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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【The Dark Pictures Anthology: Man of Medan】マン・オブ・メダン

   ↑  2020/12/16 (水)  カテゴリー: XBOX
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エンターテイメントとしてのホラーはアンソロジーによってその地盤を固めた。
……なんて能書きよりも、本作のエクストラには様々な媒体のホラーアンソロジーを案内したムービーが収録されているので、そっちを御覧いただいたほうが話が早い。
とにかく古今東西、小説、映画、TVドラマ、ラジオ、コミックと、あらゆるメディアで綴られてきた恐怖のショートストーリー群。
中でも、もっともオムニバス感を思わせるのは、意味ありげな人物が各話ごとに解説や講釈をのたまいながらホストを務めるフォーマットだ。
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わかりやすく言うと「世にも奇妙な物語」のタモリ。そして大もとを辿るとホラーアンソロジーTVドラマの金字塔「トワイライト・ゾーン」のロッド・サーリング。
ゲームではかなりマイナーだがPSの『ダークテイルズ』という作品が、このスタイルを貫いていたし、名作『Alan Wake』と外伝も、「トワイライト・ゾーン」風の架空TVドラマが劇中で大きな役割を果たしていた。
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そして連作ホラーADVのスタイルをとる『The Dark Pictures Anthology』も、キュレーターと名乗る怪人物によって進行する、王道の「トワイライト・ゾーン」スタイル。
本作『The Dark Pictures: Man of Medan(マン・オブ・メダン)』は、その第一話。
ベースとなったのは今も伝わる海洋奇譚。太平洋戦争終結後間もなくしてインドネシア沖にて生存者不在で見つかったとされる幽霊船オーラン・メダン号の都市伝説だ。
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そのメダン号をモチーフした沈船と積まれていたとされる財宝を探しにやって来た、お気楽極楽な4人の若者。
彼らとチャーター船の船長は、なんだかんだのわけあって、未だ沈まず幽霊船となって海を漂っていたメダン号に、まるで吸い寄せられたかのように遭遇するのであった。
この『Man of Medan』は、脚本からキャラクターや場面の演出に至るまで、完全に映像ドラマに準拠した造りになっている。
キャラクターのモデリングや動きも実際の役者の演技を取り込んでCG化したもの。
細やかな所作や表情の演技などは、もう実写と見紛うかくらい丁寧に再現されており、それによって進行するムービーは、もう完全にドラマクオリティでダレ場がなく目が離せない。
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なまじムービーが凝っていると、インタラクティブに操作できる部分との差異がつい気になってしまうものだけど、本作の場合はその繋ぎも非常に巧みで澱みがない。
ストーリーの分岐となる選択肢的な箇所も、キャラクターの何気ない受け答えによって変わる性格に基づいたコンパスで、極めてファジーに変化するシステムになっていて(パートによってはダイレクトな選択を要求されることもある)、ゲーム的なお約束の闖入によってドラマの興が削がれることを極力抑えようとしているのが、このゲームの大きな特徴だ。
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ただその本格的なドラマ志向や分岐点を曖昧にした造りが、ゲーム的なリプレイ性に対して妨げになっていることもまた確かだ。
そして一周のプレイ時間こそ1時間ドラマ並みのタイトさではあるけれど、価格や30ギガバイト近い容量は完全にA級ゲーム準拠で、開発側の思惑とは裏腹にこちらはあまり「アンソロジーの中の一編」という感覚はイマイチ乏しいのであった。
連作を予定している『The Dark Pictures Anthology』。現在はこの『Man of Medan』の他に、第二話となる『Little Hope』が今月に発売されている。

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2020/12/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【古伝降霊術 百物語 ~ほんとにあった怖い話~】

   ↑  2020/12/18 (金)  カテゴリー: セガサターン
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いわゆる実話怪談ものが書店の一角を賑わせる日本は、世界でもまれに見るホラーアンソロジー大国だ。
そのジャパニーズ実話怪談もルーツを辿れば「伽婢子」や「耳袋」など江戸時代の文学にまで遡れるわけだが、さらにそれらに影響を与えたものとして、百物語に代表される口述伝承の怪談アンソロジーを忘れてはならない。
参加者が持ち回りで怪異譚を披露しては蝋燭の炎を消し、百話すべて語られるとその場に物の怪が現れるという例のアレである。
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百物語もその起源は遥か中世にまで及ぶらしいが、脈々と伝えられてきたその形式が、話の内容にその時代時代のトレンドはあるにせよ、百本の蝋燭を始めとする基本的なスタイルをほぼそのまま保たれてきた。
稲川淳二に「新耳袋」など現代の実話怪談は、みなこの百物語の末裔みたいものだが、それが頼みもしないのに伝統的な形式に忠実なままゲーム機にやって来た。
時は稲川怪談が定番の商品になっていた1990年代、最初に発売された『百物語 ~ほんとにあった怖い話~』はPCエンジンより。
そして次世代機で演出から何からパワーアップした続編がこの1997年発売のセガサターンソフト『古伝降霊術 百物語 ~ほんとにあった怖い話~』だ。
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百物語にはハッタリというか勿体ぶった雰囲気作りが必須であるが、このソフトもその点は抜かりがない。
まずパケ裏に書かれているのは「注意 遊び半分でこのソフトをプレイしないでください」の一文。
果たして遊び半分以外にこれをプレイする動機があるのだろうか?と首をひねりたくもなるが、しかしここは忠告を素直に受け取って気を引き締めるのが正解だろう。
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ソフトを起動させるといきなり出てくるのが、いかなる心霊現象が起こってもハドソンは一切責任を負わないからこれにサインしろの旨が記された警告文。
この後に続く誓約書にチェックを強いられるのだが、ぶっちゃけ最近のゲームによくある、長々スクロールさせられる誰も読まない長文の中に、とんでもない一文が紛れ込んでる使用許諾書の方が、よっぽど怖いような気もするが、まぁそれは置いといて。
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百物語本編が始まるまでのハッタリ前フリはまだまだ続く。
曰く、自然界の力に守ってもらうために、その場に水やら土やらを用意しろ。そして御札をソフトのケースに貼り付けて云々……。
御札!? そんな物があったかと探してみしてみたら、取扱説明書の最初のページに切り取り線の文字と共に「悪霊退散御札」の文字が。
もちろんペラペラでテカテカのコート紙に印刷されただけのシロモノである。とても霊験のかけらも望めそうもない。
こんなとってつけたような自称御札に霊障からの身の安全を託してホントに大丈夫なんだろうか?
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そしてようやく始まる百物語は、分岐のないサウンドノベル形式の怪談をメインに、実写ムービーが挿入されるタイプ、稲川淳二の語り、簡易3Dアドベンチャー、文字が反転されていちいち鏡で読まなければならないパート、サターンの内蔵時計の時刻によって変化するモードなど、なにしろ百話ちょっとあるからバリエーションだけはとても豊富だ。
しかしこのソフトは「新耳袋」の登場により実話怪談のクオリティがとてつもなく跳ね上がる以前の発売。
肝心の怪談各話がベタで通俗的というか、脚色不足で素材をそのまんま出しているものがほとんどで、器に比べてとたんにトーンダウンしてしまうのだが、まぁそれも百物語的と言ってしまえばそうなのかもしれない。


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2020/12/18 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【クラックス】繁忙期の心象風景

   ↑  2020/12/22 (火)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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「ある日、地平線の彼方から色とりどりのタイルがなだれを打って転がってきたらどうしますか!?」
パッケージ裏の紹介文は、そう色をなして訴えかけてくるが、すいません、オレはそんな抽象的なシチュエーションをパッと頭の中に思い描けるほど、想像力豊かな人間ではありません。
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そんなこちらの煮え切らない態度に業を煮やしたかのように、目の前に具体化するそのビジュアル。
パースのついた奥行きのある画面の向こうから、パタンパタンと音を立ててこちらに転がってくるカラフルで無機質なタイル。
『テトリス』の大ヒット以降、世には似たようなパズルゲームが溢れたが、アタリの『KLAX(クラックス)』は雨後の筍の中にあって、落ちモノというプラットフォームからあっさりと無自覚に逸脱し、一種独特の存在感を放っていた作品。
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次から次へと無表情で押し寄せてくる事案を、わずかなエリアの中に効率よく押し込んで処理しなければならない。
処理スペースのリソースの小ささが、否応なしに実際の仕事とそれに対するおのれのキャパシティを連想させる。
落ちモノパズルというのは、どれも現実とは隔絶した独自の小宇宙世界を構築しているのが特徴だが、『KLAX』のそれは、まるでデッドライン間近の仕事がテンパって、にっちもさっちも行かなくなったときの心象風景みたいで妙に現実的だ。
特に師走のこの忙しい時期は、パドル上のリソースがもう一杯になっているのに、後から後からタイルが無情に押し寄せてきてる『KLAX』の場面を、つい悪い夢に見たりして、寝汗びっしょりで起き上がり、そのまま「探さないで下さい」と書き置きを残して失踪したくなってくる。
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オリジナルのアーケード版に端を発し、アタリ2600やMSX、コモドールにスペクトラム、ファミコンにアタリST、各種携帯機にセガマスターシステムと、もうありとあらゆるハードに景気よく移植された『KLAX』だが、それぞれの内容も、なんとか系ラーメンの派生みたいに、移植先ごとに微妙に異なっていたりする。
また移植版のリリース元がまちまちだったりするのも特徴の一つで、日本で出たバージョンでは、ファミコン版がハドソンから、PCエンジン版は本流のテンゲン、そしてもっともテンゲン版が出て当たり前の印象があるメガドライブで出しているのは何故かナムコであった。
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このナムコ発メガドラ版『KLAX』。オリジナルにあった、やはりお仕事感を強烈に感じさせる気のない拍手が削られているなど、マイナスポイントも多いのだが、メガドラパッドの斜め入力暴走によって思わぬ形で発動してしまうタイル弾き飛ばしが、「あ、そんなつもりじゃなかったのに!」という、仕事に追い詰められた末ののっぴきならないミスをケガの功名的に連想させて、これまた切羽詰まった心理状態を強烈にイメージさせるのだ。

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2020/12/22 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【BATTLEBORN】さよならバトルボーン

   ↑  2020/12/29 (火)  カテゴリー: XBOX ONE
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2020年も残すところあと数日になって、商業個人問わずあちこちのサイトでGOTY的な記事が盛んだが、個人的に総括するとやっぱり2020年を代表するゲームは『バトルボーン』ですね。
なんてことを言うとあちこちから「なにワケの分からねえこと言ってんだ!」「4年も昔のゲームじゃねえか!」「お前まだやっていたのか!」なんて声が飛んできそうな気もするが、シャッチュアマウス! 4年前からずっと継続してやってりゃ充分今年のゲームなんだよ!
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『バトルボーン』は『Borderlands』でお馴染みGearbox社が放ったMOBAとFPSを折衷したマルチプレイシューター。
なんかしたり顔で「同時期に出た『オーバーウォッチ』の影に埋もれちゃいましたね」なんてのたまう奴も出てきそうだが、シャッチュアファッキンマウス! お前の間抜けな目だと埋もれてるように見えるだけなんだよ!
その二つは似ているようでまったく異なるゲーム。
スポーツライクなシューターに近い『オーバーウォッチ』に対して、『バトルボーン』はよりMOBAの要素を強めた戦略的な展開を妙とする。
シチュエーションやキャラ特性を熟知すればするほど深みを増してゆく、スルメのように奥深いゲームなのだ。
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この4年間もっとも時間を割いてプレイしていたゲームは、他でもない『バトルボーン』だった。
このゲームのメインである侵入モードの1回のプレイ時間は30分。決してサクサク回せるようなボリュームではない。
しかしマルチプレイゲームとしては明らかに長尺な30分は、常に様々なドラマに満ち溢れた濃厚なひとときであった。
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個性豊かな30のキャラのうちから1人を選択し、敵陣めがけて推し進むミニオンと呼ばれるBOTキャラの群れを自軍のプレイヤーと共に援護する。
この主目的を忘れてしまったがために、相手チームをばしばし殺しまくっているにも関わらず押し負けるチームを何度見てきたことか。
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しかし何よりも『バトルボーン』の最大の魅力は、『Borderlands』で培われたGearboxのセンスがふんだんに盛り込まれた、一筋縄ではいかないキャラクターだ。
"ヒーローシューター"という名乗りのくせして、およそステロタイプなヒーロー像とは真逆な30人のバッドアスたち。
それぞれに立ち過ぎたパーソナリティは個々の戦術特性、ひいてはゲーム性に繋がっていて、全キャラまんべんなく遊びこみたいと思わせてくれた。
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何より出撃するキャラクターごとに、マッチの面白さのポイントはがらりと変わってくる。
カルダリアスで出撃したときとクリースで出撃したとき、例え同じマップでも目に入る戦場の風景は大きく違って見えたものだった。
ああ、もうオレはあの30人のバッドアスたちが全員愛おしくて堪らない。
戦場でいかにバッドアスのパーソナリティに準じた立ち回りや振る舞いをするかは、このゲームにおける大きな命題であった。
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"プロレスバカ"エル・ドラゴンで出撃したときは、敵の群れの中にラリアットで突っ込む無謀にあえて走り、"高火力のキチ●イ"な厄ネタキャラ、オレンディではエキセントリックな行動を心がけた。
"クソ鳥"ことベネディクトでは、あの心底ムカつく挑発アクションを、いかにここぞというタイミングで出すかに腐心したし、戦いの最前線で常に盾を手にどっしりと居座っていたのはボールダーだ。
トビー、アラーニ、ソーン、キッド・ウルトラ、フィービー、ISIC、モンタナ、マルキ、レイナ、アティカス、ペンドルス、デアンド、ガレリア、ミコ、ベアトリクス、アーネスト、ガルト、ウィスキー、ラース、ケルビン、シェイン&オーロックス、メルカ、オスカー・マイク、それぞれのキャラクターの魅力と戦場での思い出を語っていたら、もうキリがない。
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このまま30人のキャラを全員レベルカンストまで遊び込んだら、オレの中で『バトルボーン』は終わってしまうのではないか。
そんな不安に駆られることもあったが、さすがに全キャラカンストは遥か遠い話だった。
その代わりに終わりは別の形でやって来た。
Gearboxが『バトルボーン』のサーバー完全終了をアナウンスしたのは、去年の年末あたりであっただろうか。
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サーバーが閉じればオフラインでもこのゲームは一切遊べなくなる。その時『バトルボーン』は完全に終わりを迎える。
最後の時までの猶予は約1年。2021年の1月25日がその最終期限だ。
様々なオンラインゲームが誕生してはあっという間に終わりを迎える昨今のペースからしたら、『バトルボーン』の4年という月日は充分すぎるくらいの時間だったかもしれない。
そして最後に1年というたっぷりとした猶予を与えてくれたことは、Gearboxに大いに感謝すべきだろう。
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この1年、悔いが残らないようにたっぷりとプレイできた。もちろん一抹の寂しさはあるが、ここまで遊びきったと言い切れるゲームはそうそう他にはない。
ありがとうGearbox、そしてありがとう愛しいバッドアスたち。終わりの日まで1ヶ月を切ってしまったが、ギリギリまでとことん遊び倒してやるぜ。

この記事に含まれるtag : バトルボーン 

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2020/12/29 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |