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【プライズファイター】一人称実写ボクシングゲーム

   ↑  2010/12/17 (金)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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Prizefighterと名付けられた、関係者が実写で登場するボクシングゲームは、Don King Presents: Prizefighterより遙か以前にも存在しました。
バーチャルシネマと言えば、メガCD末期に狂い咲いた、実写ゲーム好きやLDゲーム好きにとっては忘れることのできないシリーズ。
ナイトトラップやサージカルストライクなど、数々の名作珍作を生み出した同シリーズだが、一部のソフトを除いて発売がメガCDのみに留まってしまったので、その殆どがマイナーな存在のまま埋もれている不遇なシリーズでもあります。
その中の一本が、プロボクシングをテーマにした、このプライズファイター。
実写の一人称視点で描かれるボクシングゲームで、シリーズ恒例の高難度は、このゲームでもしっかりと健在だから、心してかかるように。
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粗い実写映像も、これまたバーチャルシネマの恒例だが、これはメガCDというハードの限界もあるから仕方ないでしょう。
そしてこのプライズファイターは、同シリーズ中唯一のモノクロ映像。ただし、このモノクロ画面が、映像の粗さを覆い隠して、映画『レイジングブル』を思わせるような、予想外の臨場感を生み出しているのです。
控え室から試合会場への廊下、花道からリングに上って試合前のセレモニー、そして試合と、その全てが一人称視点。
花道では酔っぱらいが「お前はぶっ殺されちまうぜぇ!」と絡んできたり、相手選手のファンが「あんたに勝ち目は無いわよ!」などと罵声を投げつけてきたりと、しょっぱなから場末のボクシング会場の気分を、嫌というほど味合わせてくれます。
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そしてリングサイドでは、美人の母ちゃんと眼鏡のガキの親子に呼び止められ。「松葉杖のこの子のためにも、きっと勝ってください」「絶対勝ってね、約束だよ!」
この手のありがちなパターンも、一人称で体験してみると非常に鬱陶しいものです。やめろ、お前ら! 試合前から俺に無理矢理重たい物を背負わせるんじゃねえ!
リング上のセレモニーを一人称視点から見るのも、これまた新鮮なもの。
当事者の立場からこうやって選手コールを受けるのは、会場や、テレビや、他のボクシングゲームでは、なかなか味わうことができない体験です。
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その選手コールを務めるのは、なんとマイケル・バッファー。言わずと知れた世界最高峰のリングアナウンサー。当事者としてマイケルとこうやって絡むことができると、嫌が応にも気分は盛り上がってきます。
ただし残念なことに、このゲームは全編吹き替え。マイケルの決めフレーズ、「Let's get ready to rumble!」は、「熱く盛り上がってくださーーーーーーーい!」と、いささか田中ケロ風に訳されちゃっていますけど。
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こちらに向かって(要はカメラに向かって)声を掛けてきたり、ワセリンを塗ったりなどと、甲斐甲斐しく周りをうろちょろするセコンドたち。
ちらちらとラウンドガールの姿も映りますが、試合を前にしたこちらには、「今晩、どの娘を戴こうか」などと、ゆっくり吟味している余裕はありません。
そんな試合前のボクサー気分を、たっぷりと堪能した後は、レフェリーに促されてリング中央へ。
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この試合を裁くレフェリーはジン・ラベール。
柔道をベースにした(アメリカ柔道界の父と呼ばれるほどの功労者)ファイトスタイルで、ガチンコの実力で名を馳せた元プロレスラー。
一般には、あのアリ対猪木戦を裁いたレフェリーとして知られる、プロレス、柔道、ボクシング、MMAに跨って影響力を持つ重鎮です。
「言うこと聞かなかったら、喰らわすぞ!」
最強レフェリーから、そんな物騒なブリーフィングを受け、いよいよ試合開始!
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試合シーンも徹底して一人称視点。クリンチされたときなどは、相手の汗ばんだ胸が視界一杯に覆い被さってきて、ブルーな気分になること請け合いです。
ガイドが出た瞬間に、指定のパンチを出していく、LDゲームをもろに踏襲したシステムですが、この指示ガイドが表示されるのは第1ラウンドの間だけ。
以降は指示が全く無いまま、闇雲に空振りを繰り返すハメになってしまうので、嫌が応なしに第1ラウンドでの決着を余儀なくされます。
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もっともこのゲーム、勝ったとき以上に、負けたときの臨場感が半端ではないので(心配そうにこちらの表情を窺うセコンドの暖かい目が、とても心に痛い)、しばらくは負け試合の経験を積んでおくのも、乙なものかもしれません。
一見キワモノに見えながら、その意外な臨場感と迫力は、なかなかのもの。
この一見キワモノだけど結構面白いと言うパターンは、バーチャルシネマシリーズに共通したものだったりしますが、その中でも、このプライズファイターの完成度は、高い方に位置するのではないでしょうか。
それにしてもこの実写ムービー。セットも凝っていて、エキストラも大量動員され、かかったお金も相当な額に思えるんですが、果たしてメガCDというマイナーハードのみのリリースで、これの採算は取れたんでしょうか?
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2010/12/17 | Comment (1) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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実写でボクシング! このゲームのことは、恥ずかしながら初めて知りました。さっそく体験版を試させて頂きます!

与一 |  2011/01/22 (土) 16:03 [ 編集 ] No.33

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