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Vシネマ【空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜】

   ↑  2011/10/05 (水)  カテゴリー: 映画・DVD
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「漫画界の巨匠、永井豪が、自著を原作に自らメガホンを取った!」
そんな触れ込みの映画ですけれど、恐らく永井先生、現場では地蔵と化していたと思われます。
それくらい素人っぽさのかけらもない、ハンパに職人じみたVシネマ。恐らく実際に現場の指図をしていたのは、この映画では演出補の肩書きの石井てるよし(後に永井豪原作の「おいら女蛮 決戦!パンス党 」や「あばしり一家 THE MOVIE」の監督を務める)ではないでしょうか。
仕掛け人というか、永井先生を焚きつけた張本人と思われるプロデューサーは松山仁。この方は以前紹介した横山智佐主演「時空戦士 魅鬼」の監督を務めた人物。
ワハハ本舗と非常に縁が深い方なので、この時期の特撮系Vシネマで梅垣義明と林家こぶ平(現・正蔵)が顔を出している作品があったら、十中八九この人が絡んでいるとみて間違いはないでしょう。
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忍びと深い関わりを持つ極道組織。そこの一人娘を守護する3人の忍者と、怪獣じみた組長に率いられた新興極道組織の激突。
一見トホホに見えるこのメインストーリーも、永井先生の絵に落とし込んでさえしまえば、それほど違和感がないのですが、これを実写で、しかも主人公の極道忍者役に大槻ケンヂを据えるとなれば、話は全く別です。
まぁこの辺は主演されたご本人が、自らあちこちでネタにしちゃっていますが、もし私がオーケンの立場であったら、目の前で自分の全く板に付いていない芝居(特にモノローグシーン)を流されたら、その場で舌を噛み切って命を絶っているかもしれません。
オーケン、役者には全く向いていない。その事実を自他共に確認できたことだけでも、それなりに収穫があったとは思いますけれど。
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オーケンの脇を固める同僚忍者は松井哲也とキューティー鈴木。
倉田保昭の秘蔵っ子、松井。そして言わずと知れたジャパン女子プロレスのキューティー。
オーケンにはアクション面を全く期待できないことから、それを補佐するための布陣ですが、実際にこの人たちはアクションシーンを担当するためだけに、キャスティングに名を連ねているようなもの。それ以外の出番は全くありません。そしてアクションシーンが終われば即座に死んで、潔いばかりにあっさりと退場して行きます。
倉田プロモーションの面々を従えた松井哲也の集団擬闘さすがに見事なものですが、問題はキューティー鈴木の方。
キューティーの出で立ちは、Vシネ系くのいちの伝統を引いた、全く忍んでない派手な着物なのですが、その足下には何故かリングシューズを着用。
そして敵方の女暗殺者、尾崎魔弓のコスチュームは、レオタードにやはり足下はリングシューズ。
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この時点で相当嫌な予感はしていましたが、やがてキューティー対尾崎、1対1のシチュエーションとなると、何故か2人はおもむろに移動。
そして向かった先は、床にマットが敷かれた謎の空間。そこで2人は唐突にプロレスの試合をおっ始めるのです。
プロレス風アクションなんてものではありません。普通にプロレス。尾崎がキューティーの髪を掴んで放り投げ、キューティーが尾崎のリストを決めてグラウンドに持ち込み、そのリストロックを尾崎が切り返してバックを取り返し。
ジャパン女子やJWPのリングで嫌と言うほど見たお馴染みの攻防を、当たり前のように展開する2人。そしてそれをまるでプロレス中継のようなカメラワークで撮影するスタッフ。
劇映画の中に唐突に挟まれた"普通のプロレス"に、観ているこちらは思わず口あんぐりです。
○尾崎魔弓(6分14秒 アルゼンチン式背骨折り)キューティー鈴木●
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永井豪先生の人脈でしょうか、この作品はやたらとエキストラが豪華です。
圧巻なのは、関東の親分衆が一同に会するシーン。
藤子F不二雄、長谷邦夫、川又千秋、高千穂遥、高信太郎、林海象、小松沢陽一、そして一番奥に相談役然としてでーんと居座るのは矢野徹大先生。
みんな人相があんまりよくないから、ヤクザルックがホントお似合いです。特に藤子F不二雄先生などは、殴り込んできた安岡力也相手に「てめえ、いつからそんな偉そうな口がきけるようになったんだ!」と、啖呵を切る始末。私の知っている温厚そうなF先生のイメージは、そこには全くありません(直後、F先生、力也さんの長ドスで滅多刺しにされて悶死)。
この豪華な面子が揃って、弾着仕掛けられて嬉しそうに死に様を演じるくだりは、この作品の密かな見所と言っていいでしょう。
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日本国内ではDVD化されておらず、再ソフト化されるような気配も全く無い状態ですが、アメリカでは何故かカルト映画扱いされて(曲がりなりにもデビルマン絡みの作品だからでしょうか?)、「The Ninja Dragon」のタイトルでDVD版が流通していました。

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