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【犬王 地球を救う】アイディアファクトリーの古代史

   ↑  2014/11/08 (土)  カテゴリー: DVD-PG
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20年といえば生まれたての赤ん坊が成人にまで達してしまう年月だ。
大手の老舗ですらも経営不振やら合併やらで名前の存続が厳しくなっている昨今のゲーム業界で、20年もの長きにわたって第一線でゲームソフト会社を継続していくのは、並大抵のことではあるまい。
そんな荒波にもめげず、このたびめでたく創立20週年を迎えたメーカーがある。
アイディアファクトリー、通称IF。
ニッチとはいかないまでも、需要の割に層が薄そうなジャンルに目ざとく根を下ろし、分をわきまえた適度な多機種展開(ここは初代Xbox時代から、さり気なくマイクロソフト系ハードにもソフトを供給している)や海外戦略など、実に手堅くしたたかな立ち回りが特徴的なメーカーだ。
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しかし初代プレイステーションの初期に、『厄』や『厄痛』といった意味不明なゲームを立て続けに送り出していた頃のアイディアファクトリーを知る者にとっては、当時のIFと現在の堅実メーカーIFのギャップに、果たしてこれが同一の会社であるのかと半信半疑になるかもしれない。
だが、分裂症みたいなゲームばっか出していた創成期 → まみむめ☆もがちょ → 外野にはまったく区別の付かないシュミレーションRPG大量生産 → 乙女のお供と、隙間を狙いすぎたのが災いしてあまりに支離滅裂な歴史も、当のアイディアファクトリーにとってはきちんと一貫性のあるものであった。
同社の歴史がフォトCDゲームという、これまた隙間なジャンルから産声をあげたことは以前にちょと触れたことがある。
フォトCD規格の画像サーチ機能を利用して、スライドショーを無理矢理ゲームらしきものに仕立て上げた、IFでなければ思いつかないようなこのジャンル。
パソコンやフォトCDプレーヤー、3DOにPC-FX、一部のサターンなど、フォトCD再生機能を備えた機械ならいずれでもプレイ可能なのが、その最大のセールスポイントだ。
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名探偵スチールウッド』を皮切りに、『マルスブレイド』、『ダークチェイサー』、『炎の女麻雀士 京子』と、設立間もないIFはこのフォトCDゲームを数点リリースし、そしてそれらはものの見事に歴史の狭間に埋もれていったのだが、世間に忘れられても初心は忘れないIFは、このフォトCD時代のゲームタイトルを、その後の作品にたびたび引用してきた。
そしてIFフォトCDゲームの最後を飾るタイトルであり、『厄』や『CG昔話し じいさん2度びっくり!!』などの、PS時代の作風に繋がる重要な布石となったこの『犬王 地球を救う』も、後の『スペクトラルフォース』シリーズのキャラクターとして、その名がしっかりと再登場しているのであった。
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その『犬王 地球を救う』の自己申告ジャンル名は"アホゲーム"。
アホの自称は坂田利夫を例外として、およそアテにならないものと相場が決まっているが、まあいわゆる脱力系ギャグの線を狙ったコミカルアドベンチャーゲームだ。
ADVといってもスライドショー機能頼りのフォトCDゲームは、必然的にデジタル紙芝居とならざるを得ず、そしてこれまたIFが厚かましくも"パズル"だと主張するバトルパートも、8つの数字の中から1つを選んで、当たりが出たら勝ち、ハズレが出たら負けとなるだけの、駄菓子屋くじレベルのシロモノ。
写真を閲覧するための規格をゲームに仕立て上げるのは、元々が無理のある作業であったが、それを騙し騙しなんとかやってきたIFフォトCDゲームシリーズも、最後の最後で上滑りする脱力系ギャグによって馬脚を現すのだった。
そんな原点にして鬼っ子のフォトCDゲームも立派なIF20年史の一つ。その存在をどうか片隅にでも留めてやって欲しい(例えIFが「忘れてくれ!」と懇願してこようとも)。

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