕を開けた。

海中も宇宙も酸素がないのは一緒!
そんな開き直りから始まったのかはしらないが、この『Breathedge』は海洋サバイバルゲームの傑作『Subnautica』の宇宙版の一言でほぼ説明がついてしまうような一作。
酸素量で制限される活動範囲。ビルドや収納ができる拠点。点在する残骸からの設計図の入手。装備のアップグレードによって広がる探索エリア。マップの不在。
違いと言えば、海には生き物がいっぱい居るけれど、宇宙は他の生物が一切居ない究極のぼっちってことだ。

社会主義も21世紀の半ばまで進めば、そこにはユーモアやギャグも醸成されてゆく。それもしつこいまでに。
『Breathedge』は頭からしっぽまで全編慇懃無礼なギャグが嫌というほど詰め込まれたゲーム。
しかし朝から晩まで常時ふざけているような野郎は、ただ鬱陶しいだけだし、それはゲームの場合でも同様だ。
増してやゲーム中のミッションに命ずられるままに手間ひまかけて前の見えないヘルメットだのチ●ポのオブジェだのを作らされた挙げ句、「このアイテム実は全然意味ないんすけどね。でも面白いっしょ!」みたいな態度を取られたら、コントローラを握るこちらの顔も自然と無表情になろうというものだ。

明快に『Subnautica』を真似たゲームにも関わらず、このゲーム、ぶっちゃけ『Subnautica』ほど面白いわけではない。
『Subnautica』はある意味煩雑さを楽しませるタイプのゲームだったけど、『Breathedge』の場合はその煩雑さがやり甲斐に昇華されずに、ただ煩わしいだけに留まってしまっているからだ。
それはマップのデザインであるとか、プレイヤーのレベルアップ曲線であるとか、建造するオブジェクトとそれに必要な素材の数であるとか、様々なバランスごとが練り込み不足で、それに代わってギャグをぶち込みまくることに全エネルギーを注いでいるいびつなプロダクションに理由があるのだろう。

そんな調子だからこれでもかと詰め込まれたギャグも上滑りし、プレイヤーをさらにイライラさせるだけの存在に落ち着いてしまう。
『Subnautica』でもっとも寝食を忘れさせた拠点のビルド要素も、本作の場合は開放されるタイミングが微妙に遅く、そしてゲームの後半以降は有名無実なものになってしまう。

ブラックな設定やビジュアル、そして何よりも宇宙版『Subnautica』なテーマと、プレイする前はかないワクワクさせられたゲームではあったのだけど、やり進むにつれて微妙な「なんとなくコレじゃないんだよな……」感がどんどん膨れ上がっていった、個人的にはかなり肩透かしを食らった一作でした。
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