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【Riot Act 2】荒れ果てた街への帰還

   ↑  2019/03/16 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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地方出身者が、シャッター街だらけになった故郷に帰ってきたときの気分は、こんな感じなのだろうか。
かつて栄華を誇ったパシフィックシティも、今ではすっかり寂れ果ててしまっている。
グエラが手下と共に陣取っていたナイトクラブも今では廃墟と化し、麗しのバイオレッタ・サンチェスの住居だった高層マンションもスラムとなっている。
ムキムキ男アルバレスが筋トレに精を出していた高級スポーツジムも、プールの水も澱むか枯れ果て、ボロボロになったテニスコートは、まるでバブルが弾けた後、開発会社に見捨てられたリゾート地のようだ。
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この大都会が、こんな荒れ果てた街になってしまったワケをオレは知っている。
ここがこうなってしまったのは、ギャングたちが跋扈したせいでも、行政が腐敗したからでもない。
数年前、この街に秩序を取り戻し市民に平和と安寧をもたらすという建前の下に、無軌道無差別に暴れ狂った一人の改造人間の仕業だ。
その男の通称は"エージェント"。すなわち、このオレの前任者だ。
そして無辜の市民の犠牲と引き換えに達成されたギャング組織の壊滅と入れ替わりに訪れたのは、テロリストの跋扈と謎のウィルスによって蔓延したフリークと呼ばれる突然変異体の群れ。
エージェンシーのトップは原因をテロリストにあるとしているが、しかし警察の上級官僚がギャングやテロリストよりも信用ならない連中であることは、現実世界でも、そして何より前作無印『ライオットアクト』でも証明済みだ。
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「我々に予算と権限を与えなかったから、この街はこんな事態になってしまっただろ?」
そんないかにも官僚じみた理屈と共に、この街に再びエージェントが帰ってくることとなった。
パシフィックシティからセルというテロリスト組織を一掃し、突然変異で狂暴種化したミュータントの根源を絶つため。
そして実際のところは、警察官僚の猟犬となることを引き換えに手に入れた権限で、治安を回復する建前のもと、前任者を上回る無軌道な暴れっぷりを極めるために。
この街のあらゆる生きとし生ける者を自由にもてあそべる。それがエージェントであるオレに与えられた権限なのだ。
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『ライオットアクト2』は、あなたが本当に『ライオットアクト』というゲームが好きだったのかどうかを試される、試金石のようなゲームだ。
『ライオットアクト』は、ほぼ完璧に近いデザインを施された箱庭の中に、アテもなく投げ出されるゲーム。
前作『ライオットアクト』には、三大ギャングの幹部たちを片っ端から仕留めて行くという、辛うじてストーリーらしきものが付随した便宜的な目標が与えられたりした。
だけどそれは、なんの目的も無しにプレイヤーをほっぽり出すのは、さすがに忍びないと感じた開発者たちによる、極めて大雑把なガイドラインに過ぎない。
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そしてこの『ライオットアクト2』は、そんなガイドラインすらもさらに大雑把になった。
だけどこのゲームの本質には一切手が加えられていない。少なくとも開発側は余計なことは一切していない。
ほんのちょっと新たな趣向を加えただけだ。それが夜になると街を埋め尽くす異形のフリークスたち。
「さすがに一般市民を無差別に大量虐殺するのは気が引けるでしょ? だからぶち殺しまくっても後腐れがないような連中を、大盛りで用意しました」
いくら何でも盛りすぎだ、この野郎!
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プレイヤーを惑わすストーリーじみたものすらも省いた『ライオットアクト2』は、真のライオットアクトフリークに向けた、極めてピュアなライオットアクト。
気ままに飛び回り、好き勝手に車を転がし、そこにビルがあるからよじ登り、死体を遠投し、豆まきのように群衆目がけてグレネードをばらまき、人の神経をわざと逆撫でしてくるナレーションに憤り、気が向いたらとってつけたようなミッションをこなし、ビルのてっぺんから夕日が沈むのを眺め、塔のてっぺんで朝日が昇るのを迎える。
そんな思いつくままの行動を、ぐだぐだぐだぐだと飽きるまで続ける至福は、しっかりと健在だ。
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初代とこの『ライオットアクト2』の大きな違いと言える部分は、ボスたちの存在なんかじゃない。
それは冒頭にも記した、荒廃した故郷に十数年ぶりに帰ってきたような寂寥感だ。そしてこれは『ライオットアクト2』の最大のチャームポイントだったりする。
どんなに荒れ果てようと、寂れようと、そこはあなたの愛する故郷だ。するべきことは山ほどある。そして、しなくていいことだって山ほどある。
だから、まずはとりあえず飛べ。そして跳ねろ。この街が活気と騒乱の日々を再び取り戻せるかどうかは、すべてエージェントの衝動任せな行動一つに懸かっているのだから。

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