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FUEL
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2010/09/10 (金) カテゴリー: XBOX 360

狂わんばかりの暑さも少しずつなりを潜め、居座り続けていた夏がようやく去らんとしている。
そんな少しばかり遅い夏の終わりと共にオレも『Test Drive Unlimited』のオアフ島を離れて、またあの『FUEL』のだだっ広い不毛な荒野に轍を刻む場所を移す。
オアフ島の開放感溢れるオープンワールドと比べると、この『FUEL』の荒野のどこまでも果てが無い広さに押し潰されそうな息苦しさは、また独特の味わいだ。

既にフリーライドで620マイルを走行すると解除される、"大旅行家"の実績を解除して久しいというのに、オレはまだこの広大な大地の半分もアンロックしていない。
オレがあの地平線の遙か彼方に辿り着くのは、果たして何年越しの事業になるのだろうか。
そんなペース、そんなスタンスで付き合うゲームが、一つくらいあってもいい。そして『FUEL』はまさにそんなゲームなのだ。
そんなオレの孤独なドライブ中に、カスタムサントラから鳴り響くのは、JAGATARAの"岬で待つわ"だ。
現実世界でも極上のドライブミュージックとなるJAGATARA。彼らのご機嫌なお茶漬けファンクをバックに走ると、首都高速が、第三京浜が、いつもと違う景色、いつもと違う道程になる。
それはこのFUELの荒野でも同様だ。

どこまでも続く乾いた大地。どこまでも続く荒れ果てた谷間。
どこまでも、どこまでも、この風景は延々と続くのではないかという不安を、江戸アケミは「どこまで行っても同じ事。どこまで行っても出口知らず」と、さらに煽り立てる。
そんな不安と孤独に押し潰されそうになりながらも、右手はなおもアクセルを開き続ける。
この孤独な大地にねじ伏せられそうな心を奮い立てるには、ただ闇雲に走り続けるしかないのだ。

♪ スピード さらにスピード もっとゆっくり急げ
スピード もっとスピード さらにゆっくり急げ
痛みきったタイヤが、ぼろぼろに崩れたアスファルトの上で乾いた音を立てる中、江戸アケミは「ゆっくり急げ」と、まるで狂人の交通標語のように矛盾した言葉を歌い上げる。
だけど『FUEL』の気が狂わんばかりに広大な荒野に身を委ねる者にとっては、それが矛盾ではないことを知っている。
この果てを知らない大地の上では、内燃機関が叩き出すスピードなど児戯に等しい。いくら意気込んでアクセルを踏み込み、最短距離を突っ走ろうが、そんな行いは象に噛みつく虱のようなものなのだ。
この広い大地にも必ず果てはある。焦らずにいれば、いつかはそこに辿り着くことができる。
だから「ゆっくり急げ」。刹那的なスピードは、いつかは萎える。この魂の耐久レースに必要なのは、JAGATARAのグルーブ感のような「ゆっくり急ぐ」スピードなのだ。
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