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【Fable 3】寓話の時代の変遷

   ↑  2016/12/01 (木)  カテゴリー: XBOX 360
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巨大減税、ムスリムの入国禁止、国境に壁を作る。そんなもん選挙期間中のラッパだ。みんなだってホントに実現できるなんて考えやしなかっただろ?
ところが物分りの悪い人だっている。オレたちはあんたの言うことを信じて一票を託したのに!
とかく君主は面倒くさい。なるよりもなってからのほうが面倒くさい。
だけどなったからには、このアルビオンをよりよい国にする義務がある。ぶっちゃけそんなのマジメに考えたこと、いままでこれっぽっちもなかったけどな!
オレは英雄の血筋って安易なレールの上に乗っかって、ここまで来ただけだっちゅーの!
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世の中ホントは「こっちからこっちまでがリベラル、あっちからそっちまでが保守」などと、簡単に二つに分けられない。
物事や社会はもっと多層的に深く入り組んでいる。
だけどそれをいちいち追求してくとややこしくてしょうがないから、誰にでもわかりやすい左と右という明確な線引きが重宝される。
あいつはそっち、こいつはあっち、単純に分別しておけば、とりあえず表面上はスッキリ収まりがつく。
お前はあっち側? じゃあお前の考えていることすべてが気に入らねえ! たとえこっち側に同調することが少しでもあったとしてもな!
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善と悪、それは二元論の中で、もっとも明確なモデルケース。
今までの『Fable』は、その誰もが理解しやすい両極端な概念の下に寓話を紡いでゆくゲームだった。
ところが今度はそれが政治的寓話にクラスチェンジ? 面倒くせえなあ、それ! 市井の英雄ならちょいワルな(重婚を繰り返すような)小善人で済んだけど、責任ある君主となるとそうはいかねえじゃん!?
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いかにもゲーム然とした流れの中で、エスタブリッシュメントに牙を剥いていたころはホントよかった。
トランプだって過激な言辞を並べながら、既成政治体制に噛み付いていた頃が一番楽しかったのだろう。
そんな革命者気取りのムードだったら、そりゃあどんな約束だってする。
蔓延するブラック企業に児童労働? とんでもない話だね! ボクが君主だったらそんなの撤廃して開かれた教育機会を約束するよ!
抑圧された植民地? ヒドい話だね! 君たちだって平等に国家の一員だよ。手厚い保護を約束するよ!
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シナリオに導かれるままに積み上がってゆく安請け合いの数々。
だがいざ君主の座に就いて、闇の侵略とかいう漠然とした脅威を提示されると、そんなこといちいちかまってられない。
先立つものはカネだ、国家予算だ。
教育? そんなもんにカネなんかかけてられるか。ガキは働け! 睡眠時間削って働いて国にカネを納めろ!
少数民族の保護? 植民地のやつらがなにいっちょまえのことぬかしやがる。ぶっちゃけ革命のときに最前線で血を流してくれるコマが欲しかっただけだっちゅーの!
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八方美人の善良君主を気取ったままでいたい方法だってあることはある。それは個人資産の投入。
なにせオレはトランプにひけをとらない不動産王。それのあがりを国に注ぎ込み続ければ、ブライトウォールの市民たちも、旦那を射殺して不貞妻をモノにした事実を見て見ぬふりして、オレを素晴らしい君主扱いしてくれる。現金なものだ。
だけどあのな、トランプが個人資産なげうってオバマケアを継続させる義理なんか、どこにもねえだろ!
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世界を救うカギは世襲の英雄資質と資本主義丸出しの手段で稼いだ個人資産。
寓話が息づき自ら形を成す地アルビオン。そこで紡がれる物語も、代を重ねるうちにいつしかスレたものになった。
これも時代の流れ。産業革命のばい煙にデーモンの扉もいまや過去をただ懐かしむだけだ。
寓話の世界にも時の移ろいはしかと存在していたのであった。

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