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【The Elder Scrolls V: Skyrim】ホンリッヒ湖の羽ペン

   ↑  2012/02/26 (日)  カテゴリー: XBOX 360
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遠くから聞こえるドラゴンの雄叫びにも、アイテム欄で存在を自己主張するクエストアイテムにも目をくれず、オレは今日も身を切る冷たさのホンリッヒ湖に潜る。
前回、メイビン・ブラックブライアさんから命じられたクエストを果たすために。
もう達成する必要など全く無いイベントなのだが、しかしこのスカイリムでメイビンさんの意志を拒絶することは、はっきり言って死に繋がる。
ドジを踏んでメイビンさんの命令をしくじった連中が、ことごとくどんな末路を辿っているのかは、もうみんなあちこちで嫌と言うほど目にしているはずだ。
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しかし、この広い湖に沈んだ一本の羽ペンを探し出すのは、容易いことではない。
スカイリムでは、どんなイリーガルなミッションでさえも、いちいち目標が親切にマーカーで案内されるのだが、このミッションに限っては、それが全く表示されないのだ。
「マーカー? そんなものが表示されるくらいなら、港でいつも油を売っているモールあたりに、とっくに引き揚げ作業をやらせています。それができないから、お前に頼んだのでしょう!」
メイビンさんの厳しい声が飛んできそうだが、とにかく俺はこの湖の中湖から、何の手がかりもないまま、小さな一本のペンを探さなければならないのだ。
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視界の悪い澱んだ湖にあてもなく潜り、息が続かなくなり水面に出ては、岸に上がりファイアーボルトの魔法でそこらに火を点けて、凍える体を束の間あたためる繰り返し。
そりゃあ確かにリフテンは、スカイリムの中でも比較的南方に位置する街だが、それだってこの辺りの気候は、現実に例えれば秋も半ばの諏訪湖湖畔みたいなものだ。
11月の諏訪湖に裸で潜ってみろ。充分死ねるぞ!
それでもオレが他のクエストをうっちゃって、この任務を献身的にこなすのは、メイビンさんをただ恐れる以外にも理由がある。
これは他の連中が軒並みしくじって、メイビンさん自身も半ば諦めかけていたような案件。それを見事達成できれば、メイビンさんのオレを見る目も多少は変わってくるだろう。そう、便所コオロギ扱いからカナブン扱い程度にまでは。
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そして覚えめでたくなれば、メイビンさんの身内に近いポジションを得られるかもしれない。
メイビンファミリー。これまた現実に例えれば、橋田ファミリーみたいなもんである。
ここに混じることができれば、沢田雅美みたいにドジを踏まない限り、一生食いっぱぐれることはない。
メイビンファミリーに加わる方策としては、メイビンさんの娘のインガンをたらし込んで、婿養子入りするという手も考えられるが、だけどあんなのと結婚して、「はい、あなた、今日の夕ご飯は巨人のつま先の骨の粉フライと、沼の群生キノコのサラダ&トロールの脂ドレッシングよ」なんて、実質錬金術の実験台となる毎日を送るのは、さすがにぞっとしない話だ。
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この捜索を始めて、果たして何日目になった頃だろうか。相も変わらずアテもなく湖水に潜った俺の目に飛び込んできたのは、湖の底に沈む小舟の残骸。
もしかしたら、あれがヴォルドの薄ら馬鹿野郎が座礁させて沈めたという小舟だろうか。
水をかく手にも思わず力が入りながら、その残骸に近づくと、そこには砂に半分埋もれた小箱が。
そしてその中には……、あった、メイビンさんが探し求めていた、あの貴重な羽ペン、その名も"複製の羽ペン"が!
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羽ペンを手に湖から上がると、オレはびしょ濡れの裸のまま、メイビンさんの自宅に急いだ。
ぽたぽたと水滴を垂らしながら家に駆け込んできた、濡れ鼠状態の俺の姿に、メイビンさんの顔は引き攣っていたが、俺の片手にある"複製の羽ペン"を目にすると、またいつもの冷徹で打算に満ちた顔つきに戻った。
「見つけてきましたぁ! ご依頼の羽ペン、ついに見つけてきましたぁ!」
「……大きな声を出さなくてよろしい!」
「す、すいません。ところで、このペンを一体何に使われるんでしょうか? なんか"複製の羽ペン"という名前が、非常に気になるところなんですが……」
「そういう詮索をしない方が、お前の身のためです」
「ま、まさか、手塚治虫や本宮ひろ志のタッチを真似たマンガを描いて一儲けするとか!?」
「私は『ぶちギレ金剛!!』のプロデューサーではありません!」
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「す、すいません。……ところで、あのぉ、報酬の方なんですが」
「まさか本当に見つけてくるとは思いませんでしたが、任務をこなしたのであれば、それに見合った報酬を与えねばなりませんね」
「ありがとうございます! 渡鬼レギュラー、頑張ります!」
「……お前の言うことは、時々私の理解の範疇を、大きく逸脱しますね。一体何のことですか、それは!」
「す、すいません。高望みし過ぎました」
「高望みとかそういう以前の問題です。……そうですね、じゃあ約束通り、ヴァルドの負債はこれで帳消しということで」
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「……約束も何も、当のヴァルドはとっくにマーラの神殿前で屍になってるんですけど」
「ヴァルドが生きていようが死んでいようが、お前とそれ以外の約束をした覚えはありません」
「そ、そう言われてみれば、確かにそうっすよね……」
「もっとも私は、こなした仕事に対しては正当な報酬を与えることを是としていますから、今後のお前の働き次第によっては、その渡鬼レギュラーとやらも、考えてやらないこともありません」
「そ、そうすか……、あ、ありがとうございます、頑張ります」
メイビンさんの前で米つきバッタみたいに頭を下げながら、俺は頭の中で橋田壽賀子と並ぶメイビンさんの姿を思い浮かべるのであった。
そう、メイビンさんならば、石井ふく子を蹴落としてその後釜に座ることだって、決して不可能じゃないかもしれない。
メイビンさんの意志を阻める者なんて、この世に居るわけがないのだから。

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