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音楽ゲーム
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2021/04/14 (水) カテゴリー: XBOX ONE

『Rez』や『Space Giraffe』、古いところでは『iS internal section』のようなサウンドとゲームプレイが密接にシンクロするタイプのシューティングゲーム。
これなんかもオレにとっては紛うことなき音楽ゲームの範疇に入る存在である。
イギリスのインディースタジオMad Fellowsが開発した『Aaero』という奇妙な名前のゲームも、まさにそんなジャンルずばりな作品だ。

音楽系のシューティングゲームはロックオン式のショットシステムが基本的で、その着弾音がパーカッション的な役割を果たして音楽とシンクロナイズするものが多い。
『Aaero』のシューティング部分もこのタイプ。
ただしこのパートにおいては『Aaero』はそれほど際立ったゲームではない。
ショットのタイミングに思ったほどの幅がなくパーカッションとしての効果は限定的で、着弾のエフェクトを含め演出も同系統のゲームと比較すると派手さやけれんに欠ける。

されど『Aaero』にはそれを補う魅力がきっちり備わっている。
この系統のゲームはSTGという建前上、曲にインタラクティブに関わるのはどうしてもリズムセクションばかりになりがちであった。
それに対して『Aaero』は、画面の奥に向かって湾曲しながら伸びるリボンをトレースすることによって、メロディーラインへのアプローチを可能にしている。
リボンの航跡に自機の位置を合わせるだけのシンプルな作業だが、曲との絶妙なシンクロナイゼーションと相まって、この操作がとにかく気持ちいい。

その魅力はファーストステージからたっぷりと発揮されている。
Flux Pavilionの"Bass Cannon"は、悲鳴のような甲高いシンセサイザーがインパクト大なダブステップの名曲だが、自機がリボンの上を走ることによってこのシンセサイザー音と共鳴すると、まるで空間を切り裂いているかのような手応えを得られるだろう。
それは時として曲と左スティックが一体化したかのような感覚すら与えてくれる。
このリボントレースに快感がたっぷり詰まっているから、平凡に思えたようなシューティング部分も適度なモードチェンジに感じられるほどだ。

収録曲はFlux Pavilionを始め、Noisia、The Prototypes、Neosignalなど、主にエレクトロ、ドラムンベース系アーティストの楽曲。
極めてミニマルな規模で制作されたインディー系のゲームで、これだけの面子の曲を収めるこのができたのにも驚かされるが、これなどは版権ビジネスが弾を撃ちあっていたかつての音楽系ゲームの時代から、ミュージシャンとゲームとの関わりが変化してきた証なのかもしれない。
現在Xboxストアで配信されているコンプリートエディションには、追加の機体や楽曲などの全DLC分が、すべて最初から収録済みだ。
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2021/04/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |コメント:を投稿する 記事: 【Aaero】宙を切り裂くメロディリボン
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