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2016/01/01 (金) カテゴリー: セガサターン

あけましておめでとうございます。
2016年はさる年。我々人間と大まかな外見が変わらないからでしょうか、『サルゲッチュ』に『JuJu伝説』、『スーパーモンキーボール』と、サルは十二支の中でも特にゲームに引っぱり出される頻度が高い生き物です。
そしてそれは家庭用ゲーム機のみならず、小洒落たマックカルチャーにも及んだりしていたのでした。
ジャングルパーク、そこは折々の四季をいっぺんに詰め込んだ風光明媚な島。
そこをマウスカーソルになり変わって自由気ままに巡るのは一匹のサル。

後にゲームキューブで『動物番長』を手掛けるデジタルクリエイター、松本弦人が1996年にリリースした『ジャングルパーク』。
90年代の始まりから中期にかけては、マックを中心とした新機軸のデジタルカルチャーが、この国でも大変盛り上がった時期ですが、94年に送り出した『Pop Up Computer』で注目を浴びた同氏は、そのムーブメントの中心人物の一人。
デジタル絵本的な体裁だった『Pop Up Computer』に次いでリリースされた『ジャングルパーク』は、サルのキャラクターを島の中で自由に探索させ、点在するミニゲームを遊んだりオブジェクトの反応を楽しんだりする、ややゲーム寄りのスタンスになっていますが、しかし家庭用ゲーム機を中心とする本来のゲームの土壌とは、まったく違うところから生まれてきた作品であることには変わりはありません。

90年代マックカルチャーを巧みに消化して、自らのブランドイメージに換骨奪胎したのは初代のプレイステーション。
それに対してセガサターンはマック周辺のイノベーションとは、およそ遠いところにいたゲーム機でしたが、そんなサターンにも何を間違ったのか"マックの風"が気まぐれに吹き込んできたのでした。

ジャングルパークはマックの精緻なCGで描きこまれた四季の宿る島。
春夏秋冬4つのエリアに分かれたその島には鉄道が走り、ホッケーや野球盤、ゴルフやゴーカートといった娯楽施設や、ビーチにカフェ、滝にキャンプ場などの観光スポットが散らばっています。
それらにマウスを通してアプローチし、ささやかな反応を楽しむ。元々がマックに触れる、そしてそれをいじり倒すきっかけとなることを目指して作られたソフト。
マックという箱の彩りとでも言うべき存在であり、元々がマックと一体にならなければ機能しないようなコンセプトです。

しかしこのコンソール機移植版である『ジャングルパーク ~サターン島~』は、それをコンセプトそのままにベタ移植してしまうのでした。
その結果、マックのモニターにくっきりと映しだされていたジャングルパークの風景は、サターンの解像度に晒されて薄ぼんやりしてしまい、さらにはマウスに特化したインターフェイスを安直にコントローラに落とし込んでしまったために、その操作性は最悪のものに。
もっと深刻だったのは、アーケードゲームに培養されたサターンのコアユーザーとマックカルチャーの決定的な相性の悪さです。
アーケードゲームの文脈とは、およそ対極にあるところから出てきたこのソフトは、その配慮の足りない移植も相まってサターンユーザーの酷評に晒され、マック版をプレイした者との評価の大きな乖離を生み出してしまったのでした。
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