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【ウルトラボックス創刊号】PCエンジンで"読む"雑誌

   ↑  2020/03/30 (月)  カテゴリー: PCエンジン
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復刻機PCエンジンminiの発売を受け再び盛り上がっている往年のゲームハードPCエンジン。
8ビット機であるファミリーコンピュータの対抗馬としてデビューを飾り、それから世代をまたいで次世代CD-ROM機戦争の趨勢が決まった90年代末まで異例の長寿を全うした。
その長い歴史の中でも輝いているのがCD-ROMを一般化させた功績だ。
PCエンジンminiの形状はベースとなった初代機を模したものになっているが、オレにとってPCエンジンはやはりCD-ROM2。
当時めちゃくちゃ高価だったCD-ROMユニットを合体させた本体を前に、これからゲームの新しい地平が切り拓かれるのだと胸を躍らせた瞬間は、いまでも忘れられない。
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だからやはりPCエンジンで思い入れの深いソフトとなると、CD-ROMという新たな媒体を得て、それまでのゲームとは別の文脈から生まれてきたものばかりが浮かぶ。
『No・Ri・Ko』『鏡の国のレジェンド』『みつばち学園』『井上麻美 この星にたったひとりのキミ』。
アイドルゲームばっかやないかい! とツッコミが飛んできそうだが、まあ少なくとも色んな事情でPCエンジンminiには間違っても収録されないものばかりだ。
しかしNEC-HEのCD-ROMに対する果敢な試みがなければ絶対生まれてこなかったこれらのゲームが、PCエンジンの一面を象徴していたことだけは間違いない。
逆に言えば小川範子やのりピーの姿がないPCエンジン復刻機にどれだけの意味があるだろうか。少なくともオレにとってはそうだ。
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バラエティに富んだコンテンツを雑誌的に盛り込んだCD-ROMマガジンというメディア形態は、CD-ROMが一般的になった以降のPCやセガサターンなどで瞬間的に盛り上がったが、ここでも早すぎた先駆者となったのはPCエンジンであった。
「世界初のCD-ROMマガジン」の謳い文句も勇ましいPCエンジンCD-ROM2ソフト『ウルトラボックス創刊号』が発売されたのは、マルチメディアなんて言葉もまだ曖昧だった1990年のこと。
発売元のビクター音産は他にも恐竜図鑑データベース『マジカルサウルスツアー』をリリースするなど、PCエンジンのノンゲームソフトに力を入れていたメーカーだ。
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CD-ROM版のバラエティ雑誌を志向しているだけあって、コンテンツは多岐に渡っている。
PCエンジンソフトの紹介コーナーや新作情報は当然として、他にはゲームアーツが提供したミニゲームが二本に東映動画の手によるインタラクティブなアニメ短編。
ここらまでは予想の範疇だが、いささか暴走気味だったのはそこから先のコンテンツだ。
11PMのカバーガールだった小栗香織と渋谷や原宿のトレンドスポットで疑似デートできるデート講座とか、外国人女性をナンパする英語講座とか、トレンドウォッチャーを名乗っていた木村和久のコーナーなど、PCエンジンの中でもさらにハードコアアイテムであるCD-ROM2を購入するような層とは、およそかけ離れた内容ばかり。
少なくともPCエンジンからマルキューのショップ情報を得ようとする人間は皆無に近かったであろう。
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そして雑誌には不可欠な占いコーナーを担当するのはプロレスラーのラッシャー木村。
これまたビーンボール気味の人選だが、しかし木村さんのまるで台本をつっかえつっかえ読んでいるかのような、たどたどしく木訥な語り口に耳を傾けていると、立て板に水で喋り倒す他の占い師よりもはるかに説得力が生まれてくるから不思議である。
考えてみれば、おのれの悩みや不安、人生の岐路への重大なサジェスチョンを求めるのならば、細木なんたらとかよりも、生真面目で、謙虚で、愚直で、勤勉で、人の温かみを知るラッシャー木村さんこそ、その占いに耳を傾ける価値があるというもの。
もっとも木村さん自らが本当に占っているかどうかは、だいぶ疑わしいところではあるが。
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この手のバラエティマガジンによくありがちな、アイドルや若手女性タレントの情報コーナーもあるが、この直後にいわゆるアイドル氷河期を迎えるだけあって、あっという間に荒んでしまった人物ばかりなのが涙を誘う。
そしてこれも雑誌には不可欠な読者参加コーナーも、創刊号の常でやらせ投稿のオンパレード。
『ウルトラボックス』はトータルで5号までが発売されたが、チャラい若者向けタウン誌風のテイストが濃かったのはこの創刊号がピーク。
以降の号はオタク系コンテンツの比重が次第に増していって、地味に軌道修正を果たしている。

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