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【Green Day: Rock Band】グリーン・デイ ロックバンド

   ↑  2021/02/05 (金)  カテゴリー: XBOX 360
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ゼロ年代末の北米音楽ゲームブームを担った二大巨頭の一つ『Rock Band』。
後発ながらも『Guitar Hero』をたちまちのうちに追い抜き、ギターゲームの(束の間の)覇者となったシリーズだ。
元を正せばこの二つのシリーズは根っこが同じ。初代『Guitar Hero』を制作したHarmonixがMTV Gamesの傘下となって立ち上げたのが『Rock Band』。
まあどこの世界にもよくある本家と元祖の争いの典型例みたいなもんである。
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だがそれ故に争いは熾烈を極めた。
後追いの『Rock Band』が『Guitar Hero』との差異化のためにまずアピールしたのはその編成。
ギブソン型コントローラを使ってギター、あるいはベースのみを担当させる『Guitar Hero』に対して、『Rock Band』はギターコントローラに加えてドラムセット型のコントローラを投入。
これにマイクを合わせて4ピースまでのバンドセッションプレイ可能をアピールしたのだ。
さらに打倒『Guitar Hero』の手を緩めない『Rock Band』陣営は、収録曲の質や量でもライバルを圧倒する勢い。ついにはシェアの逆転を果たしたのである。
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抜かれた『Guitar Hero』がエアロスミスやヴァン・ヘイレンなど大物バンドの特化路線に走ると、ここでもそれに対抗。
まずは挨拶代わりに『Rock Band』本編の拡張ディスク形式で『AC/DC Live: Rock Band Track Pack』をリリース。
そしてみんなのド肝を抜いたのが2009年に登場した『The Beatles: Rock Band』だ。
『Guitar Hero』にぐうの音も言わせない最強ポップアイコンの起用。
そしてビートルズに続いて放ったのが、パンクを超えてアメリカのトップバンドとしての地位を確立していたグリーン・デイをフィーチャーしたこの『Green Day: Rock Band』だ。
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このゲームが出た当時のグリーン・デイと言えば、8枚目のアルバム"21世紀のブレイクダウン"が前作"アメリカン・イディオット"に続いて全米1位を記録していた時期。
『Green Day: Rock Band』にも、その出たてほやほやのアルバムから12曲の大盤振る舞いだ。
ユーザーにとっては嬉しいが、Harmonixの会計担当者にとってみれば頭を抱えたくなるような話である。
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そう、市場を制覇した栄華のその陰で、ライバルとの凄絶な権利獲得合戦とそれに伴うライセンス料の高騰によって、『Rock Band』陣営の台所は既に火の車となっていたのだった。
元々が基本的なゲーム内容には何の変化もないまま、収録曲やアーティストの差異によって濫造を続けてきたシリーズ。『Guitar Hero』同様こちらも飽きられるのが早かった。
そして目の玉の飛び出るような巨額な版権料を必要とするビートルズは、それにとどめを刺したようなもんである。
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そんなギターゲームブームに陰りが差す中での発売となった『Green Day: Rock Band』。
収録曲のほとんどを占めるのは"21世紀のブレイクダウン"に加えて、やはりメガヒットを記録した"アメリカン・イディオット"、"ドゥーキー"からのナンバー。
それ以外のアルバムからは申し訳程度の収録(インディー時代の1st、2ndからは無し)と、コアなファンにとってはイマイチ物足りない内容。
個人的に一番大好きなアルバム"インソムニアック"の軽く扱われっぷりには、当時めちゃくちゃ憤った覚えがあったりする。
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それぞれのアルバムへの思い入れや評価は別にしても、このグリーン・デイの歴史や音楽的変遷を辿ることのできない偏った選曲は、いかにビジネス面におけるフックが優先されたとはいえ、ちょっと勿体ないところがある。
ビートルズはまだデジタル化されたメンバーが動くことにそれなりの意味があったが、現在進行系のバンドであるグリーン・デイにはそこまでの必要性もなし。
メンバーのルックスやステージなどのバリエーションも貧弱で、これでは単体でゲーム化されたことへの意味があまりにも乏しいのではないだろうか。
単なるヒットナンバーの羅列であるのならば、AC/DCと同様に拡張トラックバックにすればいいだけの話だ。
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結局セールスも想定を下回る結果に終わり、やがて下り坂のシリーズはライバル『Guitr Hero』と同様に親会社に見放される形で一時の休眠を迎える。
そしてこれまた奇しくも同じ2015年、ライバルと轡を並べるように復活作『Rock Band 4』が登場するも、こちらもやはり往時の勢いを取り戻すことはできなかった。

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