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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【CONTROL】複雑な糸玉

   ↑  2021/07/01 (木)  カテゴリー: XBOX ONE
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『Control』は糸玉のようなゲームだ。
それも一本ではない。何本もの糸が複雑に絡み合ったような玉。
Remedyの前作『Quantum Break』でも重要な役を演じていたコートニー・ホープの身体を借りたプレイヤーは、なんの前提もなしにいきなりこのぐちゃぐちゃに入り組んだ玉の前に放り出されることになる。
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このゲームで何気ない日常の風景が垣間見えるのは冒頭のほんの一瞬だ。
ビルの前を通り過ぎる人々。ごくありふれた街の景色。そんな情景も束の間に、連邦捜査局、通称オールデストハウスと呼ばれる殺風景な官製ビルに足を踏み入れた瞬間、コートニー・ホープ演じる主人公ジェシー・フェイデンは、この何もかもが捻じくれまくった密閉空間の永遠の囚われ人となる。
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入庁早々ジェシーを取り巻くのは、奇妙な人物、奇妙な固有名詞、そして奇妙な事象の数々。
ジェシーはともかくとして、ことのバックグラウンドを何一つ理解していないプレイヤーにとっては、まるでFラン大学生がハーバードの講義にいきなり放り込まれたような状態である。
それに『Control』には、『Alan Wake』の遅筆の作家が休養先で怪異に巻き込まれるや、『Quantum Break』の旧友を訪ねたらそこにはタイムマシンと底知れない陰謀が待っていたなんて、ある程度わかりやすい導入もない。
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唯一プレイヤーに明快さをもって付き従ってくれるのは、シンプルなサードパーソンシューティングをベースとしたキャラクターのアクションだ。
ただこのシューティング要素。銃のタイプや特殊能力によるアクセントが加えられているとはいえ、敵の出現パターンやバランスなどが単調でシステム的にもコクが欠けていて、やはりTPSの体裁をとっていたRemedyの過去作と比べても淡白な印象がある。
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困った点といえばマップ構成もそれで、管理局の建物内だけに限定されたシチュエーションは意図的なものではあろうけど、最初から最後までブルータルなデザインのステージが連続するのは、やはり変化に乏しくて食傷気味になってしまう。
上下や繋がりが複雑に入り組んだ建物の構造も、ただでさえ難解な設定に取っ付きの悪さをさらに加えてしまっているだろう。
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そんなちっともフレンドリーじゃない、そしてそれをあえて志向したこのゲームに於いて妙味となるのは、ゲーム内に散らばる大量のファイルやマルチメディア、そしてジェシーと関わる人々を通じで、もつれにもつれた巨大な糸玉を少しずつほぐして回る部分だ。
最初は曖昧模糊としてまるで要領を得なかったストーリーが、徐々に形を帯びてゆく。
それはSCP財団からの影響も明白だが、それ以上にはっきりと浮かび上がるのは、やはりRemedyの旧作だ。
後半に進むにつれて『Alan Wake』の影がどんどんと強まり、そして同作に登場していたヘヴィメタルバンドOld Gods Of Asgardのナンバーが鳴り響くシーンに至ると、『Control』は事実上の『Alan Wake 2』であることを高らかに宣言する。
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そして『Alan Wake』同様に、糸玉は玉虫色の糸をある程度あらわにしながらも完全にほつれることはなく、様々な事象の意味や解釈はプレイヤーの手元に放り投げられたまま不鮮明に終わる。これまたお馴染みのRemedyの流儀だ。
「私たちがこのすべてを理解する日は永遠に訪れない」
劇中のジェシーのセリフだが、それを理解しながらもオレは解いても解いても底を見せない糸玉をほぐし続けるのだ。
『Control 2』あるいは『Alan Wake 3』が出たとしても、おそらくずっと同様に。

*関連記事
【Alan Wake】静と動のコントラスト
【Quantum Break】クォンタムブレイク

この記事に含まれるtag : TPS 

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2021/07/01 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Maneater】マンイーター

   ↑  2021/07/05 (月)  カテゴリー: XBOX
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シャークスプロイテーションなんて言葉があるのかどうかは知らないが、動物パニック映画の始祖となった(それ以前に「ヒッチコックの鳥」や「黒い絨毯」なんてのもあったりはしたが)名作「ジョーズ」からわずか数年後には、「ジョーズ3-D」なんてキワモノに早々と至っていたことから考えると、サメ映画ってのはハナっから柳の下のドジョウによる悪ノリの繰り返しを宿命づけられていたジャンルなのだろう。
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とにかく巨大化なんてのは当たり前。頭が2つになるわ、竜巻に乗って飛んでくるわ、ゾンビになるわ、霊体になるわ、タコと一体化するわと、もう思いつく限りやりたい放題の惨状となり、可哀想なことに「オープン・ウォーター」や「ロスト・バケーション」といった比較的マジメな映画までそれに巻き込まれて、いまや一大ジャンルを形成しているサメ映画。
この人食いザメが主人公のアクションアドベンチャーも、そんなブームの流れがなければ生まれてこなかったようなゲームであろう。
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もっともサメのアクションアドベンチャーは、映画「ジョーズ」のシネマゲームである『Jaws Unleashed』が既にあり、決して目新しいコンセプトではない。
しかし日本版は未発売に終わり、一部の洋ゲー好事家間の話題だけに留まっていた『Jaws Unleashed』から15年の時が過ぎ、アホみたいに増殖し認知度も広がったサメ映画も相まって、サメゲームがよりマスに広がる土壌はしっかり形成されていた。
その中で満を持して登場してきた人食いザメゲーム、その名もズバリ『Maneater』。さあ、間抜けで鈍くさい人間どもを、食って食って食いまくってやれ!
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なんて意気込みもゲームの序盤で早々と壁にぶち当たる。
どんな世界も最初は下積みからコツコツと。サメの場合も決してそれは例外ではなかった。
チュートリアルでバシバシ暴れ回っていた大ザメの狼藉も束の間。本編が始まるとプレイアブルキャラクターとなるのは、その大ザメから生まれた小ザメ。
親の仇であるシャークハンターから逃れて湿地帯に来たはいいが(「なんでサメが淡水で生きられるの?」なんて野暮なツッコミを駆逐したのは、濫造サメ映画の数少ない功績であろう)、まだ身体が小さいうちはサメと言えど食物連鎖ピラミッドのせいぜい中堅がいいところだ。
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それどころかアリゲーターあたりにはビクビクしなきゃならない。
ハンドバッグのくせしやがって。オレ、サメなのに畜生!
それでも耐え忍んでナマズやカメを貪り食ったり栄養の溜まり場を見つけたりして身体が大きくなれば、食物連鎖ピラミッドもいっきに駆け上がってゆく。
同じ肉食魚相手に芋を引くこともない。パイクやバラクーダなんて雑魚は言うに及ばない。
アオザメなんてその名の通り青い奴らだし、シュモクザメなんかは見掛け倒しもいいとこだ。
そして「ジョーズ」の主人公でもあったホオジロザメ。メガシャークに進化しちまえばこいつらだって何てことはない。
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唯一厄介なのは終盤以降に登場するシャチだが、考えてみればこいつらは「ジョーズ」の柳の下を狙ってSPACロマンを標榜してきた旧敵だ。面子にかけて負けられねえ!
それでもやはり一番の敵となるのは人間。一人ひとりは海に引きずり込んでしまえば単なるエサだが、やけに射程の長い銛や銃器、さらにはダイナマイトなんかで武装して、それより何より漁師やらサメハンターやら沿岸警備隊やらと、とにかくしつこく後から後から湧いてきやがる。
まあ面倒くさい相手だからこそ、船を叩き壊して虚しく海中で足掻いてるときの食べ甲斐が一層増すもんだが。
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今どきのネイチャー系ドキュメンタリー番組の体裁を借りたストーリ進行もゲームのコンセプトに収まりがよく、「ジョーズ」のクイント船長を想起させるシャークハンター、スケイリー・ピートとの二重の復讐譚も、これまた程よいアクセントになっている。
賛否が分かれるのはオープンワールドシステムのゲームとしてはかなりタイトなボリュームだが、良くも悪くも人食いザメのコンセプト一発勝負の作品なだけに、この短さでさっさと切り上げたのはベストの選択ではないだろうか。

この記事に含まれるtag : オープンワールド 

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2021/07/05 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Pinball FX3】Universal Classics Pinball

   ↑  2021/07/08 (木)  カテゴリー: XBOX ONE
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プロアマ、映像画像を問わず、人はどうしても海というものはつい美しく撮ってしまいたくなるものだ。
しかし現実の海は決してインスタ映えするような風景ばかりではない。むしろそうじゃないものの方が多かったりする。
1975年の映画「ジョーズ」は言わずとしれた大傑作だが、あの作品でスピルバーグが凄かったのは海を美化して撮らなかったことだ。
濁った水、むせ返りそうな潮の匂い、殺風景な漁具、華のないおっさんたち。そんなちっとも見栄えの良くない諸々を敷き詰めて、スピルバーグは生々しくも無慈悲な海の現実を観客に突きつけた。
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アミューズメント施設に置かれることが前提なピンボールは、基本的にけばけばしいビジュアルを求められる。
そうじゃないのが許されるのは、それがビデオゲームの中のピンボールである場合だ。
『Pinball FX3』のアドオン『Universal Classics Pinball』は、ユニバーサル映画の名作「E.T.」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」そして「ジョーズ」の三作品をモチーフにした台を収録した、言わばピンボール版USJ。
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その中でも特異な輝きを放っているのは「ジョーズ」。
比較的オーソドックスな他の二つのデザインに対して、「ジョーズ」台のそれは殺風景もいいところだ。
薄汚れた甲板に鉄の檻、ブイに簡素なレーダー、そして船首で睨みをきかすクイント船長。
そこにはピンボール台の綺羅びやかさはほとんどない。そして「ジョーズ」という映画の本質を捉えたら、この無粋さは極めて正しいビジュアルデザインと言えるかもしれない。
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『Pinball FX3』の他のキャラクター版権台のように、ムービングフィギュア化されたホオジロザメがフィールドを大暴れするような内容にすることも充分あり得ただろうが、この台はその辺もしっかり抑制されている。
ゲーム中の大半を占めるのは、時折背びれを覗かせる以外は姿を見せないサメを待つひたすら不穏なひととき。
そして静かささえ漂わせるこの物々しい時間とクイント船長の名セリフの数々を、実に絶妙にピンボールのイベントに落とし込んでいるのだ。
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夜間モードや台が不安定に傾いてボールの軌道を狂わせる船揺れモードなど、ビデオピンボールならではのイベントの数々もプレイの単調さを防ぐいいアクセントとなっている。
そしてこのブルータルなフィールドデザインやイベントがあるからこそ、盤面の一番奥に輝く水平線に没する夕日の美しさがより一層映えるのだ。
『Universal Classics』の中でも抜きん出ているのは、やはりこのピンボールらしからぬ殺風景さを前面に押し出した「ジョーズ」台だと思う。

この記事に含まれるtag : シネマゲーム ピンボール 

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2021/07/08 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Donut County】ドーナツカウンティ

   ↑  2021/07/23 (金)  カテゴリー: XBOX ONE
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暇人はすぐドーナツの穴に哲学を追求したりするが、健全な甘いもの好きはそんなムダなことを考えたりせず、ただ目の前のドーナツを貪り食うだけだ。
ましてやオレのような意地汚い甘党は、常日頃から「ミスタードーナツがうちの隣に移転してこねえかなあ」と、しょうもないことを願っていたりして、そんな人間に"ドーナツのデリバリー"なんてサービスは、リビドーだけで構成されているような男子中学生の前に鈴村あいりをぶら下げるようなもんである。
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しかしそのデリバリー業を営むのが、アライグマという何を考えているのか分からないような動物だったら話はこじれてくる。
ただでさえ意地汚く行動が読めない生き物だ。おまけに趣味はゴミ集めときている。もうこれだけで近所に住んでいたら危険人物警報のロイヤルストレートフラッシュ状態だ。
そして案の定こいつのドーナツデリバリーは、その穴だけが依頼主の元にアプリによって配達され、ゴミのみならず家財道具や家、そして依頼主本人をも、その穴の中に次々と飲み込んでゆくのであった。
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雪だるま式にモノや人をどんどん巻き込んでいって、やがては宇宙をも取り込む巨大な大玉を作り上げる。
ナムコの『塊魂』は、そんなシンプルなワンアイディアを名作にまで昇華させたクラシックタイトルだが、『Donut County』はその『塊魂』のささやかなオマージュのような一作。
ステージの地面を動き回るのは、最初はテニスボールの一個もやっとのような小さな穴だが、物を飲み込むにつれてその穴は少しずつ大きくなり、やがては家ひとつを陥れるまでに巨大化する。
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ちなみにその穴に日曜哲学者がこだわるようなドーナツの穴的深い意味があるわけじゃない。
穴に物を落としてゆく。そのゲームコンセプトがまず最初にあったからだ。
ドーナツにしてみれば自分にとってはさして重要ではない穴の存在を、勝手に哲学にされるのと同様に迷惑極まりない話である。
ただモノや人がどんどんダマになって、転がせば転がすほどビジュアル的に面白くなる『塊魂』と違って、こちらは穴が少しずつ大きくなるだけ。
ビジュアル的にはどうしても地味で、このゲームの見た目にすぐ『塊魂』を連想してしまう人にとっては、そこがどうしても物足りなく感じるだろう。
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それを補うのがワンステージのキリの良い短さと、そのテンポの良さに巧くマッチした、999フィート下方の穴の底で毎回繰り広げられる、ダウナーなコントのような幕間劇。
UIデザインやアコースティックギターのインストゥルメンタル主体のBGMなども含めて、ちょっと矛盾した言い方になるけど"緩さを研ぎ澄ませた"かのような独特のセンスが光るインディー産の愛すべき小品である。

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2021/07/23 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Donuts'n'Justice】ドーナツンジャスティス

   ↑  2021/07/25 (日)  カテゴリー: XBOX ONE
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ドーナツとアメリカンコップは切っても切れない関係だ。
ポリスモノのドラマやハリウッド映画を観ていると、向こうの警官は三度の飯をドーナツと熱いコーヒーで済ませているなんて誤った認識が生まれてきそうだが、まあ高カロリーのドーナツとカフェインたっぷりの組み合わせは、警察の激務にアジャストした食べ物だし、夜勤のパトロールなんかでは24時間空いているドーナツショップは重宝するなんて事情もあるのだろう。
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そんなアメリカンコップとドーナツのベタな蜜月イメージをそのままタイトルに頂いたのが、スロバキアのインディーゲーム制作者の手によるこの『Donuts'n'Justice』。
とは言ってもプレイアブルキャラとなる二人の刑事、リッグスとゴードンは高そうなホワイトスーツを着たスカした風体。
元ネタは80年代に一斉を風靡したバディものの刑事ドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」だ。
「マイアミ・バイス」はブランドスーツを着込んで高級スポーツカーを乗り回す、警官らしくないキャラクター像が売りだった作品だが、故に作中で警官モノではベタネタのドーナツが絡むことは、あんまり記憶になかったりする。
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この時点ですでに非常にざっくりとした雑さ加減が見え隠れしてるが、ゲーム内容もそれに違わずざっくりとアバウト。
ピクセルドットビジュアルの80年代アーケード風横スクロールシューティング。
Bボタンで右側(進行方向)、Aボタンで左側に撃ち分け、Xボタンでクソの役にも立たないグレネードを投擲するシンプル操作。
ドーナツの存在は? それはみんなが予想する通り単なるライフ回復アイテムで、それ以上でも以下でもない。
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全体のボリュームも短めなステージが4つ+ボーナスステージ1、そしてボス戦と非常にタイト。
マイアミ・バイスもドーナツの存在も80年代風のフィーチャーも通り一遍で、個人制作の小品であることを差し引いても物足りなさが残る(ドーナツらしからぬ)薄味な印象のゲームでした。

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2021/07/25 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |