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アドベンチャーゲーム
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2021/05/05 (水) カテゴリー: XBOX Series X|S

ポーランドのメーカーArtifex Mundiは、モバイル系を中心に絵柄の共通したアイテム探しアドベンチャーゲームを量産しているメーカーの印象が強い。
リリース作品の9割以上をそれらが占めているから、このイメージは基本的に間違ったものではないのだが、それでもさすがにアイテム探ししか出していないというわけではない。
ここの企業ロゴを見るたびに、オレはいつもLucas Artsのロゴに似ているなぁと感じていたのだが、そのLucas Arts製ゲームの影響を直接的に受けてると思しきポイント&クリック式ADVも送り出していたのであった。

舞台は戯画化された冷戦下の1950年代。
東西を分ける分厚い鉄のカーテンによって、両陣営の人々が相手側に理想と嫌悪を勝手に膨らませていた時代。
持てる者がすべてを司る資本主義国家に暮らすエヴァンも、遠き世界の共産主義に憧れを抱いていたクチだ。

そんなエヴァンに接触してきたのは、共産主義大国マトリョーシカの美貌の女性工作員。
プロパガンダの一環として国家指導者との面会をセッティングされたエヴァンは、いささか荒っぽい方法でマトリョーシカに入国を果たす。
東西友好を目指す彼を待っていたのは超絶官僚主義作法の数々。
回りくどい手順に申請書。居丈高な役人たち。監視カメラに盗聴器。配給を待つ人々の行列。行く先々について回って離れない軍関係者。

人民のためとは名ばかりの官僚国家の現実に直面するエヴァンであったが、まぁ基本的に彼はルーカスアーツ系ADV主人公の流れを汲む楽天的ですっとぼけたキャラクター。
やがて入り組んだ権力暗闘とさらなる革命の兆しに否応無しで巻き込まれることになっても、持ち前のポイント&クリックADV的機智によって乗り越えてゆくのだった。

4~5時間程度の総プレイタイムながらも、この『Irony Curtain: From Matryoshka with Love』はポイント&クリックADVとしてはかなりの大作。
ダウンロードする際に、この手のゲームでは異例な8GBもの空き容量を要求された時には驚いたが、入念に描き込まれたビジュアルと豊かなアニメーション。そしてボリュームたっぷりのボイスアクトを目にすれば、それも納得のサイズだ。

昔ながらなポイント&クリックADVの様式そっくりそのままだけに、革新性には乏しいけれど、その分きっちりと伝統を受け継いで堅実かつ丁寧に作り込まれた一作。
このスタイルのゲームは、日本でのビジュアルノベルの展開と同様に、独立系のメーカーが少ないコストとリソースで参入できるジャンルとして定着しているが、その中にあって『Irony Curtain』の(このジャンルとしては異例の)大作感は、なかなか貴重なものなのかもしれない。
<日本語未対応>
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