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宇宙  

【Haven】世界は二人のために

   ↑  2021/01/17 (日)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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マッチングシステムによって生涯の伴侶が自動的に選ばれる、自由恋愛というものがまったく認められない世界にあって、植物学者のケイとエンジニアのユウは相思相愛の仲だ。
愛を貫こうとする二人だが、既存のシステムを否定するその行為は社会への反逆に等しい。
二人が逃れてきたのは追っ手も行方を掴みきれないような辺境の惑星。
二人以外に息づくものと言えば、妙ちきりんな動植物だけ。逃避行の果てに辿り着いた二人だけの世界。
邪魔する野暮天がどこにもいないのは二人にとっては楽園かもしれないが、いい面の皮なのは立場上、このお気楽極楽なカップルの世話を焼いて回るハメになるプレイヤーだ。
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この星に着いて早々、二人の乗ったスペースシップは地震で破損。
修理するための資材を探して惑星を探索するのが、本作のメインミッションとなる。
探索のベースとなるのはネストと名付けられた宇宙船。その名前から明らかなように、「私たちの愛の巣です!」アピールを無遠慮に振りまく拠点だ。もう一回地震起こって亀裂の中に落ちてしまえ!と思いたくなるのも当たり前であろう。
その間取りは下手なマンションよりも贅沢。ダイニングキッチン、リビング、シャワーにトイレ、そしてベッドルーム。
建前上はサバイバルライフだが、現代日本人よりもはるかに文化的な生活である。なんでこんなやつらのを面倒を見なくちゃなんないんだ!
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探索時以外はすべてこの愛の巣で過ごす二人の生活描写は、『Haven』の実質上のメインディッシュみたいなもの。
仲良く一緒に飯を作ってはイチャイチャ、それを仲睦まじく一緒に食ってはイチャイチャ、シャワーを浴びてはイチャイチャ、そしてベッドに入ってはもちろんイチャイチャと、それに付きあわされるこっちは「オレがなにか悪いことしました?」と神様に問い質したくなってくる。
念のいったことに、シャード間を移動するたびに頻繁に入る読み込み時に表示されるのも、これまたバリエーション豊かな二人のイチャイチャ一枚絵。いいかげんにしろこの野郎。
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この世界には自分たちしかいないと舞い上がっているカップルだからして、もちろん探索に出てもイチャイチャのし通しだ。
移動中の二人の会話バリエーションは、もう無限にあるんじゃないかと思えるくらいの豊富さ。
本作はベーシックなRPGだから当然クリーチャーとの戦闘要素もある。
クリーチャーどもには二人の恋路を邪魔する役割を是非とも望むところだが、そうは問屋が卸さない。
たとえ戦闘中であってもカップルのイチャイチャは止まらない。呼吸を合わせて合体攻撃! むしろ緊急時だから余計に燃え上がっているかのようだ。
片方が戦闘不能になれば、もう奴らの思うツボ。相方が嬉々として抱き起こしに駆けつけてきやがる(もっともそのコマンドを入力してるのはプレイヤーだが)。
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この星の生物はみな繁殖する錆によって凶暴化しているという設定。
戦闘の白黒も命の取り合いではなく、一時的に狂っている生物を沈静化させる建前で決着がつく。
そして正気に還った生物はと言えば、可愛らしいモブとして二人の生活を彩る役目に落ち着くのだ、つくづく役に立たない連中だ。
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そしてRPGには付き物のステータスレベルアップも、このカップルにとってはただでは終わらない。
通常は一定の経験値が溜まればその場でステータスが上昇するのが普通だが、こいつらの場合はレベルアップすらも、いったん愛の巣に戻っていつも以上に濃厚にイチャイチャする手順を経てやっと上昇に至るのだ。
なにか言いたくなるのは山々だが、ここまで来るともう何を言っても無駄だろうと諦めが先に立ってくる。
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そんなお気楽極楽なカップルだが、実は世界と完全に断絶した中での愛の生活は、果たしてそれは本当に幸福なのかという自問が常にあったりして、それが醸し出すそこはかとない不安感は、このゲーム中に一本通った芯だったりする。
そして二人はやがてその自問に対してきっちりした答えを出す選択に、否応なしに行き着くことになってゆく。
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もちろんそれに対して態度を明確にするのは、ここまでさんざんアテられ続けながらも結婚式の牧師のような立場を務めてきたプレイヤー自身。
そしてその頃には、どう転んでも最終的には幸福になれそうもない二人の今後を、真剣に後押ししたくなるような気分が芽生えてくるのだから不思議なもんである。
見た目に反して煩雑さを覚える移動や、単調で面白さがイマイチ感じられない戦闘など細かい粗はあるが、程よくまとまったタイトなボリュームがそれ中和してくれるだろう。

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2021/01/17 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


アップルシチューはエデンの園だから?

料理や食事の時に、どうしても相容れないこだわり。お粥はサラサラかネットリか、甘い玉子焼きを許せるか、最後にお茶漬けを食べないと終わらないとか。二人だけの世界で戦闘までもが共同作業。一番心に残っている二人だけの世界は装甲騎兵ボトムズのキリコとフィアナです。

奈良の亀母 |  2021/01/18 (月) 08:40 No.1516


夫婦でも食事の好みやこだわりまで擦り合わせるのは困難ですからね。
私も料理の共同作業だけはさすがにやったことありません。
他からの干渉を一切拒んだ二人だけの世界って、精神的な心中に近いものになってしまうのがツラいですね。

管理人 |  2021/01/21 (木) 08:30 No.1517

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