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2016/04/07 (木) カテゴリー: XBOX

ジャック・ニクラウスにはアンジェロ・アージア、トム・ワトソンにはブルース・エドワーズ、タイガー・ウッズにはスティーブ・ウィリアムズ。名ゴルファーの傍らには常に優れたキャディーの姿があった。
18ホールの孤独な戦いの中で、キャディーはたった一人の味方だ。
技術的なことからモチベーションに関わる問題まで、トッププロを影に日向に支える。
そしてゴルフはメンタルな要素が特に重きをなすスポーツだ。
時には冷静さを失いかけたゴルファーの感情のはけ口となることもあるだろう。古閑美保が池ポチャにぶち切れて自分のキャディーに蹴りを入れたというニュースを、かなり前に耳にした覚えがある。

しかしそれで自分が支えているゴルファーが平常心を取り戻せるならば、それはキャディー冥利に尽きるというものではないか。
藤田光里や飯島茜に小突かれたり平手打ちを貰ったりするのは、個人の性癖によっちゃご褒美みたいなもんである。
『Outlaw Golf』に登場するキャディーたちも、ゴルファーたちと一心同体の信頼関係を築く者たちだ。
もっともそのゴルファーたちは、ズボンをずり下げたラッパーの出来損ないだとか、筋骨隆々とした逆DV女だとか、グリーン上の旗竿をポール代わりにするストリッパーだとか、荒んだヒッピーだとかムショ帰りだとかSMの女王様だとか、一癖あるなんて言葉では済まされない問題人物ばかりだが。

この格調高きゴルフ倶楽部よりも囚人護送車のほうがお似合いな面々にも、ちゃんとしたスポーツマンと同様にプレイ中のメンタルコンディションの問題を抱えている。
連中がそれを安定させるのは、キャディーにちょっと厳しい口を利くなんて可愛らしいもんじゃない。
Yボタンをポチッと押せば、発動するのはキャディー暴行モード。それぞれのキャラクターにあった暴力スタイルで、自分のキャディーをぼこぼこにしばき倒して憂さ晴らし。
それでもキャディーは、それが自分の大事な役目の一つと心得ているのが、とにかくされるがままだ。SM女王様のキャディー(もちろん奴隷)なんかは、むしろめちゃくちゃ嬉しそうではないか。

そのキャディー暴行システムや、麗しのスキ女王様に代表されるエキセントリックなキャラクター、人を喰った実況にガラの悪い観客といった、アウトローな要素ばかりが目立つ本作だが、実は基本のゴルフゲーム部分も、アナログスティックを使ったショット操作や、プレイヤーのメンタルをシステム化した要素など、他に先んじて革新的なシステムを擁立させたエポックメイキングな作品だったりする。
もっとも、そんなスポーツゲームとしての真っ当な要素をこれっぽっちも評価されないのは、女王様ゴルファーと奴隷のキャディーなんてキャラクターを嬉々として投入してしまう開発側の自業自得だったりするわけだが……。

初代Xboxの普及に万策尽きたMSKKがヤケクソでスタートさせたXboxワールドコレクション。
海外ゲームをローカライズせず日本語マニュアルを付けただけの体裁で安価で供給したこのシリーズ。ソフトラインナップの頭数を強引に揃える意味合いもあったのだろう。
その記念すべき第一弾ラインナップの一角が、この『Outlaw Golf』。初陣を飾るには妙にクセのあるゲームだが、そんなところも当時のMSKKのやぶれかぶれっぷりを物語っているのかもしれない。
一部のキャラクターは、以後展開される『Outlaw Volleyball』や『Outlaw Tennis』に続けて登場しますが、本作一番人気のスキ女王様は、この本作とその続編のみの登場。
やはりバレーボールやテニスは、奴隷を帯同できないのがお気に召さなかったのだろうか。
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