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FallOut

私はキャップの大切さを、他の誰よりも知る者であります。
「そんなことはないですよ。私だってキャップのありがたさは身に染みています。キャップがなければ武器MODも買えなければ、キャラバンの一勝負もできませんから」
そう言って反論する方も居られましょうが、しかし、あれでしょ? あなた方にとってのキャップに対する意識は、しょせんはゴールドやギルと同様の、ゲーム内架空通貨の域に留まっているでしょ?
私にとってのキャップのありがたみは、決してそんな程度のものではなく、実生活にまで及ぶものなのですから!

コカコーラは今年一年に渡って、年間ポイントプログラム2010というプレゼント企画を開催していました。
コカコーラやコカコーラZEROなどのペットボトルのキャップに貼られたシール。このシールに記された番号を専用サイトに登録すれば、プレゼント応募用のポイントが加算されていくというシステムです。
一日に一本、コカコーラZEROを消費するコーラ狂の私にとっては、願ってもない企画。コーラを一本ぐいと飲み干す度に、私はキャップを丁寧に保管し、応募ポイントをちまちまと登録していました。
それだけに留まらず、外に出た折にシールの付いたまま捨てられたキャップを見つけては、周囲の目を憚らず、それを持ち帰る始末。
こうしてこつこつと溜めたポイントは、300にも及ぼうとしていました。そして今までに行われた、ワールドカップデザインTシャツだの、ユッキーナデザインのビーチサンダルだのと、様々なしょぼいプレゼント企画には目もくれず、私はこのポイントを年末最後のプレゼントキャンペーンに向けて、残らず貯めていたのです。

そして11月から始まったクリスマスギフトキャンペーン。プレゼント商品はPS3+ムーブのセット! この最後の企画に賭けた私の判断は、間違ってはおりませんでした。
ここでPS3をゲットするために、私は一年通してコカコーラをがぶ飲みしてきたようなものです。どうせ貯めたポイントは、年を越せば全部失効してしまいます。
PS3をこの手にするために、貯めに貯めた300ポイントを残らずぶち込んでやる。こんだけチャレンジすれば、一回くらいは当たるかもしれないだろう!
「チャレンジ!」「トライアゲイン」「チャレンジ!」「トライアゲイン」「チャレンジ!」「トライアゲイン」
……一年かけて貯め込んだポイントが全て底をつくまで、ものの5分もかからなかったでしょうか。
最後の「トライアゲイン」の文字が寂しく躍るモニターの前で、私は「この一年の積み重ねは、一体何だったんだ……」と、寂しく肩を落としました。

うちひしがれた私にモハビウェイストランドで声をかけてきたのは、マルコム・ホームズという、ちょっぴり胡散臭い男でした。
彼が私に話してくれたのは、サンセットサルサパリラ・スターキャップの伝説。
ヌカコーラと同様に、この世界で通貨ともなる、サンセットサルサパリラ(ドクペとルートビアの中間のような味と、私はこれをイメージしています)のキャップ。
この中に、星のマークがデザインされた特別なタイプがあるらしく、これを50個集めると何やら宝物を交換してくれるとか何とか。
「そ、それって、その宝物ってPS3とムーブのセットですね!」
そう叫びながら思わずマルコムの胸ぐらを掴んで乱暴に揺さぶる私。
「い、いや、PS3かどうかは知らないよ」 「いや、きっとそうです。そうに決まってます! ようし、またキャップをこつこつ集める生き甲斐が生まれてきたぁ!」「そ、そうなんだ。ま、まぁ。頑張ってね……」
胸ぐらを掴んだどさくさに紛れて、マルコムの懐からスターキャップを残らずスリ獲ったことは、言うまでもありません。

そんな私がトーマスという青年に出会ったのは、リージョンの狼藉の跡も生々しい、廃墟と化したニプトンの街でした。
「さっきまでいい仲だった連れの女が、突然ヒステリックに襲いかかってきて、もう大変だったっすよ」
屈託無くそう話しかけてくる彼は、実に人の良さそうな好青年です。
「浮気したとか?」「それはないっす」「じゃあ、それってあれじゃないの? ヤンデレってやつじゃ」「いやあ、そんなわけないっすよ。きっとあれっすよ。俺の持ってる幸運のネックレスが欲しかったんすよ」「幸運のネックレス?」「ええ。星マークのある変わったキャップを繋いだネックレス」「ふーん………、ねえ、トーマス君と言ったね?」「はい?」「ちょっとそのネックレス、俺によこせやぁぁっ!」

迂闊な一言に反応した私は、即座に警棒を抜き、青年の額を一撃。
せめて私がもうちょっと口が達者であったら、この青年も言葉巧みにスターキャップを騙し取られるだけで済んだのですが、この世界での私は生憎と、口べたで人を鈍器で殴打する術に長けた、何とも潰しの利かない人間なのです。
「今度こそPS3とムーブのセットを当てるんじゃ! スターキャップよこせやぁぁっ!」
そう叫びながら、必死に逃げる青年の後頭部に何度も何度も警棒を振り下ろす私。

「そこまで非道な真似をせずとも、PS3くらい買えよ!」などと、私を非難する人間も居るでしょうが、これはもうPS3どうこうの問題ではなく、ゴミ漁りみたいな真似までして集めたポイントが、僅か5分で消え失せてしまった喪失感を埋めようとしているのです。
だからスターキャップを所持している人間は、隠さずにおとなしく私に差し出すように。何せ今の私は、歩く鈍器博物館と化しているからな!
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2010/11/13 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |なんとも懐かしい。
このキャップ集めをしたのがもう10年近く前になるなんて。
falloutリマスターコレクションなるものが出るならば、もう一度モハビを練り歩きたいもんですな。
3とNew VegasはXbox Oneでは後方互換でプレイできるようになってるんですけど、さすがに今となっては挙動や操作感に辛さがありますね。
その辺をチューニングしたリマスター版、たしかに欲しいですね。
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