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【キュービックギャラリー】サターンで美術のお勉強

   ↑  2011/12/18 (日)  カテゴリー: セガサターン
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ノンゲームのマルチメディアソフトと言えば、3DOの独壇場のようにも思えますが、セガサターンも割とこのタイプのソフトが多くリリースされていたハードです。
セガサターンの場合は、なまじゲーム屋としての矜持なのか、この手のソフトの帯には、いちいち「このソフトはゲームではありません」なんて注意書きを添えていたのが印象的でしたが、しかしセガのゲームに対する定義がシビアだったためか、中にはSCEなら喜んで「ゲームだよ」とお墨付きを加えそうなソフトにまで、この非ゲームの定義を適用していた感があります。
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『プラドルDISC』シリーズから『世界の車窓から1 スイス編』まで、サターンの擁するマルチメディア系ソフトの中で、この『キュービックギャラリー』は比較的ゲーム寄りとも言える作品。
探偵とその助手が異世界の美術館に吸い込まれ右往左往するストーリーモードは、90年代前半に隆盛を極めたインタラクティブADV程度のゲーム性を備えたものです。
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探偵のエディとその助手のディジィ(演じているのは、役者さんと言うより、稲川素子事務所から適当に引っ張ってきたような人たち)は、ある日訪れた美術館のモナ・リザ像の前で、「助けて」という不思議な声を聞きます。
その後、問答無用で絵の中に吸い込まれる二人。気付くとそこは異次元の美術館。
そこで彼らはモナ・リザから、「散らばって行方不明になった私の十粒の涙を、この美術館にある絵の中から探してくれ」という依頼を受けるのです。
しかしその手がかりはアバウト極まりないもの。
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まずは「その絵は室内に二、三人の人物が描かれていた」、「キリストを中心に大勢の人が描かれていた」なんて曖昧なモナ・リザの記憶を元に、50枚近くの絵の中から対象を5枚まで絞り込みます。
絵をぱぱっと見て、ちゃっちゃとアバウトにチョイスしちゃっても一向に構わないのですが、一応これはアートエデュティメントを謳ったソフト。
それぞれの絵画には、詳細なデータや作者の細かい履歴、そして絵の技法やその背景に対する細かい解説などが付随していますので、義理でもいいですから一応これには目を通しておきましょう。
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5枚の候補の中からさらに絞り込むために、モナ・リザが新たに与えてくれるヒントは、さらに専門的なもの。
「その絵画は大きく3つの画面構成で成り立っていました」、「その絵は視線を1つ1つのものに移すような描き方をしてました」など。
「じゃあ最初からそのヒントを素直に出しておけやあ!」と、思わずモナ・リザの首を絞めたくもなってくるような回りくどさですが、まぁこの遠回しぶりや、簡素なポリゴンで描かれた館の中を、こつこつと足音を立てながら、ぬめーっとした視点移動で歩き回る移動パートなどは、この時代の"館ものインタラクティブADV"の典型なので、人によってはやけに懐かしく感じられるんじゃないでしょうか。
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絵を5枚からさらに絞り込む過程では、絵を検証するために様々な実験やシミュレーション、解析を行えるのですが、このシミュレーションパートが、『キュービックギャラリー』の中で最も面白く、また本来のメインとも言えるモードです。
「この絵はオブジェクトと人物の対比が遠近法をさらに際立たせているが、そこからオブジェを取り去ったらどう見えるか?」、「一点透視法を用いて描かれたこの絵の、焦点部分から線を引き、作者の位置を割り出してみよう」、「描かれたそれぞれの人物の人体比率を計ってみよう」、「この絵が描かれている現場を、真上からの構図で見てみよう」、「ダ・ヴィンチの自画像をゴッホのタッチでリライトしたら、果たしてどうなる?」
絵ごとに設定された様々な解析や実験やお遊びは、CGによってダイレクトに展開するのです。
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この『キュービックギャラリー』は、そんな遊び心とお堅い部分がバランスよく調和した、良質のマルチメディア系ソフト。
ゲームの説明だけでなく、絵の解説も充実したマニュアルも、なかなか読み応えがあります。
初回生産分には、箱根彫刻の森美術館の割引チケットが同梱されていましたが、これなんかはゲームの特典としては、あまり類を見ないタイプのものなんじゃないでしょうか。

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2011/12/18 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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