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2015/03/08 (日) カテゴリー: PS2

実在ボクサーのライセンスをとらなくともボクシングゲームはできるを証明したのは、今はなきMidway。
タイソンやらホリフィールドやらと、名前を借りてくるだけでたんまりおカネがかかりそうなボクサーの代わりに引っ張り出してきたのは、一介のリングアナウンサー。
とは言っても日本でイメージするようなリングアナとは、ちょっとワケが違う。ボクシングファンのみならず世界的にその名を轟かせているスターリングアナ、マイケル・バッファー。下手すりゃそこらのボクサーよりも契約金がかかるに違いない。

その必殺のフレーズは「 Let's get ready to rumble!」。麗々たる張りのある声でこれが奏でられると、試合直前の会場は期待が膨れ上がりいっきにヒートアップする。
この決め文句をタイトルに掲げ、さらに実写のマイケル・バッファー本人がオープニングムービーにも登場し、ゲーム内ではモーションキャプチャーされたCGのマイケル・バッファーが、ボクサー以上に目立ちまくって八面六臂に活躍するゲームが成功をおさめるのは、もう必然のことだったのだろう。

しかし日本ではさすがに"マイケル・バッファーのゲーム"というくくりは通用しないので、『レディ・トゥ・ランブル・ボクシング~打ち込め笑いのメガトンパンチ!!』の邦題で、コミカルなオリジナルボクサーたちによるコミカルな殴り合いを強調して売り込まれる運びとなった。
もっともこのゲーム、そのふざけた外観とは裏腹に、ボクシングゲームとして実にしっかりと作りこまれた秀作。
国内ドリームキャストに、気の利いたボクシングゲームのライバルが存在しなかったこともあって、マイケル・バッファーの威光が通用しない日本でも、まずまずの評価を獲得した。

そして調子に乗って登場したパート2ならぬラウンド2は、続編のお約束でキャラクターを増量。格闘ゲーム界の流行りに乗って、巨乳をゆっさゆっさ揺らすビジュアル系ボクサーが新登場だ。もっとも御年55歳のサモア系巨女だが……。
さらにマイケル・バッファーだけではマイケルが足りないとばかりに担ぎ出された新たなマイケルは、なんとマイケル・ジャクソン。ことゲームに限っては、ほいほいと気軽に顔を出すナイスガイ。
だが『レディ トゥ ランブル』は、パンチで青タン作ったり顔が腫れ上がる表現がウリの一つ。その場に挑むにはあまりにもデリケートな顔の持ち主のような気もするが、しかしさすがマイケル抜かりはない。
手間とカネをかけた大切な顔はコンクリートのようにガッチガチに固めてあるから、彼に限っては顔面崩壊の心配は無用だ。
マイケル・バッファーが「King of pops!」とマイケル・ジャクソンをコールするくだりは、このゲーム中もっともファンタジックな瞬間かもしれない。

マイケル・ジャクソンと並んで登場するもう一人のセレブは、こちらもゲームにはほいほい顔を出すシャキール・オニール。
伝説のシャックフーの秘技をボクシングのリング上で炸裂させんと、こちらもやる気まんまん。
さらにライセンスの許諾もなしに引っ張りだされてきたセレブが、時の大統領と大統領夫人(にして次期大統領候補)。
残念なことにこのゲーム、キャラクタークリエイト機能がないので、モニカ・ルインスキーを投入することができないのが悔やまれる。

セレブリティキャラたちの参戦によって、原始セレブリティデスマッチゲームのような性格も帯びた『レディ トゥ ランブル ボクシング ラウンド2』。
これの日本国内販売を手がけたのは、当時Midwayと提携していたコーエー系列のコーエーネット。
水と油みたいにカラーの違う両社が手を結んでいたのも、今から考えると不思議な話だが、しかし本作や『スパイハンター』、『ガントレット ダークレガシー』といったMidway産の秀作が日本でもお目見えしたのは、その不良とオタクの交友みたいに奇妙な提携の一応の功績だろう。
Midwayなき後のこのブランドはATARIに移り、2009年には同社から最新作『Ready 2 Rumble: Revolution』がWiiで発売されたが、こちらは日本には未登場で終わってしまった。
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