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シネマゲーム

ドクター・スースは、我が国ではさっぱり知られていませんが、英語圏ではとにかくマザーグース級の知名度を誇る絵本作家です。
「Green Eggs and Ham」、「The Cat in the Hat」、「One Fish Two Fish Red Fish Blue Fish」といった彼の代表作は、英語圏の子供が必ず触れるとまで言われるくらい、普遍的な存在になっているそうです。
彼の作品は、非常に癖のある絵柄と、韻を重視したリズミカルな英文が、その特徴となっており、そんなローカライズが困難な特性が、欧米での圧倒的な人気に対して、彼やその著作が日本ではさっぱり広まらない理由となっているのでしょう。

その彼の代表作の一つ、「The Cat in the Hat」は、赤白縞模様の帽子に傘がトレードマークの、不思議な猫が一騒動を巻き起こすお話。
そんな「The Cat in the Hat」が、何をトチ狂ったのか「オースティン・パワーズ」のマイク・マイヤーズ主演で映画化されたことがありました。
マイヤーズが演じたのは赤白帽子のキャット。しかしそのキャットは、原作のイメージなど微塵も無い不気味な化け猫と化し、マイヤーズの役作りも、単なる下ネタ抜きのオースティン・パワーズ。
映画は2004年のラジー賞各部門にことごとくエントリーを果たし、大賞や最低男優賞こそ逃したものの、"コンセプトが全てで中身空っぽ"賞を受賞するという栄誉を得ました。

原作の存在自体が広まっていない日本では、劇場公開は見送られDVDスルー。「ハットしてキャット」などという、まるでやる気がないタイトルを付けられるハメに。
そんな映画のゲーム化作品を、わざわざワールドコレクションのラインアップに加えねばいけないくらいだったのですから、この頃の日本国内に於ける初代XBOXが、いかにタマ不足にあえいでいたのかが分かるでしょう。

マイヤーズが演じたキャットを操って、ギミック満載の多彩なステージを突き進む、横スクロールアクションゲーム。
ステージに疑似3D的な演出を施して、通常の2D横スクロールアクションに雰囲気的な広がりをつけるスタイルは、PS1やサターンの時代から流行り始めたものですが、2004年の頃には既に古臭さは否めないものでした。
キャットは基本的に運動不足のデブ猫ですから、プレイヤーが操作するキャットも、身体能力が低くスピードも鈍臭いキャラです。
故に2D横スクロールアクションには必須な、テンポの良さには著しく欠けますが、カラフルでギミックが豊かな世界を、キャットのペースでドッタバッタとたどたどしく走り回るのは、それはそれで独特の味わいになっているような気もします。

ジェスチャーも豊富で、思いのほかよく喋りまくるゲーム中のキャットですが、それらは映画版のマイヤーズ・キャットを再現したものなので、どれもこれもこちらの癇に障るようなものばかりだったりします。
まぁいちいちマイク・マイヤーズに神経を逆撫でされたりするのは、原作映画に忠実なシネマゲームという意味では正しいことなのかもしれませんが。
ただし、ゲーム中のボイスはマイヤーズ本人ではなく、似た声の別人。
それと、映画では単なる小悪党だった、アレック・ボールドウィン演じる隣人のクインさんが、このゲームではちょっぴりスケールの大きなボスキャラになっているのは、ちょっぴりご愛嬌な部分ですね。
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2011/11/16 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |Xboxのワールドコレクションといえば個人的には、oddworldやトージャム&アールの三作目を期待していましたねえ
なんだかんだで高評価なのにワーコレでも出なかった初代Xboxゲーム、結構ありますね。
ボクは当時Psychonautsをめちゃくちゃ期待していたんですが、まさか今になってXboxで気軽にプレイできるようになるとは思いもしませんでした。
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