- 【Hidden Through Time】ヒドゥンスルータイム [2022/08/06]
- 【Roller Champions】ローラーチャンピオンズ [2022/08/24]
- 【ESPN Extreme Games】ESPNストリートゲームス [2022/08/26]
- 【Forza Horizon 5】2022年のワイプアウト [2022/08/29]
- 【Xenon Racer】キセノンレーサー [2022/08/31]

ゲームは怠惰な人間が無気力にだらだらと続ける遊びみたいな偏見がいまでもあったりするが、いやいやどうしてそれなりに結構エネルギーを使うものだ。
そして歳を重ねるごとにそのエネルギーを貯めるタンクはどんどん容量が減ってゆく。
新しいゲームを始める時は、システムやルールをまっさらな状態から飲み込んだりと、消費するエネルギーの量もさらに多くなってくる。
それが嵩じると新しいゲームを一からスタートさせる気力すらおぼつかななかったりするのだ。

年季の入ったゲーマーが特定のジャンルやレトロゲームに拘泥してゆくのは、なにも柔軟性を失っているだけではない。エネルギーの枯渇という止むに止まれぬ事情もあったりするのだ。
オレのように元が怠惰で無気力な人間ならなおさらである。
ましてやこうも常軌を逸した猛暑の中だと、ゲームをやる気力もさらに失われてくる。だらっと横になってただビールを飲む誘惑に誰が抗えるだろうか!?

そんな状況で重宝するのは気力の燃費がいいゲームだ。
するべきことが分かりきっていて、なんとなく続けられて、それなりに達成感のあるジャンル。ビール飲みながらやれたらさらに言うことなし。
そう、アイテム探しゲーム(ヒドゥンディティクティブ)!

定番となっているこのジャンルだが、オレの考えでは大きく二つの流れに分けられる。
一つはArtifex Mundiの諸作品に代表されるようなモバイルの狭い画面にアジャストした情報密度の濃いタイプ。
そしてもう一つは「ウォーリーをさがせ!」の流れを汲む、大画面に無数のオブジェクトが執拗に敷き詰められたタイプだ。
『Hidden Through Time』は後者。PCモニターや大画面テレビでも遊びやすい、むしろ大画面に皿のようにした眼を近づけてなんぼのゲームである。

同系統に『Hidden Folks』という評価の高い作品があるが、画面が白黒なゆえに5分も遊ぶと眼がしょぼしょぼしてきた『Hidden Folks』と違って、こちらは淡い色が主体のカラーだから、プレイアビリティの点では『Hidden Through Time』に軍配が上がるだろう。

そして本作の特徴はマップエディタ機能。
とはいえ自分でマップを作成するのは、これまたなかなかエネルギーを必要とされる作業だが、それ以上にアップロードされた無数のマップを、あれこれつまみながらのプレイが思いの外楽しい。
同じオブジェクトパックを使っての配置でも人によって個性が出るし、ヒントワードの付け方にもそれぞれに特徴が出ていたりする。

扇風機の風の下、ビール片手に目を凝らしながら、似たようなオブジェクトを選り分けて小さなカエルや人や果物やなんだか分からないものを探して探して探しまくる。
ほどほどのエネルギー消費にもかかわらず見つけ出したときの達成感はかなりものだ。
夏の夜は「ゲームをやるぞ」エネルギーの燃費が格段に優れたアイテム探しゲーム。
他人作成のオンラインマップも豊富にあるからコストパフォーマンスもなかなかだぞ。
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2022/08/06 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ローラーゲーム、あるいはローラーダービーと呼ばれる奇妙なスポーツ。
日本では70年代に爆発的ブームとなりゴールデンタイムにテレビ放映もされていたそうだが、さすがにその頃は知る由もない。
オレが最初に遭遇したローラーゲームはTVKだかテレビ埼玉だか、とにかく地方局で穴埋めに放映されたアメリカの中継番組だった。

まったく未知のスポーツ競技というのもあったのだが、なによりインパクトがあったのはエンタメ方面への針の振り切り方だった。
チームは善玉と悪玉に分かれ、場外乱闘やベタベタな同士討ち、悪党コーチの試合への介入そして最後は残り数秒で善玉チームが悪玉チームの選手をトラックの真ん中にある水槽にふっ飛ばして劇的逆転勝利と、ほとんどプロレスのような構造であったのだ。

当時のローラーゲームのライセンス商品となったのがコナミのアーケードゲーム、その名も『ローラーゲームズ』。
ぶっちゃけボタンバシバシ系の大味なゲームで日本のゲーセンでは大して人気も出なかったが、個人的には密かにアーケードアーカイブスで出ないかと淡い期待を抱いているゲームである。

ローラーゲーム自体ははその後も団体や興行形態を変えどそれなりに受け継がれ、最近ではより競技性を重視した方向に舵を切っているらしい。
そしてビデオゲームの世界に登場した新時代のローラーゲーム、この『Roller Champions』も、ストイックなゲーム性を目指した一作だ。

一般のローラーゲームは相手チームをパスした数によって得点が入る追い抜きシステムだが、『Roller Champions』は球技とのハイブリッド。
3vs3のチームがひとつのボールを争い、それをキープしたまま周回してゴールに叩き込むと得点。周回数に応じてそのスコアも上昇する。

基本プレイ無料で有料要素は主にプレイヤーのビジュアルを変えるアイテムや各種エモートのみ。
一試合のプレイ時間もほどほどに短くてF2Pゲームとしてはかなりこなれたバランス調整となっている。ただ運的な要素を一切排除したテクニカル重視なゲーム性とF2Pのマルチプレイが相性がいいかというと、これまた難しいところだ。

3vs3という最低限の編成が災いしてか、バンクを縦横無尽に使ってボールをキープし続けられる上級者が一人混じると、敵チームのみならず味方でさえもその人に完全におまかせモードになってしまい、なんの盛り上がりもないままワンサイドでマッチが終了してしまう例が少なからずあったりする。

それが理由なのかは分からないが、クロスプラットフォームの無料ゲーム、なおかつUBIの看板を背負ったタイトルとしてはオンラインの賑わいはちょっと物足りない。マッチングもサクサクといかないのが現状だ。
決してつまらなくないのだけど、実在のスポーツとも遜色のないストイックな競技特化ぶりがともすれば淡白さに繋がってしまい、そういった部分で損をしているゲームなのかもしれない。
本場のローラーゲームさながらの極端なプロレスっぷりとまではいかないまでも、多少のけれんがあった方がいいのかなと思わせる一作だ。
この記事に含まれるtag : スポーツゲーム
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2022/08/24 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
いかにオリンピック種目になり世界的スターを輩出しようと、スケートボードなどのストリートギアを街なかで得意げに乗り回してる人間には、どうしてもバカっぽそうという偏見がついて回ってしまう。
だが本来のエクストリームスポーツはバカと思われてなんぼ。
むしろこの際バカの一等賞はどれか決めてしまおうと言わんばかりに、アメリカのスポーツ専門局ESPNの名のもと、ローラースケート、スケートボード、マウンテンバイク、ストリートリージュが集結した。

初代プレイステーションのイメージは人によって様々だろうが、オレにとってPS1はプラットフォーマーが自ら音頭を取って低偏差値なゲームを次々と放っていたバカハード(褒め言葉)。
中でもSony Interactive Studios Americaは、『Twisted Metal』『Rally Cross』『Jet Moto』など、まるでメロディックパンクのように勢いだけで押し切るゲームを乱発していた、とびきりイカしたファーストパーティースタジオである。

そのSony Interactive Studios Americaの代表作と言えるのが本作『ESPNストリートゲームス』。
前述のような異種ストリートギア最速決定戦だが、そのテイストは『ロードラッシュ』そのまんま。並走するライバルをぶちのめす要素やステージの尺など、何から何までが『ロードラッシュ』そのまんま。
『ロードラッシュ』もいまや説明が必要なクラシックになってしまったが、バイクでライバルをどツキ倒しながらひたすらゴールを目指すだけのキング・オブ・低偏差値な最高のゲームだ。

『ロードラッシュ』のバイクをストリートギアに置き換えただけで説明ついてしまう『ESPNストリートゲームス』だが、コースに散在しているゲートを通過すれば各種のボーナスが得られる一応のオリジナルギミックが存在している。
そして独自といえばプレイステーションオリジナルタイトルならでは。L1左パンチL2左キックR1右パンチR2右キックというボタン割り当ても、これまたバカっぽくって最高である。

そしてコース上に無造作に置かれた障害物の数々。
これがまた「レベルデザインってなあに?」と言わんばかりにアバウト極まりなく配置されているもんだから、意図が読めなくてスリリングなことこの上ない。
さらにはサンフランシスコステージならプレイヤーが通りかかるのを待っていたようにど真ん中を横切ってくる市電。
ユタではこちらに向かってホーミングしてくるような落石などのご当地トラップの数々。
これらにスケボーやリージュやMTBがダマになってバタバタと引っかかる様には、プレイヤーをハメにかかっている悪質な妨害であることをついつい忘れてしまいそうだ。

初代プレイステーション時のSCEは、こうした大味な海外産ゲームに「洋ゲー」の造語を与えて啓蒙していたが、自社海外スタジオ産である『ESPNストリートゲームス』は、その象徴みたいな一作。
あの頃のソニーは間違いなくもっともチャレンジングで先鋭的なプラットフォームホルダーであったのだ。
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2022/08/26 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
『Forza Horizon』シリーズも5作目ともなるとさすがに登場車種のマンネリ感は否めないんですけれど、その中にあってフレッシュな存在が電気自動車です。
ついにホライゾンにも押し寄せてきた電化の波。
私はこのゲームでは70年代80年代の車を好むエンスー志向とあって、「バッテリーとモーターで動く車だぁ!? ふん!!」なんて気持ちも強かったんですけど、いざそれを手に入れてメキシコの大地に繰り出してみたら、がらりとその印象は変わりました。

ジャガーI-Paceにポルシェ・タイカンなど、『Forza Horizon 5』には有力メーカーが威信をかけて送り出したEV車が登場しますが、突出した存在がロータスのEVハイパーカー、エヴァイヤ。
お値段なんと3億円。現時点で世界最強の電気自動車といって過言ではありません。
現実では内臓を全部売っても手が届かないような車ですが、ホライゾンは甲斐性なしのあんぽんたんにも優しい世界。
ゲーム内でもそれなりに値が張るとは言え、それさえクリアすればマイガレージにエヴァイアをお迎えすることができます。

さっそく乗り込んでみれば、ダッシュボードからコンパネまで徹底的に未来志向で洗練されたインテリア。
そしていざ道路に飛び出せば、「ふぃーーーーん」という控えめなモーター音と共に、内燃機関の軛から解き放たれた軽やかで心地よい加速。
4つのタイヤが路面をしっかり捉えているにもかかわらず、まるで重力から解放されたかのよう。
このスピード感と浮遊感の合せ技は、いわゆる反重力レースと呼ばれるビデオゲームジャンルの手応えにそっくりです。

名作『wipEout』の衝撃的な登場以降、多くの追随者を生み出し現在も続く反重力レースゲーム。
90年代はサイバーな未来感を強烈にアピールしたジャンルですが、近年のそれが陳腐さを感じさせてしまうのは、ジャンルそのものの停滞と共に、現実の車がかつてビデオゲームが想定した未来の車に近づきつつあることも理由のひとつなのかも。

エヴァイアの魅力的なフォルム。特にSF映画の宇宙戦闘機を彷彿とさせるリアのデザインなんかは、反重力レースゲームの中に紛れ込んでいても不思議ではありません。
全車エヴァイアのワンメイクレースを設定すれば、ドゥナスブランカのビーチやラ・グランカルデラの峠道、グァナファトの街なかがたちまちに"2022年のワイプアウト"の舞台に早変わり。
現状ホライゾンに電動ハイパーカーの参入はまだ限定的ですが、今後のシリーズ作で電化の波がどこまで広がるのか注目ですね。
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2022/08/29 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
反重力レースだとマシンが地上から浮いたものに限られてしまうから、それより広めのサイバーレースという定義を使わせてもらうが、とにかく未来を舞台に未来の車が圧倒的なスピード感で繰り広げるレースゲーム。
始祖の『F-ZERO』に記念碑的名作『wipEout』、『グランチェイサー』に『カンタムレッドシフト』、『フェイタルイナーシャ』と思いつくだけでずらずらタイトルが出てくるが、それが時を重ねるごとに色褪せ陳腐化してしまうのは、ガジェットやUIのデザイン、ゲームフィールや音楽の使い方など何から何までが90年代に確立した様式のリバイバルとなってしまうからであろうか。

この『キセノンレーサー』。Xboxをメインとする者にとっては頻繁に激安セールされているソフトの印象が強いが(他機種でもそうなのだろうか?)、これもサイバーレースの範疇に入るゲームである。
しかし本作はその設定にひとひねりがある。
空中を走るホバーカーが実用化されている近未来。だがそのホバーカーに背を向けて、スピード感を突き詰めるためにあえて4つのタイヤで路面を疾走するアドレナリン中毒患者のためのレギュレーション。
車種は電動ハイパーカー。動力は電気とキセノンガス!

そして近年のサイバーレースゲームの例に漏れず、この『キセノンレーサー』も未来が舞台なのにもかかわらず後ろ向きのゲームだ。
そのスピード感を下支えするのは、ドリフトをバリバリと駆使する、というかドリフトしなければほぼカーブを曲がることのできない、ライン走行お断りな操作性。
そう、『リッジレーサー』に代表される豪快な90年代アーケードレースゲーム。そのリバイバルを目論んだような一作である。

『キセノンレーサー』に懐かしさを感じるのはそうしたゲーム性だけではない。
最近では海外産ゲームにおける東京の街並みの描写はそれなりになってきているが、それはそれで物足りなさや一抹の寂しさを感じる人も多いかもしれない。
90年代洋ゲーに溢れていた奇天烈な看板群で彩られた珍東京風景。『キセノンレーサー』はそうした部分もしっかりリバイバルを果たしているのであった。
東京と香港がごっちゃになったけばけばしい面白看板の群れにちゃっかり紛れ込む村さ来やボークス秋葉原ホビー天国!

肝心のゲーム部分はというと、核となるドリフトの発動とコントロールにかなり癖があり、コースレイアウトもかなり難度が高いので、そういった部分があまり芳しくない評価に繋がっているのかもしれない。
この癖の強いドリフトのコツを飲み込んでしまえば、程々に遊べるB級レースゲーム。
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