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2020/06/07 (日) カテゴリー: その他ハード

昭和生まれのゲームオタクは、もういいかげんパタパタと死に始めてもおかしくない年齢。
それを見越してか、取りっぱぐれの無いよう最後の集金とでも言うべきレトロハードのミニ版復刻商売が花盛りだが、そのラインナップに新たに加わろうとしているのが、セガ往年の携帯ハード、ゲームギア。
しかしこのハード、改めて携帯ゲーム機と言われると、なんかちょっともにょるものがある。思い返してみてもモバイル的な使い方をした記憶がまったくない。
これを書くにあたって家に残存するゲームギア本体を久しぶりに引っ張り出してみたのだが、本体のほぼ半分以上を占める電池スロットに改めてガクッと力が抜けた。
要求電池量単3電池6本。今でこそ百均ショップの存在でコストをあまり意識せずほいほい使えるようになっているが、当時の電池はまだそれなりに割高なもの。
それを6本も投入しての駆動時間は実質3時間に満たなかった。

これでオレは早々とゲームボーイのようなモバイル的な運用を諦め、メガドライブのアダプターを流用して家の中のコンセントが届く範囲限定ならどこでも持ち運べる半据え置きゲーム機の役割を新たに与えることとなった。と言うかそれ以外に扱いようがなかったからだ。
しかしそのポジションですらゲームギアにはツラいものがあった。
ゲームギアのソフトラインナップは、ソニックやアウトラン、スーパーモナコGPといったメガドライブタイトルをダウングレードしたようなタイトルがその中心。
だけどこれらを半据え置き機と化したゲームギアで遊ぶくらいなら、なにもメガドライブ版をプレイすればいいだけの話だ。
それ以外のゲームギアオリジナルタイトルとなると実に印象が薄い。
ちょっと面白かったのは『シャダム・クルセイダー ~遙かなる王国~』というRPGくらい。他となると、なんかダビスタの出来損ないみたいな競走馬育成ゲームをちょっと遊び込んだ覚えがあるが、それほど面白かったわけじゃない。
ゲームギアでしかプレイできないキラータイトルの不在は、このハードに最後までつきまとっていた致命的なウイークポイントであったと思う。
だがそれでゲームギアが押入れの肥やしになったかというと、まったくそんなことはなかった。
それはカラーと並ぶゲームギアのもう一つの目玉だった、別売りのTVチューナーパックで得られるテレビ受信機能。
このポータブルテレビ化によって、ゲームギアは我が家においてゲーム機の世代をまたぐ大延命を果たしたのであった。

このTVチューナーパック、ホントに重宝した。付随しているアンテナの感度は頼りないものだったが、外部アンテナ端子を使えば受信の問題はほぼほぼクリアできたし、なによりポータブルテレビがまだそれなりの値段がしていた時代、ほどほどの投資で家の中のどこにでも持ち運びできるテレビを得られた恩恵は大きかった。
これがもう一つ重宝したのは外部入力端子の存在だ。
コンポジットの変換アダプターさえあれば、ありとあらゆるビデオ機器のハンディモニターへと変身してくれる。
これはゲーム機器も同様で、今となってはアホな話だが、当時名古屋に2ヶ月だけ短期赴任しなければならなくなったとき、赴任先で新たにテレビを買うのが勿体ないので、ゲームギアwithTVチューナーパックに発売されたばかりのセガサターンを繋いで、とりあえず賄ったことがある。
なにしろ本来なら普通にテレビで遊ぶことを前提として造られているゲームを、あのちっちゃい画面を覗き込んでプレイしているわけだから、麻雀ゲームだと萬子の区別がまったくつかなかったり(手牌に入れば整理されるからまだなんとかなるが、積もってきた萬子は直感でどうにかするしかなかった)、ADVやSLGだとテキストが潰れてなに言ってんだかさっぱり分からなかったりと、弊害ばかりが多かったような気もするが、東京に帰るまでの辛抱だと意地で続けていた記憶がある。
おかげであの名作『ワールドアドバンスド大戦略 ~鋼鉄の戦風~』に対するオレの評価は、「ちっちゃい画面の中に文字みたいなものや何やらがたくさん蠢いているワケのわからないゲーム」という不幸なものに落ち着いてしまっているけど。
そんなこんなで純粋なゲーム機としての印象な極めて薄いのに、オレにとってはめちゃくちゃ馴染みがあってて思い入れが深い、なんともワケのわからないポジションにいるハード、ゲームギア(結局その必要性から3台も本体を買い換えてしまった)。
復刻ミニ機ビジネスに対して元々距離をおいているのもあるんだけど、今回のゲームギアミクロに対すして反応が「とりあえずはTVチューナー付けてこい。話はそれからだ」になってしまうのも、仕方のないことなのであった。
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