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【ビジランテ】ビジランティズムは80年代の香り

   ↑  2012/01/06 (金)  カテゴリー: PCエンジン
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Vigilanteは自警団員などと訳されることが多いが、この国で自警団というと、お揃いのはっぴやジャンパーを着て、「火の元の確認をしましょう」とか「振り込め詐欺に気をつけましょう」などと拡声器で唱えて回っている呑気な集団を、どうしても思い浮かべてしまう。
しかし本来のビジランテとは、アメリカ開拓時代に端を発したものであり、時には自分勝手に解釈した法を、これまた自分勝手に遂行し、そしてそれを公共の安寧のためと開き直ってしまう、いささか殺伐として困った人たちでもあるのだ。
アメコミスーパーヒーローーの大半は、このビジランテであるし、中でもマーベルのパニッシャーや、「ウォッチメン」のロールシャッハは、その一番タチの悪い例だろう。
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しかしオレは、あることが原因でビジランテという言葉の響きに、本来の剣呑な響きとは逆のイメージを持つようになってしまっていた。
その元凶は子供の頃に読んだプロレスアルバムの覆面レスラー特集みたいな本である。
それの"いにしえの覆面レスラー"みたいな項目に、ザ・ビジランテスという名のタッグチームが、ちょっぴり載っていたのだ。
こいつらが、また見るからに頼りなさそうな外見で、解説にも「めちゃくちゃ弱かった」、「馬場・吉村組にボコボコにされた」、「こんな奴ら二度と呼ぶなと非難囂々だった」と、さんざんなことが書かれており、これでまだ幼かったオレの頭に、ビジランテという妙な響きの言葉は、「めちゃくちゃ弱い奴ら」という意味でインプットされてしまったのだ。
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そのザ・ビジランテスと並んで、「ビジランテ=頼りない奴」というイメージをオレに植え付けたのが、1988年にアイレムがアーケード用として送り出し、後にPCエンジンに移植された『ビジランテ』である。
左右から押し寄せるむさい男どもに抱擁されるだけで、あっという間に体力をガリガリと吸い取られて、あっさりと昇天するこのゲームの主人公に、オレは100円玉を追加投入しながら心の中で「もっと体を鍛えてから悪と対峙しろ!」と、悲鳴にも近いような罵り声をあげていたのだ。
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敵に抱きつかれるだけでダメージを喰らい、イヤイヤするようにそれをふりほどくというアクションは、同社の『スパルタンX』そのままである。
一方で、この『ビジランテ』は、テクノスジャパンの『ダブルドラゴン』が幕をこじ開けた、ベルトスクロールバイオレントアクション路線に、早々と便乗した作品でもある。
『ダブルドラゴン』も相当に竹の子剥ぎ的な難易度のゲームだったが、あれにはまだ肘打ちという抜け道があった。
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しかしこの『ビジランテ』は、『ダブルドラゴン』以上の難度を誇りながら(上下奥行きの概念がないから、懐に入られたらおしまいである)、そんな抜け道の存在すら許さないという徹底ぶり。
『スパルタンX』の場合は、まだああいうゲームだからと割り切れたが、『ビジランテ』の場合は、ごり押しを是とするベルトスクロールアクションのデザインを、表面的にだけでも纏っているので、余計にプレイヤーキャラの体力の無さ、貧弱さが、余計に際立ってしまっている。毎日の腕立て伏せからやり直してこい!
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"悪に私的制裁を加える"ビジランティズムは、チャールズ・ブロンソンの一連の映画や、ジェームズ・グリッケンハウスの「エクスタミネーター」など、80年代のB級アクション映画でやたらと重宝された概念だが、ニューヨークの下町を舞台に、道理をわきまえぬ暴走族軍団に一個人が立ち上がる、この『ビジランテ』のプロットも、なかなかに80年代B級アクション的だ。
それを意識してか、本作のパッケージも、エンパイア・ピクチャーズ製映画を思わせる、いかにも80年代風なデザインのもの。
当時のPCエンジンのラインナップに、このパッケージが混ざるのだから、さぞや目立ったことだろう。購買意欲に繋がったかどうかは別にして。

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