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【モムチャンダイエットWii フィギュアロビクス by チョン・ダヨン】

   ↑  2015/06/06 (土)  カテゴリー: Wii
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ジリアン・マイケルズにビリー・ブランクス、古くはキャシー・スミス。フィットネスの隆盛は常にスターインストラクターの存在と共にあった。
その点でいただけないのは、常に既成の著名人頼りで、純フィットネスのスターインストラクターを生み出せない我が国だ。
うつみ宮土理に秋野暢子、玉袋筋太郎にパパイヤ鈴木、最近では岡田斗司夫に至るまで、彼らに欠けているのは、ジリアンやビリーのような肉体の圧倒的な説得力だ。
岡田斗司夫などは、いくら痩せたといったって、あれは単にデブが適正体重に戻っただけの話だ。決してライザップのCMに出られるような肉体を手に入れたわけではない。
それを補おうと著名人ダイエットは、焼きトマトダイエットだの大食いダイエットだのレコーディングダイエットだのと、やたらとトリッキーな方法や小理屈に頼りたがる。
しかしそんなこざかしい手段は、きちんとした運動体育学に基づいた地道な肉体トレーニングに遙か及ばない。
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努力と理論に基づいたプログラムを提唱するアジア産の純粋なフィットネススター。
それは星のように現れては消えて行く著名人フィットネス法が横行する日本ではなく、お隣の国から登場した。
チョン・ダヨン、元は一介の主婦。
70キロ超のだらしない体型から一念発起し、独学に基づいたフィットネストレーニングに明け暮れ、その成果をネットに投稿。
そのアフターの姿が40を過ぎた中年女性とはとても思えない、贅肉一つないパーフェクトボディであったことからセンセーションを巻き起こし、彼女が考案したモムチャンダイエットは、たちまちのうちにアジア中を席巻したのであった。
そのモムチャンダイエットが「Wii Fit」の成功に雨後の筍が群がるWiiにやってきた。
出したのは漢検ものや教育系などありがちなソフトを、「Wiiのラインナップとして出す」という、たったワンポイントのみでプレミアを持たせる商売を繰り返していたIEインスティチュートだ。
ゲーム界隈のビジネスなど、おそらくとんと理解していないチョン・ダヨンサイドとIEインスティチュードの危ういコラボ。
それは案の定、責任者ちょっと出てこい物件へと発展するのだった。
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実写美魔女先生(チョン・ダヨン)の一瞬のあいさつもそこそこに、これからモムチャンダイエットに励もうとする人間が相対するのは、簡素なステージの中にCG版美魔女先生がぽつんと立つ、やたらと寒々しい絵ヅラ。
そしてミュージックスタートと共にぎくしゃくと動き出す、本人とは似ても似つかないCGチョン・ダヨン。
一般的なWiiのフィットネス系ソフトとなると、バランスWiiボードを使用したり、あるいはリモコンやヌンチャクを腕に装着するなど、なんらかの形でユーザーの動きをフィードバックして、それをゲームの中で発展的に利用するのが普通だが、怖ろしいことにこの『モムチャンダイエットWii フィギュアロビクス by チョン・ダヨン』には、そんな要素はひとかけらもない。
無表情に動くCGチョン・ダヨンの動きに合わせて、同じように身体を動かせという、ただそれだけのソフトなのだ。
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しかも美魔女先生の肉声が入るサウンドに耳を澄ませていると、何か妙な違和感に気づく。
これはゲームのために制作した音源ではなく、ただ単に既存のモムチャンダイエットDVDからぶっこ抜いてきた音声。
勘のいい方ならお分かりであろう。このソフトにおけるCGキャラのアクションは、既発DVD「チョン・ダヨン フィギュアロビクス」の内容を、そのままトレースしただけに過ぎないのだ。
DVDの方は美魔女先生以下、若くてナイスボディな娘っ子たちの華やかな絵ヅラ。Wii版の方は無表情なCGキャラ一体が淡々と体を動かす寂寥とした絵ヅラ。
そしてやることは共に画面の中のアクションをテレビの前でトレースするだけ。だったら素直にDVDの方を選ぶわ!と、誰しもが声を荒げることだろう。
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そんな寒い内容を自覚してか、メーカー側はWii版ならではの機能を事あるごとに強調するが、それがまた「キャラクターを自在にズームインアウトできますよ」だの、「ボタンを押すとプログラムを停止できますよ」だのと、「それがどうしたコノヤロウ!」とこちらを激昂させるようなものばかり。
そりゃ『Xbox Fitness』なんかも、基本的には既発フィットネスメソッドの垂れ流しだが、あれは元々がXbox Videoのような動画オンデマンドサービスのフィットネス版という位置づけのものだし、それにKinectを通じた運動のフィードバックや心拍数測定、ソーシャル要素など、インタラクティブな要素は山ほど盛り込んであるはずだ。
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そしてさらにユーザーの神経を逆撫でしてくるのは、DVD版フィギュアロビクスは有酸素編、マット編、筋トレ編、ダンス編の4枚組構成なのに対し、Wii版はその中から有酸素編だけしか収録されていない、しみったれぶり。
そんな仕打ちにこちらは、合間合間に申し訳程度に顔を出す実写チョン・ダヨンに、「あんたが悪いわけじゃないのは分かってるんだけどな」と、もどかしい憤りをぶつける他はないのだった。
ちなみに肝心のモムチャンダイエット、負荷の低い地味な運動を何度も丹念に反復する、実は一番根気の必要なタイプのフィットネスプログラムだったりする。
その地道な努力を重ねる毎日に、この『モムチャンダイエットWii フィギュアロビクス by チョン・ダヨン』がモチベーションアップの役割を果たしてくれるどころか、その逆の効果しかないことは、もはや言うまでもないだろう。

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