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【Wolfenstein: Youngblood】ブラスコの不肖の娘たち

   ↑  2020/05/12 (火)  カテゴリー: XBOX ONE
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「ナチスに占領されたアメリカ。その圧倒的な支配はまたたく間に全土に及び、いまやそれに反抗する人々もごく僅か。そんな八方塞がりの中、レジスタンスのカリスマ、テラー・ビリーことウィリアム・ジョセフ・ブラスコヴィッチは、ついに宿敵であるフラウ・エンゲル親衛隊上級大将を仕留めることに成功した。しかしこれはアメリカ解放のほんの狼煙。レジスタンスの長く苦しい戦いは、いままさに始まったばかりなのだ!」
前作『Wolfenstein II: The New Colossus』で綴られた歴史だ。
そしてその約20年後、1980年を舞台としたウルフェンシュタインシリーズ最新作『ウルフェンシュタイン: ヤングブラッド』の冒頭で語られる時代背景は、
「あれからブラスコヴィッチとレジスタンスの活躍によりヒトラーは打倒されアメリカは解放されました」
あいだめちゃくちゃハショリすぎ!!
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とりあえずヒトラーは死んだらしい(クローンがいましたとか、ナチのオカルト混じり最新テクノロジーで蘇りましたとか、そんな展開が今後出てくることは充分予想されるが)。
アメリカは再び自由を取り戻し、20年前のレジスタンスの面々も、いまは政府の要職に就いている者もいる。
『The New Colossus』では赤ん坊だったグレースの娘、そしてまだお腹の中だったブラスコとアーニャの二人の子どもも、すっかり生意気盛りになっている。
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だが勢力は衰退したとはいえナチスの脅威は未だに健在だ。特にヨーロッパ圏の多くはまだその支配下にある。
そのナチス圧政下のパリで、もはや初老の域に達している我らがブラスコヴィッチが消息を絶った。
捜索に向かうのはブラスコの双子の娘、ソフとジェス。
2人はグレースの娘であるアビーのサポートを受けながら、パリ・レジスタンスの地下アジトをを拠点に、あまり深刻そうじゃない父親探しを建前としたナチス相手の大暴れを始めるのであった。ゲーム感覚のライトなノリで!
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とにかくこのブラスコの不肖の娘たち、軽すぎる。
ナチスとの永遠の戦いを宿命づけられ、ナチスと対になるおのれの立場にプレッシャーを受け、ついにはオレがいるからナチがこの世に蔓延るんじゃないかと悩むにまで至った、親父が背負い続けていた重いものを全部さらっとスルー。
まあ家業の二代目なんてどこもそんなもんかもしれないが、堪らないのは間を思い切り端折られた挙げ句に唐突な代替わりを投げてよこされ、これを認知しろと迫られるプレイヤーの方だ。
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軽佻浮薄な二代目が許されるのも、それは仕事(中身)がきちんとしている場合。
ところがブラスコの二人の娘ときたら、「パパはソロプレイオンリーの仕様に頑なにこだわっていたけど、やっぱりそんなの時代遅れだよねー」と、伝統をあっさりひっくり返して試みた様々な新要素がことごとく空回り。
ひとりナチスに立ち向かった親父の孤独なんか知る由もなく導入したCo-opプレイ主軸のシステムを皮切りに、キャラクターのレベル制、探索に比重が置かれたノンリニアのマップなど、そのすべてが未整理で中途半端なものに終わってしまっている。
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機能していないステルスシステム、Co-opにバランスを合わせたために四方八方から無秩序に止めどなく敵が現れて常にぐだぐだの乱戦を強いられる戦闘、どこに行っても代わり映えのしないロケーションと、それを何度も何度も行き来させられる地獄。
それとベセスダのウルフェンシュタインでは常にこってり目の味付けが施されていたナチスも、今回はエラい淡白だ。
『The New Order』のデスヘッド、『The New Colossus』のエンゲル女史と、歴代のボスはこいつを殺さなければ夜も眠れないくらいメーターの振り切れた悪役っぷりだったが、今作のそれはその役目を継承するには大幅に力不足。
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"ナチスの影響下にある80年代"ってのは、このゲームの数少ないチャームポイントではあるんだけど、それも結局はコレクトアイテムのカセットテープやビデオジャケットのみに留まっていて、本ストーリーにはそのイメージはほとんど関わってこない。
前作の流れから、子どもを持ったら子煩悩っぷりがハンパじゃなさそうなとこを匂わせまくっていたブラスコヴィッチだけど、それを通り越して親バカっぷりも大概にしろと文句のひとつもつけたくなるような娘たちの体たらくであった。

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2020/05/12 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


2代目って難しい!

若い頃、あれほど夢中になったゲームを今は全くプレイしたくないのは老眼のせいだけでなく人生の残り時間が限られているからでしょうか?美麗なムービーや感動的な台詞に、義理で出席した結婚式で新郎新婦の馴れ初めや生い立ちのビデオを見せられているような徒労感を覚えてしまう。良かったね、お幸せにね、時間と金を返せや!でも他人様のゲームブログは面白いという矛盾。年取ったなあ・・・。

奈良の亀母 |  2020/05/14 (木) 19:28 No.1484


私も緊急事態宣言で潰しようのない暇ができなければなければゲームごとからどんどんフェイドアウトしていったようなとこがありますが、しかしどれだけ時間があっても無駄にカットシーンの長いゲームに出会すと「あんまり暇だと思うなよ!」の一言がつい出てきちゃいますね。

管理人 |  2020/05/18 (月) 19:42 No.1485

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