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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Forza Horizon 4】オレだってボンドカーだぜ

   ↑  2019/12/04 (水)  カテゴリー: XBOX ONE
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MI6からジェームズ・ボンドに貸与された様々な特殊装備を搭載したクルマ。ボンドカーの定義はこんなところになるのだろう。
しかし世の中、狭義があれば広義もある。中にはボンド自身がハンドルを握ってもいないのにボンドカーと呼ばれたりする、トヨタ2000GTのような事例もあるのだ。
どんな事情にせよボンドが運転すれば、それは他人のクルマでもボンドカー。それはそれで立派な定義である。
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ズラリ10台のボンドカーを揃えた『Forza Horizon 4』の拡張カーパック、『Best of Bondカーパック』にも、そんな「MI6経由ではない」ボンドカーも登場する。
ジェームズ・ボンドを演じる俳優としては3代目となったのがロジャー・ムーア。
その飄々としたたたずまいは、どこかジェームズ・ボンド自身がボンドのパロディを演じているような趣すらあり(後年ムーアは『キャノンボール』で、自分をボンドと思い込んでるあんぽんたんな役どころをやっていたりする)、またその出演作はどれも荒唐無稽なスパイ活劇路線を極めていたこともあったりして、その作品評価はあんまり高くない。
近年のダニエル・クレイグによる007映画を見慣れた人間にとっては噴飯ものにしか見えないかもしれないムーア007だけど、いいや、スパイ映画が荒唐無稽でバカバカしくってなにが悪い。
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007映画の第9作目『007 黄金銃を持つ男』は、世間的にはシリーズ作の中でも駄作扱いを受けている作品だが、オレはこの映画をけなすやつとは絶対に一緒に旨い酒を飲めないだろう。いや、まあオレそもそもアルコール飲めないけど。
ボンド最強のライバルとして立ちはだかる黄金銃の殺し屋スカラマンガ(演じるのはクリストファー・リー!)、殺人アミューズメントパークと化しているそのアジト、シリーズ史上もっとも観る者をイライラさせるボンドガール、突如始まる底抜けカンフー合戦(それにへっぴり腰で対応するムーア007)、そしてなによりもスカラマンガの邪悪な従者、小男のニック・ナック!
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執事としてのの仕事から荒事までなんでもそつなくこなし、スカラマンガに忠実ながらもその死を願う不思議な存在。
ああ、うちにもニック・ナックが一人欲しい。彼がいればどんなに便利で癒やされることだろう。
そして「黄金銃を持つ男」に登場するボンドカーがAMCホーネットX。
ラグジュアリーを極めたボンドカー歴代において異色のバリバリ大衆車。もちろん特殊装備なんかついていやしない。
ボンドの趣味からおよそ対極にあるようなクルマだが、スカラマンガとニック・ナックを追うときに、そこらのディーラー店頭から無理やり徴用した経緯から、ボンドもまあ背に腹は代えられなかったのだろう。
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しかしこのホーネットが頑張った。
なんせ70年代映画のカーチェイスには、近年のCGをふんだんに使ったそれにはない生の面白さが満ち溢れている。
「黄金銃を持つ男」のカーチェイスも例外ではなく、スタントドライバーの腕一丁にかかった混じりっけなしのカースタントの白眉となるのは、河を飛び越える錐揉み大ジャンプ。
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その地味さから時にはボンドカーのカテゴリから漏れることすらあるAMCホーネット。しかし数ある候補を差し置いてこのクルマをカーパックのラインナップに加えた(まあゴジラゲームにおけるジェットジャガーみたいなポジションかもしれないが)担当者とは、「あんた分かってるよ! 黄金銃を持つ男最高!」と一緒に旨い酒が飲めそうである。いや、まあオレそもそもアルコール飲めないけど。

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2019/12/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Forza Horizon 4】ボンドとシトロエン

   ↑  2019/12/06 (金)  カテゴリー: XBOX ONE
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1973年の「007 死ぬのは奴らだ」から1985年の「007 美しき獲物たち」まで、足かけ12年にも渡ったロジャー・ムーアの007映画は全部で7作。
その中でベストを選ぶとすれば、オレが推したいのはキャリアの真ん中に作られた「007 ユア・アイズ・オンリー」だ。
イアン・フレミングの原作から短編を寄せ集めた構成が逆に幸いして、シチュエーションを変えたアクションがオムニバス的に並んだ流れが実に小気味よく、黒髪ロングのボンドガール、キャロル・ブーケの毅然とした美しさは絶品で、シーナ・イーストンの主題歌も印象深い。
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冒頭のヘリコプタースタントに始まり、スペインのオリーブ畑でのカーチェイス、スキーにジャンプ、アイスホッケーと007版冬季オリンピック大会と化した北イタリア、海洋アクションてんこ盛りのギリシャ、そしてフィナーレは断崖絶壁にあるメテオラ修道院での決死のロッククライミング。
冷静に思い返すとキャロル・ブーケ以外はアクションシーンしか記憶に残っていない気もするが、そのアクションがどれもクオリティ抜群なのだからしょうがない。
悪役が弱いのがこの映画の欠点といえば欠点だが、トータルな出来栄えの前では些細なことだろう。
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ショーン・コネリーのアストンマーチンDB5に対して、ロジャー・ムーア版007を代表するボンドカーと言えばロータス・エスプリ。
「ユア・アイズ・オンリー」にもエスプリは登場するが、最序盤で敵にパクられそうになって自爆してしまい、見せ場らしい見せ場はあんまりない。
それに代わって「ユア・アイズ・オンリー」でカーアクションを担当するのがシトロエン2CV。
「黄金銃を持つ男」のAMCホーネットと同様、現地でボンドが突発的に運転した広義の意味でのボンドカーだ。
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もちろん現地徴用車だからして特殊装備の類なんかは一切ついていない。
それどころかもとを正せば1940年代生まれの農民向け大衆車。馬力すらろくにありゃしない。
これまたホーネット同様に、ハンドルを握らざるをえなかったボンドとしては忸怩たる思いがあっただろうが、しかしこのシトロエンほどカーチェイスがハマるクルマもそうはありゃしない。
スピードが遅いからあっさり敵に追いつかれる。すなわち緊迫なシチュエーションを演出しやすい。
そのくせ頑丈だからぶつかったり転がったりしても問題なく走る。万が一ひっくり返っても現地の人々の手を借りればすぐもとに戻せるし、"ブリキの缶詰"と揶揄されたその特異なデザインは、少々傷がついたり凹んだりしてもむしろ絵になったりする。
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シトロエン2CVのカーアクションといえば「ルパン三世 カリオストロの城」も著名だが、あれはスピード感のデフォルメが少しばかり過剰だ。
やっぱりシトロエンのチェイスは「ユア・アイズ・オンリー」のそれのように、ちょっぴりとろとろして斜面をころころ転がったりする、そのどことなく優雅なフォルムが似合うアクションがいい。
元々がボンドカーという付加価値などなくとも一本立ちできる名車中の名車。
イギリスの田園地帯を道路なんか無視して突っ切る姿が、これほど映えるクルマも他にはないだろう。

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2019/12/06 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【コンフィデンシャル ミッション】アーケードのニセ007

   ↑  2019/12/10 (火)  カテゴリー: ドリームキャスト
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映画「007」シリーズの世界的な大ヒットは、柳の下のドジョウを狙った様々な亜流映画を生み出した。
有名どころでは、ディーン・マーティンのマット・ヘルムものや、ジェームズ・コバーンの「電撃フリント」シリーズ、テレビでは「0011 ナポレオン・ソロ」があったし、マカロニ007とでも言うべき「077 地獄のカクテル」なんてイタリア製のキワモノも存在する。日本にも「100発100中」で宝田明が演じた、アンドリュー星野という和製ジェームズ・ボンドがいたっけね。
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そんな亜流ジェームズ・ボンド、悪く言えばパチモノ007はゲームの世界でもお馴染みだが、その中でも、それっぽさでは群を抜いた存在なのが、2000年にアーケードを舞台に登場した『コンフィデンシャル ミッション』のハワード・ギブソンだ。
黒のタキシードに身を包み、どんな緊迫のシチュエーションでもウィットに富んだユーモアは忘れない、どっからどう見てもJ.Bな彼は、国際的諜報機関、Confidential Mission Forceに所属するエージェント。
その相方となるのは、ボンドガールなんて添え物的な呼称は失礼にあたる、もう一方の主人公とも言えるスーパーモデル級の美貌を兼ね備えた凄腕エージェント、ジーン・クリフォード。
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セガ・アーケードゲームの大きな柱となったガンシューティングゲーム『バーチャコップ』は、後にシリーズ化された『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』と、『コンフィデンシャル ミッション』の二つに枝分かれしたが、『バーチャコップ』のテイストをより強く受け継いでいるのは、この『コンフィデンシャル ミッション』の方。
そのくせ何故かこのセガ・ガンシュー三部作は、作ってるとこがバラバラだったりするのが、ちょっと面白いところだ。
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プレイ感覚は、ほぼ『バーチャコップ』そのまんま。全3ステージの構成も『バーチャコップ』の伝統を、そのまま継承していると言えるだろう。
その3ステージは、古代博物館、スパイものではお馴染みの列車、そして敵の潜水艦基地とバラエティ豊か。
ときおり差し挟まれる粘着弾やロープ銃といったスパイガジェットを使用したミニゲーム風の変則シューティングと、その成否による軽い分岐は、アーケードガンシューとしては、そこそこのバラエティとボリューム感を与えてくれる。
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しかし衆人環視のアーケードで、ガンコントローラー片手に、ショーン・コネリーやロジャー・ムーア気取りのポーズを決めるには、さすがに羞恥心が邪魔をする。
だがその心配も自宅なら一切無用。アーケード版をほぼ完全移植した、このドリームキャスト版『コンフィデンシャル ミッション』ならば、人の目を気にすることなくボンドもどきになりきることができるのだ。
もっとも手にしているドリームキャストガンが、ワルサーPPKどころか、あまりにもオモチャめいた外観なのは、大いに興ざめするところだが。

この記事に含まれるtag : ガンシューティング 

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2019/12/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【パスパルトゥー: アーティストの描いた夢】芸術の効率化

   ↑  2019/12/13 (金)  カテゴリー: Switch
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こんなご時世、なにかを名乗るは非常に簡単だ。
極端な話、Twitterのプロフィール欄に"作家"とか"准教授"と記載するだけで、おのれの立場を称することができる。
しかしなんかやらかしてお上に捕まったとき、その実態は冷徹に問われることになる。
報道で自分の名前のあとに"自称"という文字がつくかつかないか、それを分けるのはその名乗りで実際に生計をきちんと立てているかの事実だけだ。
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オレは画家。なんと言われようと画家。
粗末なガレージにアトリエを構える身ではあるが、そこで描いた絵を道端に並べ販売してご飯を食べている。
世間的には無名かもしれないが、しかしここは芸術の街。路傍の名も知れぬ才能に目を留めて、お金を惜しまず払ってくれる正しきパトロンたちには事欠かない。
簡易お絵かきツールにこれまた簡素な絵の売買システムを加え、それを人形劇風のビジュアルであしらった『パスパルトゥー: アーティストの描いた夢』は、スウェーデンの独立メーカーが送り出した小品。
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アトリエの中のイーゼルをタップすれば、即座に広がるのはお絵かきツール。
ここで重宝するのはSwitchのタッチスクリーンだ。色を選択し筆の太さを調節したら、絵筆と化した指先を白いキャンバスに踊らせて、思うがまま好きな絵を描こう。
ペイントツールとしては必要最小限のものだが、このゲームで肝心なのは職業絵描きの気分を味わうことなのだ。まさかここで本格的な機能を求める人はいないだろう。
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そこで仕上がった作品は、やがてシビアな批評に晒されることになる。
人様が苦労して描きあげた絵を一瞥して、「これはカスに等しいぜ!」と捨て台詞を残して去っていく客。
お前の毛を全部むしって絵筆にしてやろうか! そう言い返したい衝動にも駆られるが、それを打ち消してくれるのは、称賛の言葉と共に作品にお金を払ってくれる目の肥えたお客様たちの存在だ。
ありがとう! あなたたちの正しい審美眼のおかげで、オレは家賃を払えてパンを買って確定申告のときに堂々と画家と名乗れます!
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『パスパルトゥー』の世界は画家を夢見るあらゆる者に優しい。
中学高校での美術の成績が常に1~2だったオレの作品も、この世界では正しく評価してくれる。間違ってたのはあの美術教師どもだ!
ちなみにここで描いた絵をいっぺん試しにTwitterにあげてみたことがあったが、失笑の意味以外の何ものでもない"いいね"がポコポコつくだけだった。
あの絵、ゲームの中では「巧みな芸術品だ!」と絶賛されて50ゴールドで売れたわ。節穴なのはフォロワーの目のほうだ!
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だがそうやって絵を描くことが職業となってくると、やがてひとつの深刻な問題に行き当たる。
人間、好きなことや趣味には情熱や手間暇を惜しまないが、しかし仕事となると途端に手を抜いたり労力を惜しむ性質がある。少なくともオレはそうだ。
最初のうちはそれなりに力を込めて描いていた絵も、やがて何枚目ともなると、もっと楽して稼げないかという邪な気持ちが勝ってくる。
かくしてどんどん手抜きの傾向が強まっていくオレの作品。
いいんだよ、これはアレだよ、その、抽象画ってやつだよ! 美術の中でも高度なもんなんだよ! キュビスムだかシュプレマティスムだか、とにかくそんなの。
ロッテ-広島交流戦のときのマツダズムズムスタジアムの景色を描いたの。芸術だからバカには分かんねえんだよ!
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そんな最低限込めていた意匠すらも、やがて何十枚目ともなると影も形もなくなってくる。
とにかく効率化を優先させて、線を数本引っ張っただけでアトリエに並べられる絵の数々。
それでも称賛と共に売れていく絵があるのだから芸術とは恐ろしい。最初の反応がイマイチな絵は、並べて10秒で即座にゴミ箱に廃棄。そして線を数本描き殴った新作をすぐ補充。うちの絵は回転寿司より新鮮だよ!
しまいにはタイトルをちゃんと付けることすら面倒くさくなって、"あああ"とか"めめめ"とかいい加減な題名のオンパレード。
さあ、オレの最新作、通算10枚目の"あああ"だよ! 「挑発的でショッキングだぜ! 買った!」 毎度ぉ!
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他の人のプレイレビューなんかを読んでみると、みんなけっこうマジメに絵を描いているみたいで、もしかしてこのゲーム、Not for meってやつなんじゃないかと思えてきたりもするが、いいや、たとえ芸術といえど、資本主義社会の中でそれを職業とすれば大切なのは労働効率。
1時間の手間暇かけて描いた絵と10秒で描き殴った絵。同じ値段で売れるなら、そりゃあ進む道は断然後者だろう!
え、もしかしてホントにNot for me? いいんだよ楽しけりゃ!!

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2019/12/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【SIMULACRA】スマホを拾っただけなのに

   ↑  2019/12/16 (月)  カテゴリー: XBOX ONE
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スマホを拾った。
本来なら警察や店舗のカスタマーサービスなんかに届けて、落とし主見つかるといいですねではさようならで解決するところだが、持ち主と思しき女性が尋常ではないシチュエーションに置かれている動画が収録されているとなると話は違ってくる。
いや、それこそ警察行けよとツッコミが入るところだが、しかしスマートフォンは現代社会においてこれ以上はないくらい個人情報の宝庫だ。
女性の行方を探すという大義名分のもとに、ねじくれた好奇心を満たす降って湧いたようなチャンスである。
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スマートフォンの持ち主の名はアナ。
ホーム画面にはセルフポートレイトと共に、メールやブラウザ、フォトギャラリーといった定番のアイコンが並んでいる。
写真やチャットログを覗いてみれば、とりとめのない会話に幸せそうな日常。
しかし彼女は突如謎の失踪を遂げた。その手がかりはスマホに残された一見平穏そうな情報の中に必ず隠されている。
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パスワードのかかったメールボックス。そのヒントは彼女の飼い猫。
ギャラリーを漁ればおそらく猫の写真が。そしてそこにはパスワードに関するヒントの断片が残されているかもしれない。
そしてTwitterのような短文投稿サイト。これにもログインパスワードが必要だ。
試しに"パスワード忘れました"メールを運営に送ってみたら、返ってきたのはお馴染みの本人確認の質問設定だ。"あなたのフェイバリットムービーはなんでしたっけ?"
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さあ困った。こればかりはアナに近しい人物にでも尋ねないと分かりゃしない。
しかしこれは彼女のスマホ。アナの周辺の人物は向こうからアクセスしてくる。親友、ボーイフレンドだと名乗る男、そして出会い系アプリで親しくなったと称する人物。
だけどオレはアナじゃない。この連中それぞれとアナが実際にどんな距離感で付き合っていたのか、果たして信頼していい人間なのか、それどころか氏素性すらも知りはしない(それはあちらにとってもそうだろうが)。
ボーイフレンド。LINEにあたるチャットアプリのアドレスを交換しているところから、親しい関係にあったことは間違いないだろう。
しかしログを遡ってみると、二人は喧嘩してここ最近はアナの方がはっきりと彼を避けている。
ではこの出会い系アプリで親しい会話を交わしている陽気な男の方は? ……そもそも出会い系アプリにいるような調子のいい男だぞ!?
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顔も合わせたことのない彼らと、他人のスマホを経由してなだめたりすかしたりのやり取りを重ね、情報を共有したり一部だけ隠したり。
生活の華やかな一瞬だけを切り取ったギャラリー、本音をぶちまけたチャット、ブラウザの履歴、スマホの中身は虚々実々の闇鍋だ。
その混沌とした情報の山を、なりすましやパスワード推測、フェイク垢と様々なテクニックを駆使して整理し、事の真相に迫っていく。
やがて行き当たるのは、アナの身辺情報を推測することに長けた謎の人物。ストーカーじゃねえか!
だがここでプレイヤーは、自分もまったく同じ穴のムジナである事実に気づいて、なんとも居心地の悪い気持ちが芽生えるのであった。
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スマホの画面のみで完結し、操作もほぼスマホに準拠。
開発元のKAIGAN GAMESは、やはり同コンセプトの『Sara is Missing』を2016年にリリースしているが、『SIMULACRA』はそれをブラッシュアップさせた作品。
スマートフォン越しの人々と共に失踪女性の手がかりを探すストーカー行為は、やがて非現実的な何かに少しずつ侵食される。
その兆しも発動も現れるのはすべてスマホの画面上。スマートフォンと共にやがてプレイヤーもその"何か"に飲み込まれてゆく。
現状では日本語非対応。チャットログやWebサイト、メールなどかなりの量にのぼるテキストに加え、単語を入れ替えての文章作成や英語での入力パートなどハードルはかなり高いかもしれないが、それを乗り越える価値が充分すぎるくらいあるタイトな傑作だ。

この記事に含まれるtag : ホラー ミステリ 実写ゲーム アドベンチャーゲーム 

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2019/12/16 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |