【Costume Quest 2】魅惑のハロウィンナイト再び

あの忘れようとも忘れられない刺激と不可思議に彩られたハロウィンの冒険から月日は流れ。
でも町中がパンプキンの飾り物で溢れる魅惑的な夜は、また再びやってくる。
勇気と好奇心を武器にハロウィンにうごめく闇を食い止めた兄妹の前に新たに立ちふさがるのは、仮装とキャンディーを禁じられた味もそっけもないもう一つのハロウィン。

しかし兄妹にとってはこれは由々しき事態。なにせ二人の力の源は仮装コスチューム。
コスチュームクエストというゲームのタイトルすら否定する、この禍々しき闇の力を打ち破るために、兄妹の新たなハロウィンナイトが始まる。
今度のコスクエは時空を越えた大冒険。
前作ではパーティを共にしたエベレットとルーシーは、今度は成長して立派な父母となっての再登場だ。
彼らに代わって冒険を共にするのは、その二人の可愛い娘。

そしてみんなの前に立ちふさがる敵は、子どもたちが忌み嫌っても嫌い足りない存在、歯医者。
それも「痛くないよー」と平然と嘘をつきながら、子どもたちを拷問にかける巷の歯医者どころじゃない。
ハロウィンからキャンディーと仮装を取り上げた元凶、そして"健康な歯"の全体主義社会をユートピアとする、とんでもないヤロウだ。
「それって考えようによっちゃいい人なんじゃないの？」なんて疑問は以ての外。
蛍光色のキャンディーでベタベタ口の中を汚すオレたちのハロウィンを返せ！

フィールド移動から戦闘まで、あらゆるシステムはほぼ前作からそのまま継承。
そりゃハロウィンが毎回ごとにフォーマットを変えていたら、飾り付けひとつにも困ってしまう。
毎度おなじみのコスチューム選択型ターン制戦闘。
個人的にはこれがちょっと義務的で鬱陶しく感じられることがあったけど、まぁオレは元々ターン制のRPGそのものが肌に合わない人間なのだった。いまの愚痴は忘れてくれい。

数十年越しの壮大な時間は股にかけているが、スケールそのものは相変わらず子どもたちの一夜の冒険に相応しい、こじんまりしたサイズに落ち着いてるコスクエ第二弾。
前作のエンドロールもステキだったけど、今回も趣向は変わったが、あいかわらず心地よい余韻を残してくるささやかなフックが効いたもの。
あっという間に終わってしまう、でもいつまでもこのカボチャ色に彩られた魅惑的な夜の中に身を委ねていたい。
『Costume Quest 2』は、秋のスケジュールの中にぽつんと輝く、小さくてきめ細やかな細工物のようなシーズンゲーム珠玉の一品だ。

＜国内ストア未発売＞