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ますます深刻化する高齢化社会。それは日本だけの話ではない。
のどかな郊外の住宅地、ここサニー・パインズも、高齢化の波に呑まれて停滞した街だ。
このまま住民と共に黄昏を迎えるよりも、いっそカジノタウンに作り変えてパーッと活力を取り戻しちゃった方がいいかもしれない。
市長のそんなプランの下、地上げ屋メソッドで送り込まれてきたのは、黒いフードに大鎌の出で立ちもベタベタな死神。
おい、ジジイババアども。あんたらもう充分生きただろ。そろそろ潔く往生しちゃどうだ?
突然の勧告に慌てたのはジジイババアどもだ。ムダに長生きしている年寄りほど、死への覚悟は薄れているもんだ。
冗談じゃない。まだちっとも生き足りてないって。東京オリンピックだって観たいし、トランプがしっちゃかめっちゃかやった後、どのマヌケがその後始末をするのかの確認だってしたいって。

棺桶に片足突っ込んでいるどころか、覚悟を誘う棺桶を徹底的に忌避する厚かましいコフィンドジャーたち。
そして死神ときたら役所のソーシャルワーカーよりもお人好しときてる。老人たちの抵抗に思わず妥協。
うーんと、あんたらを残らずこのまま長生きさせるわけにもいかないから、レースでペケになったもんから順番に棺桶に入ってもらうってのはどうかな?
そんでもって優勝者はまあ見逃してあげるよ。

こうして始まった高齢化タウンのデスレース。乗りこなすマシンは、ジジイババアどもが公道をトロトロ走らせている、あの電動シニアカートだ。
もちろん命がかかってるからノーマル仕様のカートなんかじゃない。
アーミッシュにブルースミュージシャン、エアロビ狂にゴシップおばさんと、年取ってからどころか若いうちから社会的に潰しが効かなかったような面々が、カートを思い思いにチューンナップして、いざマリオカートスタイルのレーススタート!

お邪魔アイテムは追尾ミサイルにオイル、電気バンパーにシールドといった定番……、というかベタベタなラインナップ。
もうちょっとヒネれよ! とは言うものの、年寄りに目新しいもん与えても持て余すだけだろうしな。しょうがない。
ステージが進むにつれて、なぜかコースにはゾンビの群れがふらふらうろつきだすが、これは設定以外は取り立てて特徴のないカートレースに、プチカーマゲドン的な変化球をもたらそうとする死神ならではのサービスなのだろう。

レースが終わる度に敗者エリミネートシステムで天に召されていく者が確定。ああ、ランドルフ、良いやつだったのに。お前さんのことは忘れないよ。
と思ったら、次のレースにはちゃっかりゾンビ化して何食わぬ顔で参戦。なんだ、寂しくないじゃん。
そして最終ステージはいよいよ死神との最終決戦。年寄りの往生際の悪さをたっぷりと思い知らせてやる!
中小どころのカートレースゲームにありがちなバランスの悪さ(ちょっとカートをチューンナップしたら、AI相手にはほぼ無敵状態になってしまう)や、マルチプレイはローカルのみといったけっこう致命的な欠点を、ジジイババアとカートという設定のワンポイントだけで強引に誤魔化した一作。
いかに社会が迷惑しようが、わしらはしぶとく強引に生き続けるぞ!
<国内ストア未発売>
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2017/06/03 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |もうね、80越えた年寄りはメンタルも肉体も戦車並でね、介護してる我々なんざ軽自動車級で先に御陀仏になりそう。もう死ぬ!と毎日念仏の如く喚いてますが姑さんの血液検査結果は私より健康です。今週遊びに来る親族は102歳でピンピンしてます。
平日の午前中に総合病院の整形外科を訪れたんですが、朝から行く場もなくとりあえずやってきたジジババの元気さにげんなりして、痛む肩がよけい痛くなって帰る羽目になりました。
ジジババってのは群れると化学反応起こしてさらに活力がみなぎるみたいですね。
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