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映画【めぞん一刻】

   ↑  2013/09/04 (水)  カテゴリー: 映画・DVD
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音無響子役に石原真理子(現・石原真理)。最近では剛力某のキャスティングが何かと物議を醸していますが、これに比べたらおよそ可愛いものでしょう。
コミック原作の映画は、あちこちに不幸をもたらすパターンが多いですけれど、そもそもコミックの映画化が始動するのは、企画を通しやすいとか、スポンサーが付きやすいとか、タイアップし易いとか、そんな理由がまず最初にあり、映画屋にとっては原作はあくまでも、どこかから持ち込まれた単なる叩き台でしかないわけで、その彼らにしてみれば原作のファンなんかは、およそ七面倒くさい対象でしかないでしょう。
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ファンにしたって、原作のイメージとまったく違わない映画になるなどとは、間違っても期待していないクセに、それでも性懲りもなく劇場に足を運んじゃうもんですから、そりゃあそこには当然の如く不幸が生じてしまいますとも。
ましてや80年代あたりになると、コミック映画化が持ち込まれる先は、撮影所叩き上げの職人監督や脚本家たちになるわけで、その彼らと若者の間で人気のコミックとは、およそ水と油の関係です。
この実写版「めぞん一刻」の脚本を手がけたのは、「花と蛇」(74年版)や肉体の門(77年版)、「ツィゴイネルワイゼン」などで知られる田中陽造。
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しかしいくら一流の脚本家とは言えど、彼にラブコメマンガのやたらとうじうじした機微を理解させようというのは、端から無理のある話でしょう。
田中先生も、「なんかワケの分からない原作よこされちゃったけど、まあ勝手にやるわ」なんてワケじゃないんでしょうけど、原作のキャラたちを一応登場させながらも、原作とはまったく関係ない田中邦衛と萬田久子の絡みをメインに据えて、いつも通りにぎとぎとと脂ぎった男と女の機微を描く始末。
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出来上がった映画は、まるでダウナーなエロ抜きロマンポルノみたいな作品に仕上がり、それをよしゃあいいのに観に来た原作ファンが目の当たりにして、「こんなのめぞん一刻じゃない!」などとブチ切れる流れは、傍から無責任に見たら大変愉快な光景です。
そんな中にあって、原作ファンの僅かながらの救いとなったのは、四谷さん役の伊武雅刀のはまりっぷりですが、私がそれ以上に原作と瓜二つと感じたのは、響子さんの義父を演じた有島一郎でした(これが遺作となりました)。

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