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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【My Brother Rabbit】今年の干支ゲー

   ↑  2023/01/03 (火)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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あけましておめでとうございます。やってきましたうさぎ年。
イノシシだのヘビだのと、およそ干支ってのは色気のない生き物のオンパレードなんですが、その中にあって卯年は珍しく癒やしの年。
Instagramやら何やらで推しアイドルのうさぎコス姿が溢れかえる様子に、干支の存在を珍しくありがたく感じてしまいますね。
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で、年賀代わりの干支にちなんだゲームですが、どうせそんなお前のことだからバニーガールとかそれっぽいギャルが出てくる作品でお茶を濁すつもりなんだろうと思われていそうですが、あまり人の品格を低く見積もってもらっては困ります(古すぎて現行のパソコンでは動作しなかった『Space Bunnies Must Die!』のパッケージを背中に隠しながら)。
卯年にふさわしい今年の干支ゲーはうさぎが主人公の一作『My Brother Rabbit』。
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Artifex Mundiと言えば探しものゲームの大量生産でお馴染みですが、この『My Brother Rabbit』も例に漏れずベースとなるのはヒドゥンオブジェクトのスタイル。
しかし「これを見つけたところで果たして話の筋にどう関与するのだ?」の疑念が常につきまとう
Artifex Mundi系探しものゲームと違い、本作はその運用や応用にポイント&クリック式アドベンチャーの様式を加味したひとひねりがあるのがその特徴です。
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そしてもうひとつのセールスポイントは、やはり他のArtifex Mundi系ゲームとは趣きがちょっと違うファンタジックなアートスタイル。
このストレンジだけど温かみのあるビジュアルが、こちらのアプローチに対してアクティブに反応する様子は、これまた印象的な音楽の後押しを受けてとても魅力的に展開します。
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全年齢向けのゲームだけあって謎解きやパズルもかなり平易な難度。
難病にかかった妹を助けるために、妹が可愛がっているうさぎのぬいぐるみに身をやつしたお兄ちゃんが空想世界で冒険する絵本のようなストーリー。
手堅いながらもシステムからアートワークまですべてが高水準でまとまったうさぎゲーム。
バニーガールとかうさごコスとか、いつまでもそんなものに浮かれてるんじゃないという自戒を込めて、この優等生な一作を今年の干支ゲーに推す所存でございます。

この記事に含まれるtag : 干支ゲー アドベンチャーゲーム 

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2023/01/03 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと】What Remains of Edith Finch

   ↑  2023/01/07 (土)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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いわゆる家族主義が旧弊とされるようになった昨今だが、しかし実家に帰省したり親戚一同が顔を合わせたりする機会が多くなるこの年末年始は、前時代的に思えるその価値観がまだまだ現役であることを改めて確認させられる季節である。
家譜や系図というものは、それを受け継がざるをえない人間にとっては重苦しいものだ。
よくテレビで著名人のルーツを辿る番組をやっていたりするが、あれは功成り名遂げた人だからこそエンタメとして成立するのであって、そうでない人間にとっては誇らしくあっても重くのしかかるものである。
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ましてやフィンチ家の血脈は早逝の呪いに縛られている。
実家を離れていても逃れられない家譜の重圧に、一家の数少ない生き残りであるエディスは否応なしに向き合うこととなる。
呪われた系図を辿る探索行。『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』は、誰もが気の乗らないこの陰鬱なテーマをど極上のエンターテイメントに仕立て上げたアドベンチャーゲームだ。
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実在のウィンチェスターハウスを例に出すまでもなく、増築に増築を重ねた建物は見るからに禍々しい気配を湛えている。
それは家に住まう歴代の因業を、まるで賽の河原のように積み上げた風情だからだ。
エディスが訪れるフィンチ家の屋敷はまさにそんな建物。
高祖のオーディンが1937年にこの地に移住してから、屋敷は家族の数ごとに部屋の封印と増築を繰り返し、年月と共にその外観は奇天烈さを増していった。
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エディスは早逝した親族たちの儚い歴史が詰まったそれぞれの部屋を回り、フィンチ家の奇怪な家譜を辿ってゆく。
主人公が実家を訪れて家にまつわる記憶を再構成する。2013年の傑作『Gone Home』が確立した様式だが、『フィンチ家』はそこからさらにストーリーテリングのイマジネーションを押し広げた。
時にはコミック風、時には3Dプラットフォーマー風、時にはテキストアドベンチャー風と、過去の家族にまつわる話はそのパートごとに大胆にスタイルを変え、そしてそれらは奇妙極まりない家譜の中に破綻することなく収まっている。
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この多種多様な語り口の変化があるからこそ、『フィンチ家』はともすればウォーキングシミュレーターと呼ばれる諸作につきまとう単調さとは無縁のまま、プレイヤーをストーリーにどっぷりと没入させてくれる。
そして生じてくるのは、プレイヤー自身にとっては本来無縁である筈のフィンチ家の人間に対する親族のような親愛の念だ。
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次々と早死にを重ねる呪われた系図を辿る短くも濃密なひととき。
家譜。それは当事者にとっても他人にとっても重苦しく時には持て余す存在だ。
そんなファミリーヒストリーを風変わりで芳醇な追体験へと昇華させた傑作は、こよないインタラクティブエクスペリエンスと引き換えに、人はやはり家族の因縁から囚われて離れられない事実を突きつけてくる。

この記事に含まれるtag : アドベンチャーゲーム 

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2023/01/07 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S】

   ↑  2023/01/11 (水)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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別に胸を張って言うようなことではないが、オレだって人並みにドラクエくらいプレイするのである。
日本では王道とされるフィールドエンカウント型のRPGが昔からとにかく苦手だった。
あのコマンド選択型の戦闘ってやつに必然性を見いだせず、エンカウントバトルのバランスがちょっと悪かったりすると、あっさり投げ出す繰り返しだった。
そのバランスが極悪だった『摩訶摩訶』なんかは、「相原コージをただちにここに呼んでこい!」と憤ったほどだった。まぁ、それは相原さんが悪いわけではないが。
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そんなわけでクリアまで至った和製RPGはほんの数えるほど。FFにしたってエンディングを見たのはⅨだけだ。あとは全部途中で放棄した。
だけどドラクエだけは別格だ。クリアしていないのは9と10だけで(そもそもプレイしていない)残りは全て熱中して遊び込んだ。
なんでドラクエだけが特別なのか自分でもまだ考察しきれていないのだが、面倒くさいだけのエンカウントバトルの先にある、登場キャラたちのその後の展開を見届けたいと思わせる普遍的なシナリオの魅力が根底にあるからなのだろうか。
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そして『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』。
実はXbox版の配信が始まった頃に序盤だけプレイしていたのだが、ドラクエブランクのためか、ぼうけんのしょの名前イコール主人公の名前とはまさか思わず、「かきなべ」などという適当な名を付けてしまい(その時ちょうど無性に牡蠣鍋が食べたかったんだよう)、周囲のキャラが自分のことを当たり前に「かきなべ」と呼んでくる間抜けな事実に耐えられないしょうもない理由で放置したままだったのだ。
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しかしそれから1年以上が経ち、「かきなべ」で物語が展開することを許容する余裕がなんとなく出てきた。
「かきなべ」に救われる世界。悪くないじゃないか。少なくともトンヌラよりは勇壮っぽいし。
そう割り切ってから年末から今年の初めにかけて「かきなべ」の冒険譚を綴ってきた。
100時間以上をかけて、オレの「かきなべ」は無事邪悪な存在から世界を守りました。
7や8は当時のゲームトレンドにドラクエっぽさを無理に合わせようとして迷走してるなという感想がプレイ中ずっと付いて回っていたんだけど、11に関してはそれがまったくなかった。
これが今の時代にきっちりアジャストした、そしてらしさを失っていないドラクエ。
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そしてドラクエはもっとも魅力的なキャラクターに物悲しい運命を背負わせる悪い癖もある。
特に濁音の入った魔法使いキャラにその傾向は顕著で、この11でもまさにその濁音入り女性魔法使いが出てきて思い切り身構えていたんだけど、案の定というか、またやりやがったな堀井コノヤロウ!
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身構えたと言えば11では序盤に幼なじみと別れ別れになってしまう展開があるんだけど、これもオレにとっては軽いトラウマというか、以前に幼なじみを結婚相手に選ばなかったために様々な人からオレの人間性を非難されるような経験があっただけに、今回もそれじゃないかなぁとプレイ中ずっとハラハラしていた。
前回、まぁ『ドラゴンクエストⅤ』なんだけど、あのときだってオレはマジで一晩熟慮の末にフローラを選んだのであって、情緒に流されてさくっとビアンカをチョイスしたお前らと一緒にするなという思いはあったんだけど、いや、それはいいか。
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とにかく今回のドラクエは幼なじみが幼なじみのまんま終わるのがホント良かった。
「かきなべ」とエマの思い出はストーリー展開に利用されることなく爽やかなままで守られた。
『ドラゴンクエストXI』で何よりも素晴らしかったのはそこでした。


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2023/01/11 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Pupperazzi】パピラッチ

   ↑  2023/01/13 (金)  カテゴリー: XBOX Series X|S
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我が家は昨年の終わりに愛犬を亡くして正直お通夜みたいな年末年始だったんだけど、こういう悲しみってのはボディブローのように後々からじわじわ効いてくるもんである。
よく訪れるショッピングモールは入り口のすぐ脇がペット用品売り場になっていて、そこを通るたびに「もううんち取り袋もチュールも買う必要は無いんだ……」と、いちいち落ち込んでいるし、Twitterのタイムラインによく上がってくる可愛いわんこ動画なども今ではもう目の毒でしかない。
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こうなると悔やまれるのはもっと写真をたくさん撮っておけばよかったことだ。
亡くなってしばらくしてからカメラのキタムラにスマホの中のわんこ写真をプリントしに行ったのだが、思っていた以上にその数は少なかった。
常に傍らにいるわんこ。写真なんかいつでも撮れると高をくくっていても、案外のその機会は限られている。
むしろこういうものは撮っても撮っても撮りすぎなんてことはない。心置きなく撮りまくろう。
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ビーグルにポメラニアンにアフガンハウンド。オレの目の前に広がるのは、思い思いフリーダムに過ごすわんこ、わんこ、わんこたちの姿。
無粋なヒューマノイドなど数えるほどしかいない。ここは一面わんこたちの楽園。
こんな環境で我々がすべきことはなにか? 撫で撫でするのもいいだろう。おもちゃで遊ぶのもいいだろう。
しかし何よりもまずやるべきはわんこたちの写真を撮って撮って撮りまくることだ。
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『Pupperazzi』とはどういうゲームか? とにかく愛らしい犬たちの姿をフィルムに収めるゲームだ。それ以上でも以下でもない。そしてそれだけで充分すぎるくらいである。
撮った写真を犬専用のSNSにアップにしてフォロワーを獲得する副次目標もあることはあるけれど、まぁこれは同じ犬好きに対するお裾分けみたいなものだ。
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犬や他の生き物たちからこんな写真を撮ってくれなんてリクエストもあったりするが、これとて目を真っ赤にしてがつがつと挑むような性格のミッションではない。
頭の片隅に入れておいて、撮れそうなチャンスがあったら軽くトライしておこう。それに犬の姿を追いかけているうちに、いつの間にか条件達成してるリクエストも多かったりするし。
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とにかく大切なのはこの犬だらけの幸福な世界に身を浸して、心の赴くままにその姿を写真に収めまくることだ。これはその環境を提供するゲームである。
アイドルグループわーすたは"いぬねこ。青春真っ盛り"という曲で「犬派ですか?猫派ですか?あなたはどっちですか?」と問いかけてくるが、そんなのは愚問もいいとこだ。
犬! 何度生まれ変わろうとも犬! 美味いのはチーズケーキ! ホッピーは黒! 焼酎は麦!
最初のうちは目の毒かと思っていたけど、今ではオレのペットロスを慰めてくれる最高のゲーム、その名は『Pupperazzi』。犬はこの世で最高の被写体だ!

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2023/01/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【BorderCollie Game】ボーダーコリー・ゲーム

   ↑  2023/01/15 (日)  カテゴリー: PCゲーム
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オレは「インタラクティブな要素がミリでも入っていたらOK」と判定してしまうくらいゲームに対する定義が超ゆるゆるなのだが、そんなオレでも本作を自信を持ってゲームと呼びきれないのは、制作者の「ゲームとか実はどうでもいいから私の賢い犬をとにかく拝んでくれ」という主張が明確に表れているからだろうか。
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しかしその気持ちはスゴいよく分かる。
誰だって自分の犬は一番可愛い。そしてその可愛く思う感情は世界中の誰もが共有できるものだと信じ込んでいる。
この『BorderCollie Game』は作者の可愛い可愛い愛犬をフィーチャーしたFMVゲーム。
一応ボールやフリスビーなどおもちゃを選択したり、散歩の際に特定の場所をクリックしてムービーを先に進めるインタラクティブ要素が存在するが、基本的には作者の犬の散歩に延々付き合うだけの内容である。
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「このボーダーコリーとただ一緒に過ごす時間はとにかく最高だから、みんなにもこの充実した気分を分けてあげよう」
そんなお節介な気持ちだけで構成されたゲームだが、これを買うような人間は「あ、わんこ、可愛い!」って衝動だけでポチッとクリックした人がほとんどだろうからノープロブレムだ。
もっとも途中で排便の始末をさせられたときは、「なんで他人の犬のうんちを……」と、ちょっぴり釈然としない思いも過ったりしたが。
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これだけでは犬愛の吐露に満足しきれなかったのか、昨年には続編『BorderCollie Blaster』が登場。
FMVからまさかの横スクロール2Dシューティングへと変身を遂げたが、もちろん自機となるのは実写取り込みのボーダーコリー。
そしてこれまたもちろん「シューティングとか実はどうでもいいから、重要なのはとにかく私の犬」という想いだけで成立しているゲームであることは言うまでもないだろう。

この記事に含まれるtag : 実写ゲーム 

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2023/01/15 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |