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2019/02/26 (火) カテゴリー: XBOX 360

つば広のヘルメットと一体化した信号機みたいなフェイスマスク。オレたち頂賊の基本コーディネートだ。
頂賊、なんじゃそりゃ? って反応の人が今やほとんどだろうが、この雪と氷のフロンティア、惑星EDN-3rdでぶいぶい言わせていたスノーパイレーツ、別名雪賊の一派だ。
そしてその雪賊の中でも一番チャーミングな集団がオレたち。
どうせ他の奴らも同じことを主張するだろうが、紅賊はネズミみたいな連中だし、猟兵って奴らに至っては似合わないネコ耳を可愛いと思ってる、鏡を見たことのないすっとこどっこいどもだ。

オレたちがこの星を跋扈していたのは、設定上だと実験年代T.C.-80。でもまぁ分かりやすく言うと西暦2007年から2008年にかけて。うん、もはや一昔前もいいとこだな。
人類が入植を開始した極寒の惑星。しかしそこにはエイクリッド(AK)と呼ばれる凶暴な原生生物がいて、「こりゃいかん」と入植者たちは慌てて撤退。
そのときに取り残されてそのまま環境に順応してしまったのが雪賊。
これが公式の設定だが、オレたち置いてきぼりになるくらいバカだから、あんまりそんなの気に留めたことねえ。
まぁオレたちなりに時代背景を説明すると、Xbox 360というハードが発売されてゲームのオンライン対戦のハードルがぐぐぐぐぐっと下がった。
そしてEDN-3rdは、それによって360とXbox Liveの人口が大きく拡大する流れに足並みを合わせることができた幸福な棄民惑星だったのさ。

『ロストプラネット』ってのは、いわゆるシューターとしてはとにかく変わったゲーム。ゼロ年代後半のFPSTPSの流れの中では突然変異的な存在だ。
同時代のTPS『Gears of War』と比較してみると、それは明らかだろう。
遮蔽物から遮蔽物へ身を隠しながら移動し物陰から敵を狙い撃つ。『Gears of War』の生々しいカバーアクションは多くのフォロワーを生み出し、いかにも銃器の国からの発案らしいこのスタイルは、しばらくシューター界隈の潮流となった。
対して『ロストプラネット』の場合は前転。銃弾飛び交う中をとことこ飛び出しては、ころころと転がりながら敵の攻撃を躱してゆく。
当時のFPSTPSの文法からは、なかなか生まれてこないであろうアイディアだ。
むしろアクションゲーム的。その作法をTPSってスタイルにアジャストさせたゲームと言えるかもしれないな。

そしてベーシックの武器としては、あまりにもその威力に問題があるマシンガン。他のゲームの基本武器と比べたら銀玉鉄砲みたいなシロモノだ。
それがまた『ロストプラネット』ならではの奥深い立ち回りを生み出した。マシンガンはあくまでグレネードを誘爆させるための補助兵器。
マッチがスタートしたら、接敵したら、なんとなく敵がいそうな気配があったら、たとえなんでもなくとも、とにかく投げるのはグレネード。
そんな『ロスプラ』ならではの戦闘スタイルは、見た目やはっちゃけっぷりからいつしか"雪合戦"と呼ばれるようになったっけ。

この惑星にも乗り物はある。VS(バイタルスーツ)と呼ばれる各種人型兵器がそれだ。
逆足、羽根付き、バイク、戦車、そしてガチャピン。いずれも正式名称があるんだろうが、オレたちがそんなもん覚えるわけねえ。
こんな俗称でなきゃ話が通じないくらい、とにかく日本人部屋、日本人コミュニティが賑わってたんだよ、この惑星は。
乗ればアドバンテージを得られるこれらVSだったが、乗ったら絶対ってことにはならなかったのが、これまた『ロスプラ』の面白かったところだ。
エネルギーガンって武器の溜め撃ちを喰らうと、問答無用でVSから排出されてしまう。
このときの宙を泳ぎながらコクピットから投げ出される姿がホント間抜けでな。最強VSガチャピンに乗って大暴れするやつをこの目に遭わせてやったときは、それだけで胸がすく思いがしたもんだ。

それからなんたってアンカー。これが無かったら『ロスプラ』も冴えないゲームに留まっていただろうな。
とにかくこいつが届く範囲なら、どんな高い場所や不安定な足場だろうと、ぴゅーんっとあっという間に登ることができる。
この便利な登攀器具のおかげで高低差の概念がさらに広がりを増して、思わぬ位置取りや奇襲など立ち回りの妙味が何十倍にも膨れ上がった。
"クラックタワー"ってマップは、このアンカーの存在が何よりも活きた舞台だったな。

平坦な天井部と迷路のような地上部の複合マップ"NEVEC訓練施設"。だだっ広い雪原の"雪漠"。峡谷に分断された地形で、そこにかかる細い橋をバイクで突っ切るのがスリリングだった"キャニオン810"。そしてオレたちの一番の故郷"雪賊砦"。
極寒の気候も深い雪も溶かす熱い戦いが繰り広げられた思い出の舞台。
あの頃は毎日がお祭りのようだった。
仕事から帰ってきて飯も適当にレッドリングに怯えながらXbox 360の電源を入れ、ディスクがけたたましい音を奏でる中、いつもの部屋を探す。

毎日毎晩、お馴染みの部屋がいくつも立っていた。そこが空くのを待って雪の惑星に身を投じた。
オンライン対戦が決して特殊なものではなくなった、かと言って今のように一般的でもなかったあの時代だからこその熱気。
それはゲームと時代とハードの勢いがこれ以上はないくらい絶妙にシンクロナイゼーションした、奇跡のような空間だったのだ。
あんな黄金の時間はそうそう得られるものではない。
2019年1月、『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』Xbox One互換対応。
そしてオレはいつまでも埋まらないマッチング画面を眺めながら、ゲームの発売から10年目にして初めて設定通りの棄民みたいな心境になっている。
<Xbox One互換対応タイトル>
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