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干支ゲー
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2020/01/02 (木) カテゴリー: XBOX

あけましておめでとうございます。
2020年は子年。実は干支にちなんだゲームを取り上げた記事の第一回も子年だったりして、恒例の干支ゲーもいよいよ十二支を一回りしてしまいました。まぁなんて私、進歩ないんでしょうか。
ひとくちにねずみと言っても、浦安のあたりにいるあいつとか、セガの青くてバカっ速いやつとか色々いますけど、古くからのXboxユーザーにとっては、ねずみときたらあいつらしかいないわけでして、今年の干支ゲー、満を持して『ねずみくす』の登場です。

いまの日本市場にいるんだかいないんだか分からないような存在と違って、2002年に国内販売が開始された初代のXboxは、そりゃあもう派手なお目見えでした。
ゲイツ、YOSHIKI、笑っていいとも、緑に染まる渋谷。
その黒い巨体も相まって、ゲーム大国日本に開国を迫るアメリカからの使者は"黒船"の異名をとったりもしましたが、まぁ確かに船にはねずみの乗船がつきもの。
だけど船のねずみってのは、基本こっそり乗ってるもんですが、このXboxのねずみの場合は「タイタニック」のディカプリオよろしく舳先に堂々とその姿を現していたのでした。

マイクロソフト自らが贈る初代Xbox最初のオリジナルタイトル。
当時陣頭指揮を執っていたマイクロソフトの大浦常務は、「ねずみのフサフサ感」をやたらとアピールしていましたが、裏を返せばそれしか取り柄らしい取り柄がなかったこのゲーム。
そしていつしか「フサフサ」という言葉も、Xboxそのものを揶揄する言葉へと変わっていったのです。

Xboxユーザーにとっても世間にとってもろくな思い出がない『ねずみくす』。
ファミリー層にもアピールできる可愛らしいゲームであるのが、このねずみどもがプッシュされた大きな理由なのでしょうが、しかしこの『ねずみくす』は、フサフサでキュートな外見の下に排外主義というポリティカルなテーマを隠し持った作品なのでした。
小さな家の屋根裏で暮らす一見平和なねずみの一団。

しかしある日、彼らは自分たちの食い扶持がいつの間にか減っていることに気づき、内紛の危機を迎えます。
この事態をとりあえず収集したのが、仲間内では知恵者で通っているねずみ。
「これはヨソモノがボクたちの食い扶持を奪ってるんだよ!」
ハンパなインテリが無教養な連中を煽るってのは、どっかで見たような構図ですが、とにもかくにもねずみたちは「悪いのはあいつらだ。ヨソモノをやっつけよーぜー!」と、たちまち

こうなるとねずみたちの一匹がピースマークのTシャツを身につけているのも、タチの悪いブラックジョークにしか見えてきません。
こうして徒党を組み家の中を探索してヨソモノを炙り出すねずみたち。狩り出すだけ狩りだしたら最後は腕っぷしに物を言わせてステージいっちょ上がり。
この構図の前には薄っぺらいゲーム性や、「Have a mice day」「よみこみチュー」「ドタバタねずみアドベンチュー」といった人の神経を逆なでするダジャレの数々も些細な問題でしかありません。
黒船の舳先に立ってきた乗員であるにも関わらずバリバリの国粋主義者。自己矛盾の塊のような『ねずみくす』が、スタートダッシュで前のめりになるXboxの足を思い切りすくったのも、むべなるかなであったのです。
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2020/01/02 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |No title
あけましておめでとうございます。
いつもブログ拝読させていただいております。
与一さんの率直で嫌味のない、軽快で面白い文章が大好きです。
これからも更新楽しみにしてます。
一読者 |
2020/01/03 (金) 03:45 No.1472
ありがとうございます。
去年はサボりがちでしたが、今年はそこそこのペースで更新していくつもりなので、よろしくお付き合い願います。
管理人 |
2020/01/06 (月) 20:52 No.1473
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