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【James "Buster” Douglas Knockout Boxing】

   ↑  2010/10/09 (土)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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ボクシング界史上最大の大番狂わせ。それは東京で起こった。
1990年2月21日、東京ドーム。ジェームス・"バスター"ダグラスが、統一世界ヘビー級王者マイク・タイソンを10ラウンドでマットに沈めた試合がそれだ。
やはり歴史的な番狂わせであったフォアマンとアリの一戦は、後に"キンシャサの奇跡"と名付けられたが、東京ドームで起こったこの番狂わせには、後の歴史に残るような気の利いた異名はついにつかなかった。
キンシャサの比ではない究極の番狂わせには、みんな唖然呆然とするのが先に立って、そこにドラマを感じるような余裕など消し飛んでしまったからだろう。
それくらいこの試合は、誰もが予想だにしない、全くありえない結末を迎えたのだった。
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確かに試合前から、タイソンの不調や司令塔の不在などの、タイソンサイドのマイナス要因は頻繁に伝わっていた。
しかし、そんなマイナスの因子を差し引いても、このB級挑戦者がタイソンを慌てさせることにすら至らないであろうというのは、ほとんどの人たちの一致した見解だった。
タイソン戦の前年に落ち目の元王者トレバー・バービックを下したのが、そのキャリアの頂点。それ以外は観るべきところのない戦績の持ち主。
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タイソンにWBA王座を奪われたジェームス・"ボーンクラッシャー"スミスと同様、「ファーストネームとラストネームの間にニックネームを挟まなければ、他の誰かとごっちゃになってしまう、ありふれた名前」のボクサーでもある。
ただジェームス・ダグラスと言われれば、俺が真っ先に思い浮かべるのは、このボクサーのことではなく、ジェームス・ダグラス・モリソンという本名のドアーズのボーカリストだ。
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ところがリング上で起こったのは、そのB級チャレンジャーが終始試合をリードし続けるという、信じられないような展開だった。
タイソンの見せ場は唯一8ラウンドのみ。不用意に前に出てきたダグラスにアッパーカットを合わせてダウンを奪ったときだけだった。
このときのレフェリーのロングカウントが、後々に物議を醸したのだが、しかしこの一撃が試合を覆すような致命傷にならなかったのは、以後の展開を見れば明らかだ。レフェリーが悠長にカウントを数えるから、ダグラスもそれに合わせて悠長に立った。
そして10ラウンド。試合を終始リードしたダグラスのジャブに、ついに棒立ちになるタイソン。そこを逃さずアッパーから左右の連打で追い打ちをかけるダグラス。
リング上に崩れ落ちる鉄人。賭け率43対1。20世紀最大のアップセットは、こうして起こった。
"バスター"という異名だけが勇ましい冴えないB級ボクサーは、自身のボクシング人生の中で最高のパフォーマンスを、この大一番にたった一度だけ発揮して、見事"ありえない"頂点に上り詰めたのであった。
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そして以下は、俺の勝手な妄想に基づくフィクションである。
この劇的な大番狂わせに誰よりも驚喜したのが、上り調子のジェネシスを擁して、ついに覇者任天堂とのライバル関係を作り上げたセガ・オブ・アメリカの面々である。
マイク・タイソンの惨敗。それはすなわち、任天堂のキラーソフト、マイク・タイソン・パンチアウトの価値が暴落したことを意味する。
「直ちにこの何とかダグラスとかいう奴と契約しろ! マリオより速いソニック。タイソンより強いダグラス。新しい比較広告はこれだ!」
しかしセガ・オブ・アメリカにも冷静な人間は居る。
「だけどゲーム作ってる間に王座から陥落する可能性のほうが大ですよ」
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そう。シーズンという一年ごとの確定事項が存在する球技と違って、いつ王座から転がり落ちるか分からないボクシングチャンピオンとの契約は確かにリスキーだ。
特にダグラスの場合は、タイトルを失ってしまえば、単なる鈍臭く冴えない一ボクサーでしかない。チャンピオンでなくとも商品価値のあるジョージ・フォアマン(フォアマン・フォー・リアル)とは訳が違うのだ。
「契約して一からゲーム作っているうちに防衛戦に失敗したら、元も子もありませんよ?」
「だったら速攻で作れ!」
「そんな無茶な!」
「中身なんかどうでもいいから!……いや、待てよ。そう言えばタイトーが『ファイナルブロー』とかいうボクシングゲームを出してたな。面倒臭いから、そのゲームに無理矢理ダグラスを混ぜちゃうってのはどうだ? これならすぐ出せるだろ?」
「……いいんですか?そういうの」
「構やしねえよ! マイク・タイソン・パンチアウトだって同じ手口じゃねえか。いいからタイトーにちょっと電話かけろ。おたくのゲームのボクサー、ちょっと差し替えてくんない?って」
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こうして『ファイナルブロー』のデトロイト・キッドというキャラを、無理矢理ダグラスに入れ替えたゲームが、世紀の大番狂わせから僅か4ヶ月後の早さで、セガ・オブ・アメリカからリリースされたのだった。
そしてこの『James "Buster" Douglas Knockout Boxing』 の発売から僅か4ヶ月後、ラスベガスで行われた初防衛戦で、ダグラスはイベンダー・ホリフィールドの前に為す術無く敗れ去り、巷の予想通り早々と王座から転落する。
しかしダグラスの名は、世紀の大番狂わせとこのゲームで、"究極の一発屋"として永遠に歴史の中に刻み込まれることだろう。
ちなみに中身はそのまんまファイナルブロー。ふくしま政美がデザインしたかのような異様なマッチョガイたちが、これまた異様なスピードで機械のように両腕をピストンし続ける、傍目にはとてもボクシングには見えないモンドなゲームである。

<ジェネシス北米版>

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