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2020/02/08 (土) カテゴリー: セガサターン

2019年のオタク界隈のトピックとして記憶に新しいのが、下半期に立て続けに発表された声優の結婚報告。
一つの嵐が静まりかけたと思ったら、また新たな嵐が巻き起こってくるそのラッシュに、SNSを中心としたネット上では悲痛な叫びが止むことがなかったのですが、しかし界隈そのものが老成したのか、あるいはスれてしまったのか、かつての女性声優結婚時に湧いた阿鼻叫喚に比べれば、それらはいささか落ち着いたものではありました。
過去のそれで印象深かったのは、なんてったって國府田マリ子さんの結婚です。
今と違って2ちゃんねるなどの匿名掲示板がその掃き出し口の舞台となったもんですから、ファンと称する人たちの悲鳴の業の深さもハンパなものではなく、それはやがて"國府田マリ子ファンの遺言"という、もはやオタク歴史重要文献と呼んでも過言ではないコピペにまで至りました。

それくらい90年代中期から2000年にかけての國府田マリ子さんの人気は凄まじいものでして、それはラジオパーソナリティから、アイドル声優としては意外とやりたい放題だった音楽活動、さらには実写の主演映画(お相手は大森南朋)にまで及びました。
もちろんゲームだって同様です。実写の國府田さんが登場するゲームには、珍作『ボイスパラダイス エクセラ』なんてのがありましたが、この『フリートークスタジオ マリの気ままなおしゃべり』は、実写國府田さんこそ登場しないものの、國府田さんが文字通りピンで看板となった、國府田マリ子ファンのための國府田マリ子ゲームです。

國府田さん演じるラジオ局の新人アナウンサーが番組を任され、一癖二癖ある程度の言葉では収まりのつかないゲストたちを、なんとか捌いて番組を円滑に進行させる。
まぁ基本的に番組中に会話選択肢が数回出てくるだけの内容ですが、タチの悪いゲストに翻弄されて胃の痛い思いをする番組進行役の気持ちだけは痛いほど伝わってきますので、"ラジオDJシミュレーションゲーム"という自己申告も、あながち間違ってはいないと思います。

これらのゲストは、國府田さんと同じ青二プロの役者さんたちが演じているのですが、なぜか関西コメディアンの伊素川アヤというキャラだけが、中の人(久川綾)をもじったネーミング。
久川さんもキャラ同様大阪の出身ですし、國府田さん演じるアナウンサーも「アヤさん」などと語りかけるもんですから、この回はまるで青二プロの先輩後輩同士の会話にしか聞こえてきません。
しかしこのコメディアンは、並みいるゲストの中では一番扱いやすい言わば雑魚キャラ。
伊素川回を終えて襲いかかってくるのは、番組の最中にマネージャーを呼び出してゴネるアイドル(CV. 萩森侚子)とか、番組中に「そこに霊が見える」などと吹かし始めるオカルト作家(CV. 山崎和佳奈)だのと、そもそもこんな奴らを公共の電波に乗せるなと言いたくなるような、一筋縄ではいかない連中ばかり。

そしてある意味、真のボスキャラと言える存在が、富沢美智恵さんが演じる芸術家のナナシー比留間先生。
富沢さんのナチュラルアッパーな芝居と、エキセントリックなキャラクターが見事に融合した、このナナシー先生登場回は、本作のクライマックスといっても過言ではありません。
「頭で電波を受信しなさい」
生放送中に、そんなスレスレのことを言い立てるナナシー先生に「な、なんか聞こえてきましたぁ!」と応じる新人アナウンサー、君は大人です。
ナナシー先生と比べると、ラスボスである歌手の河合奈津美さん(CV. 國府田マリ子。國府田マリ子が國府田マリ子をゲストに迎えるという、ワケの分からない事態に)は、なんと常識をわきまえた人に見えることでしょうか。

「意外と普通ですね」という掟破りの先制パンチに意外と上機嫌な河合さん。
「私、奈津美さんのCD、全部持ってますよ!」「まぁ、嬉しいです」「奈津美さんの音楽は、もう日常生活のBGMみたいなもんです!」「………そう。私の音楽って、BGMみたいに聞き流せてしまえるもんなんですね」
前言撤回! やはり他のゲストに負けず劣らず面倒臭い人でした。いい年こいてんだから、少しは大人の対応ってものを覚えろや!

そんなこんな慎ましやかなドタバタ劇に彩られ、タイトにまとまった小品。
だけどその一方で値段は一般作並み。しかもブックレット同梱の赤版と、トレカ同梱の青版という二種類のパッケージを用意し、さらにサターン版とプレステ版では、國府田マリ子が歌う収録曲がそれぞれ別という、國府田ファンに「全種類漏らさず買え!」と迫る、えげつない商魂もたっぷりと備わっています。
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