この記事に含まれるtag :
FallOut

不毛の荒野に脈々と続くウェイストランドのシビルウォー。それはメカニストとアンタゴナイザーの近親憎悪にも似た闘争。
かつて傍迷惑な義侠心の発動は、富豪の御曹司とか企業の社長など、社会的に余裕のある人間たちの専売特許だった。
しかし核の業火はそのような正義感発露の格差もいっきに解消した。
今ではどんな甲斐性なしでも、その気になれば死体から適当なアーマーを剥ぎとって正義のヒーロを名乗れることができる。
キャピタルウェイストランドの片隅で繰り広げられていた、"正義のヒーロー・メカ派"のメカニストと、"正義のヒーロー・仮面派"のアンタゴナイザーのスケールの小さい争いは、もう懐かしい『Fallout 3』内のイベントだ。

互いの正義心とそれを上回る自我の掛け違いによる諍いを、『Fallout 3』におけるオレの主人公はなんとか丸く収め、ついでに二代目アンタゴナイザーを襲名して一日で飽き、衣装をメガトンの自宅に放り捨てていたりした。
それも今や遠い過去。この連邦では、もはや遠い土地にその昔、こんなヒーロー気取りのバカたちがいましたという昔話で終わっているものだと、すっかり思い込んでいた。
しかしオレは甘く見ていた。バカとお調子者の伝染力の強さを。
『Fallout 4』の拡張ダウンロードコンテンツ第一弾『Automatron』を導入そうそう否応なしに遭遇するのは、その懐かしのドゥイットユアセルフ正義のヒーロー、メカニストの名を連呼するロボットの一団なのであった。

ブルース・ウェインや社長が死んだとしても、きっとどっかのお調子者がバットマンやアイアンマンという記号を受け継ぐ。
それと同様にバカの魂とおせっかいはウェイストランドにしっかりと継承されていた。
どうせアンタゴナイザーの方も、どこかオレの目に届かないところで、ろくでもないアホウがアンタゴナイザーV3だとかアンタゴナイザーアマゾンだとか名乗って、みんなに迷惑をかけているのだろう。

いや、この何代目だかのメカニストの所業は、迷惑なんて範疇に収まるもんじゃない。
強力ロボット軍団を連邦中に送り込んで罪もない人々を殺し回っているのは、いくらなんでも"地域の厄介者"程度の規模で収束する実在派正義のヒーローの分を明らかに超えている。
かくしてロボット軍団に壊滅させられたキャラバンの生き残りエイダと共に、ロボットを影で操る当代メカニストを追い求める旅が始まるのであった。
これが『Automatron』シナリオパートの大まかな流れである。

そして『Automatron』本来のメインコンテンツと言えるのがロボットのクラフト要素。
このDLCを導入するだけで、エイダとジェザベル、二体の個性的なロボットを仲間に加えるこちにできるが、彼女たちの改造に留まらず、新たなロボットをいくらでも創りだすことが可能となる。
自身のボディガード用、居住地防衛用、作業用、それぞれの用途に合わせたものからミスマッチ&トゥーマッチなものまで、思うがままに組み立てまくろう。
クラフトには居住地にロボット作業所の設置が必要となるが、そんなに場所を食うほどのものじゃないし、なんならシナリオ終了後にはメカニストの秘密ロボット工場だって継承できる。

新クラフト要素と、「使命感にも抑制というものが必要ですよ」という含蓄のある教えを、よりによってロボットからいただくメインシナリオの二本柱。
裏テーマは「コミュ障の理系ほどこの世に迷惑なものはない」。
連邦の生活に新たな彩りを与える『Automatron』。新時代の実りある文化的な生活は従順なロボットと共に。
ところでコズワース。これで貴様を族車みたいにカッチョ良く改造してやれるから、いいからちょっとコッチ来い。おい、なに嫌がってる!
- 関連記事
-
- 【Battlefield Hardline】2015年のマイアミ・バイス
- 【Fallout 4】コモンウェルスの大塚
- 【Fallout 4】追加DLC第一弾 Automatron
- 【Fallout 4】連邦生きもの紀行・輝きの海で息づく生命
- 【Assassin's Creed Unity】アサシン クリード ユニティ
この記事に含まれるtag : FallOut
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2516.html
2016/06/26 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |レトロな雰囲気が、かのロビー君を思い起こさせます。イギリスの国民投票でも移民の問題が大きく、大英帝国の末裔でも難しいことが日本人にクリア出来る筈も無い。いっそロボットに介護とかをやってもらいたい!同じ自慢話を何千回聞かされても大丈夫。自分はタチコマに介護されたいです。サリンジャーの感想やSF 話で盛り上がりたい!
50年代で風土が止まったまま文明だけが進化したようなフォールアウトの未来社会(核で木っ端みじん)は、レトロSF感の天国ですね。
我々の世代ではいずれロボット介護って現実的になりそうですが、実際のそれはペッパーみたいなやつが空気も読まずに侍っている、互いに気まずいばかりの関係になりそうです。
コメント:を投稿する 記事: 【Fallout 4】追加DLC第一弾 Automatron
お気軽にコメント:をぞうぞ。非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント:) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。
Comment