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2017/01/11 (水) カテゴリー: XBOX 360

雪の峠道を抜けると、その先は白銀のゲレンデだった。
タイヤを履き替え、板を積んで、鈍色の空の下、高速をかっ飛ばし、次第に雪に染まる景色を横にたどり着いた、年に1シーズンだけの華やかなハレの場。
スキーからスノボにその主役を変えようと、ゲレンデはいつだってスペシャルな祝祭の空間だ。
ゲームの世界において、スノボやスキーはエクストリームという言葉と不可分な存在になってしまっているが、特に90年代初頭に青春時代を送った者にとっては、Xスポーツとはおよそ遠いところにある、極めて一般的な冬の娯楽であったりする。

『ハッピー!ハッピー!!ボーダーズ』にWiiの『ファミリースキー』。ユーミン、原田知世、キャリー付きの四駆等のキーワードを触媒とするゲームは、過去に国内では散発的に登場してきた。
しかし海外産のウインタースポーツゲームは、やはりGo Proと親和性の高い、"キケンにスレスレなオレたち"みたいな路線でどうしたって占められてくる。
その中にあって、ショーン・ホワイトという、およそユーミンやバブル期の苗場とは縁遠いアイコンを冠に戴きながらも、奇跡的に呑気なウインターレジャー資質を内包してしまったのが、UBIの2008年作品『Shaun White Snowboarding』である。

ちょっと長めのローディングは、四駆での峠越え時間の代わり。
それを経て目指すのは、『SSX』のステージと見紛うようなエクストリームなアラスカやアルプスヨーロッパコースではない。妙なゆるキャラがお出迎えしてくれるジャパニーズゲレンデだ。
ホテルの眼前に広がるのは整備されたゲレンデとリフト群。そして思い思いに滑りリフトに向かう、Go Proへの投稿なんか人生で考えたこともないような呑気なスノボ客たち。
それを前に、オレはボードを片手に山から跳ね返ってくるようなボリュームでで、「鳴り響けユーミン!!!」と高らかに絶叫するのだった(カスタムサントラに"サーフ天国、スキー天国"を録り込んでおいてください)。

澄みきって冷たい空気を心の肌で感じながら、リフトでのんびりと上を目指す。
今どき流行りの時間変遷要素などなく、ゲレンデにはぼんやりとした薄日が差しっぱなしのままだが、それもまたいい。
てっぺんまでたどり着いたら貴和子姉さんや高橋ひとみ姉さんの姿を探しながら(いるわけない)のんべんだらりと滑り降り、下まで戻ったらまた歩いてリフトの列に並ぶ。
クレバス飛び越えとか空中をぐるんぐるんコマのように回るトリックとは無縁な、平凡でいながらもクセになるバーチャル冬の行楽。
UBIとしては久々のウインタースポーツゲームとなる『STEEP』がついこの間リリースされたが、案の定というか当然というか、やはりこの呑気な行楽的テイストは受け継がれず、『Shaun White Snowboarding』はオンリーワンの存在として、今冬もオレのTVモニターを束の間の黒姫高原に変えてくれるのであった。
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