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【SSX(2012)】一代限りの新世代SSX

   ↑  2020/01/08 (水)  カテゴリー: XBOX 360
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冬、ウインタースポーツの季節到来。
ビデオゲームの世界でこの手のメインストリームといえば、なんと言ったってスノーボード系。
スノボゲームにも、その時代時代を引っ張るトレンドリーダー的なシリーズがある。
90年代、まだ勃興して間もない同ジャンルを牽引したのが『クールボーダーズ』シリーズならば、ゼロ年代のそれを牽引したのはEAの『SSX』シリーズだ。
2000年発売の初代『SSX』に始まり、その発展型である名作『SSXトリッキー』、そして『SSX 3』『SSX on Tour』と、PS2にゲームキューブ、Xboxにまたがって栄華を極めた。
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『SSX』シリーズは元を正せばEAスポーツの中のブランド、BIGの作品。
『フリークスタイル モトクロス』や『FIFAストリート』『ラリーショックス』などを擁する同ブランドは、従来のEAスポーツゲームと違って、そのスポーツ競技を極端にデフォルメしてアーケードゲーム的なチューンナップを施しているのが特徴。
『SSX』もその例には漏れない。破天荒なレイアウトの急斜面コースをノンストップで駆け下りて、ジャンプはビル1個分程度の高さをを飛ぶのは当たり前。
ほとんどスカイダイビングのようなジャンプ中には、物理の法則を無視したトリックを山のように盛り込んで、グラインドレールはともすれば谷をまたいで崖を縫うように貫いている。
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それでいて操作はとことんカジュアル。スタートでスノボを蹴り出した瞬間から、もうアドレナリン全開。
作品ごとのマイナーチェンジはあれど、これらはシリーズに一貫したアティチュードであった。
そのSSXシリーズも、2007年にWiiで発売された『SSXブラー』を最後にしばし鳴りを潜め、Xbox 360やPS3といった第7世代機が全盛を極める2010年代には、どことなく様子をうかがっている感があった。
そして2012年、ついに登場した10年代のSSX。ゲームタイトルもシンプルに無印の『SSX』と原点回帰。
初代と混同しそうでややこしいから『SSX (2012)』と表記するが、しかしこの久方ぶりのシリーズ作は、能天気ではっちゃけたゼロ年代から、よりリアル指向を増した10年代のゲームカルチャーの変遷をもろに被ってしまった、賛否両論の作品となってしまった。
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シリーズの肝であったはっちゃけた感触は減退し、代わりに増したのはエクストリーム度。
抜きつ抜かれつな絶妙なバランスのレースや弾けた大ジャンプにトリックなど、随所に従来のSSXらしさが残されてはいる。
しかし崖やクレバスなど一発死ポイントの過多による難度の上昇は、シリーズ過去作に共通していた底抜けに開放的なアーケード感覚を大きく損なってしまっているのだ。
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その象徴的な存在が、本作から導入されたデッドリーディセントと題された、一発死ポイントだらけのデンジャラスなコースを、とにかく麓まで生きて完走することが目的のサバイバルモード。
生か死かのエクストリームテイストは、この『SSX (2012)』の大きなテーマらしいが、これがシリーズ過去作に共通していた、一度スタートしたらアドレナリンを撒き散らし麓までノンストップだったアーケード感覚との乖離を生み、多くのシリーズファンを困惑させてしまった。
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ウイングスーツやピッケルなど、コースごとに必須とされるギアの付け替えや、スノボゲームとしては異例なヘルスポイントの存在なども煩雑な印象しか生み出せず、不親切なシステムインターフェースも足を引っ張った。
実在する世界の名峰をリアルに再現の触れ込みも、後にDLCで追加された富士山が洞穴や謎オブジェクトだらけの、いびつな不思議山になっていたことから首をひねらざるを得ず。
オンラインプレイやコレクタブル要素、自在のBGM設定など、10年代の新しいSSXを確立させようという気概は、あちこちに観られるのだけど、ぎくしゃくしたトータルバランスの前ではそれらも空回りに終わり、新時代の新しいSSXは結局そのまま後継を得ることなく、この一世を風靡したIPも雪山の上で氷漬けになってしまうのであった。

<Xbox One 互換対応タイトル>
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