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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

映画【戦闘機対戦車】

   ↑  2013/03/08 (金)  カテゴリー: 映画・DVD
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『Battlefield 1943』を遊んでみれば、戦車は戦闘機のいいカモだという事実が、嫌でも身に染みることだろう。
そりゃあ、ごくごく希に、戦車で戦闘機を撃ち落とすことだってある。だがそれは、爆弾当てようとやっきになって、地面スレスレを低速で飛んで来るヘボパイロットが相手の場合であって、熟練した飛行機乗りが、そんな隙を見せるわけがない。
だけど離陸前の戦闘機となれば話は別だ。主砲でパイロットごと吹っ飛ばしてやるのはもちろんのこと、真っ正面からぶちかまし喰らわせたり、飛び立とうとする瞬間を横切って、けたぐりかましてやったりと、もう思いのままだ。
もし目の前に、なんらかの理由で離陸ができないまま、地べたを必死に走り回るエースパイロット様の戦闘機が居たとしたら、もう拠点奪取とか戦局とかお構いなしに、地獄の果てまで追い回してやるね!
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「戦闘機対戦車」は、そんな立場逆転劇を描いた低予算のテレビ映画。
小さい頃、テレビ東京あたりで、やる気のない時間に放映されていたこの映画を観て、予想外に面白かったので、思わず居住まいを正したことがあったが、そんな70年代のテレフィーチャー作品が、まさかのDVD化されちゃうんだから、つくづくいい時代になったものだ。
第二次世界大戦の北アフリカ戦線。既にロンメルは撤退し、ドイツ・アフリカ軍団も壊滅状態となった中で、この攻守入れ替わった戦車と戦闘機の追いかけっこは勃発する。
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片方の主役はカーチスP-40ウォーホーク。不時着した僚機のパイロットを回収しようと、うっかり砂漠に着陸しちゃったのが運の尽き。
そこをもう一方の主役であるドイツ軍戦車(一応パンター戦車という設定ですが、どっからどう見てもシャーマンです)に攻撃され、至近弾で翼が損傷し飛び立てなくなってしまう。
さあ、それからは砂漠を舞台に、"飛べない戦闘機"と"しつこい戦車"の鬼ごっこが延々と続くのだった。
この映画、確かに舞台設定は戦場だが、戦争映画というよりは、むしろサスペンス映画のような仕上がり。
何せ戦車側を指揮するドイツ将軍(ロイド・ブリッジス)が、味方の壊滅で完全にプッツンきちゃって、せめてもの一矢とばかりに、自らが置かれた状況も無視して、この戦闘機の破壊に異常なまでの執念を燃やしちゃっているのだ。
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はぐれ戦車の搭乗兵たちは、そんなサイコパスな将軍に、次第にドン引きしてゆくのだが、それと比例するかのように、将軍のイカレ具合も右肩上がりに上昇するのだから始末に悪い。
イカレポンチ率いるはぐれ戦車に、執拗に追い回されるハメとなった戦闘機側は深刻だ。空を自由に飛び回って、地上の敵を片っ端から掃射していた立場はいずこやら、今じゃ味方との連絡も取れず、しつこく追ってくる戦車を前に、間抜けに地面を走って逃げ回らなきゃならない。
逃げる側と追う側、両者の立場を、ほぼ同質量で描いているところが、この戦争映画の皮を被ったサスペンス映画の肝だ。
女っ気まったくなし。地面をとろとろ走るP-40と、自称パンターと、途方に暮れる飛行兵と、イカレたおっさんと、それに辟易する戦車兵と、そんな素敵な絵ヅラだけでタイトに構成された80分弱。

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2013/03/08 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


オチが割とひどい

良い映画ですよね
ちゃんとオチに向けての描写は
しっかりあるのですが
観客的には、そうするんだったら
もっと早くそれで終わらせてくれよ!
という感じの

無名希望 |  2016/10/22 (土) 02:52 No.1277


ワンアイディアをムリヤリ尺伸ばしたような映画ですしねw
この時代のテレフィーチャーって、それなりにおカネかけてるものが多くで、意外な掘り出し物が多いですよね。

与一 |  2016/10/24 (月) 19:07 No.1279

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