fc2ブログ
 

ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

この記事に含まれるtag :
ホラー  アドベンチャーゲーム  

【Maid of Sker】メイド・オブ・スカー

   ↑  2021/08/24 (火)  カテゴリー: XBOX
210824007.jpg
そのスカーハウスという建物はイギリスの南ウェールズに実在する。
古くからある廃墟には怪談話が付き物だが、ここは19世紀にはすでに荒れ果てていたそうだから怪談話にも年季が入っている。
ここで語り継がれているのは、近くにある海岸で難破した船にまつわる因縁話と、実の父親に幽閉されて非業の死を遂げたエリザベス・ウィリアムズという若い女性の幽霊譚。
世紀をまたいで伝承されてきたこれらの物語は、ありきたりの怪談話を超えてフォークロアの域に達しているかもしれない。
210824002.jpg
実在の怪談スポットをモデルにしたホラーゲーム。本邦では『犬鳴トンネル』なんかがそうだが、この『Maid of Sker』も同じ切り口の一人称視点アドベンチャーだ。
舞台となるのは屋根裏部屋付き3階建ての本館に尖塔を有した左右のブロックが付随した、伝えられる実際のスカーハウスに準拠した間取り。
ゲームにおいてはホテルとして運用されているこの館に音楽家である主人公を呼び寄せたのはエリザベス・ウィリアムズ。
これまたモデルになったのは、もちろん同名である伝承のうら若き女性である。
210824003.jpg
そしてホテルの中に足を踏み入れた主人公の前に展開するのは、広々としたメインホールに玄関に向かって豪華な大階段が鎮座する光景。
ああ、もうこれだけで古株のADVプレイヤーは舞い上がってしまうかもしれない。
認知の歪みが入っているかもしれないが、オレなんかは90年代のアドベンチャーゲームの大半は、こんなレイアウトの館が舞台だったようなイメージがある。
210824009.jpg
"館モノ"なんてジャンルがあるのかどうかは分からないが、とにかくそんな古き良きADV黄金時代からの伝統のシチュエーション。
ホールを取り巻く壁には扉がたくさんあるが、もちろんそのほとんどは鍵が掛かっている、これまたお約束だ。
この館の中を隅から隅まで探索し、鍵を見つけたりエレベーターの電源を入れたりして行動できる範囲を徐々に増やしてゆく。
館ADV定番のルーチン。最終的に目指す先はエリザベスが身を潜めている屋根裏部屋だ。
210824005.jpg
しかしこの舘の中にいるのは主人公とエリザベスだけじゃない。邪悪な実験によりおぞましい姿に変わり果てたホテル従業員や客たちがあちこちを徘徊している。
顔を布マスクで覆った彼らは眼がまったく見えない。その代わりに音に対しては敏感で足音などには即座に反応してくる。
そして距離が近ければ主人公のわずかな息遣いすらも探知して襲いかかってくるだろう。
それをやり過ごすには右トリガーで口を覆って息を殺さなければならない。口を押さえたまま身動きひとつとらずに、すぐ目の前を通り過ぎていく徘徊者たちをやり過ごすドキドキ感は、身を潜めて相手の視界から逃れる一般のステルスゲームとは、またひと味違ったスリルがある。
210824006.jpg
プレイヤーが基本的にできるのは、相手をただこっそりやり過ごすだけ。唯一攻撃的なアクションは、徘徊者たちを混乱させる音波だが、これは使用回数がかなり限定されており、シューティングゲームにおける緊急回避ボム的な役割に留まっている。
210824001.jpg
そうして息を殺しながら館を探索するうちに次第に露わになるのは、難破船伝説とエリザベスの悲劇、スカーハウスにまつわる2つのフォークロアをセイレーンの伝説でホイル焼きにした物語。
ショッカー的な刺激は控えめながらも、ホラーADVとしても館モノとしても、いずれのツボもしっかりと押さえた程良いサイズの一作だ。
制作者にここまでのイマジネーションを与えた実際のスカーハウス。現在は新たなオーナーの手によりリノベーションされ、その外壁は派手な黄色に塗られてかつての朽ち果てた廃墟の片鱗はどこにも無いそうである。

関連記事

この記事に含まれるtag : ホラー アドベンチャーゲーム 

(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-3034.html

2021/08/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment

コメント:を投稿する 記事: 【Maid of Sker】メイド・オブ・スカー

お気軽にコメント:をぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント:) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメント:として投稿する。(管理人にのみ公開)

Trackback