- 【Far Cry 3 Classic Edition】南の島の傍若無人 [2019/07/09]
- 【Kingdom: New Lands】偉大なる初代王 [2019/07/14]
- 【修羅の筆 ~狂気が愛に変わるとき~】 [2019/07/19]
- 【トップガン エース オブ ザ スカイ】なりたいのはトムクル [2019/07/22]
- 【トップガン ファイヤ-・アット・ウィル!】オマエはミラマーに来るな [2019/07/25]
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東南アジアの島国にやってきて傍若無人の振る舞いの挙げ句に現地の海賊にとっ捕まった若者たち。
これっぽっちも同情の余地はなく、もう煮るなり焼くなり売り飛ばすなり好きにしてくださいと海賊の方にお墨付きを与えたくなるような連中だが、その中の一人がプレイヤーの立場っすか? それマジっすか!?
でもまあなっちまったもんはしょうがないとおのれの立場を受け入れたのも束の間、囚われた海賊のアジトから逃げ出して気がついたら腕に針をチクチク刺されてんですけど。
おい、オレは今やスーパー銭湯通いが唯一の楽しみなんだよ。勝手にタトゥー彫ってるんじゃねえよ! 入館断られるだろ!

FarCryシリーズと一口に言っても、その初代とCrytecの手を離れた2以降の正統性ときたら、まったく関係ないわけじゃないんだけど、でも手放しで認めるのもイマイチ躊躇してしまう、なんともビミョーな関係。
だがアフリカ大陸を経て登場したこの『Far Cry 3』は、南の島、意図せずして殺伐とした事態に巻き込まれ、本人の意に反して異能力獲得と、初代『Far Cry』のプロットをなんとなく踏襲している。

そんなわけでタトゥーの力を手に入れて、薄っぺらな若者から南の島のキリングマシーンへとワイルドなジョブチェンジを果たした主人公の名はジェイソン・ブロディ。
パラセールにスノーボード、スカイダイビングと、GoPro連動的な偽りのスリルから、真の緊張と身体から血を振り絞るような快楽への誘い。どことなくジョン・ミリアス臭がぷんぷん漂ってくるようなテーマだ。
強制タトゥーで開き直ったジェイソンが身を染めてゆくのは、Xスポーツの数千倍濃度が高いエクストリームな享楽。すなわち人間狩り&希少動物狩り。
もっとも一山いくらの人間どもと違って、さすがにホワイトタイガーやガラパゴスゾウガメを相手にするときは、こっちも罪の意識がちょっぴり芽生えてくる。
あのー、このスコープの中に映ってる動物って、レッドなんちゃらとかに載ってるやつじゃなかった? 撃ったらマズいんじゃないすか?

だけどそんなに動物さんに気を遣う必要も暇もない。
なにせこのルークアイランドに住まう動物たちは、どいつもこいつも酔っ払った朝青龍以上に短気極まりないときている。
まあトラやクマやワニあたりは、目が異様にシャキッとしたヤクザなみに扱わなきゃなんないことはよく分かる。
だけどワケのわかんねえ鳥までもが、目を合わせるなり問答無用でこっちに突っかかってくるってのは、どういうことよ!?
なんだよこのヒクイドリとかいうやつは!? こんなボンタン狩りヤンキーと変わんないようなメンタリティの鳥、さっさと絶滅させてしまえ!

そしてイヌ。
基本的にゲームに出てくるイヌってのは、どんな殺伐としたシチュエーションの中でも、常にプレイヤーに寄り添う心の友という役割が多い。
しかしこの『Far Cry 3』のイヌどもときたら。やめろよ! こっちに牙むくなよ! お前ら人類の最古の友だったはずじゃなかったのかよ!
仲良くしようとは言わないけど、せめてこっちをそっとしておいてくれ! こんなにイヌの死体の山を築いたゲーム、あんまり他に記憶ないぞ!

まぁ理解し合えない動物さんたちのことは置いといて、ベースとなるのは前作『Far Cry 2』からシステムやレスポンスなどあらゆる面を洗練させた、オープンワールドマンハントシミュレータ。
広大な島の中に満遍なく散らばる攻略ポイント。そりゃあ人狩りの手段も回を重ねるごとに凝っていこうというものだ。
中でもイカすのはやっぱり火炎放射器。もっとも東南アジアの島はアフリカ以上に延焼するものが多い。
調子に乗って炎をぶちまけていたら、あっちこっちに燃え移ってもう野焼きのときに逃げ遅れた人状態。ヘルプミー!
西洋からやって来て殺意の波動に目覚めた若者のFPS型植民地主義。爽快な空と青い海と緑生い茂る野山を舞台にしたFar Cry版「闇の奥」。
GoProを捨てて銃と火炎放射器とマチェットを取れ。悪趣味なジョン・ミリアス主義のアミューズメントパーク、ルーク・アイランドで傍若無人を決め込もう。
*関連記事
【Far Cry 4】王国の委譲
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2019/07/09 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
王にオレはなる。
なんか語感から「海賊王になんたらかんたら」の輩と一緒にされそうだが、あんなアバウトな気分を口に出している奴と一緒にされては困る。
本塁打王、クイズ王、得点王、不動産王、王にも色々いるが、オレがなろうとしているのはそれらの王のすべての根源にあるものだ。
しかも親から王冠を受け継いで玉座にふんぞり返って、「おお、しんでしまうとはなにごとだ」などと妄言垂れ流している二代目以降のぼんぼんではない。

おのれの力ですべてを切り拓き国を建てた偉大なる初代国王。
それがオレのなりたい者だ。いや、なりたいじゃない。なる。なるっつったらなる。
最初のオレは王冠以外は王たる証を持たない徒手空拳の身だ。だからオレは身を削って走る。
いや、身は特に削ってないな。馬の体力を削って走る。
この大地を右から左へ。あるいは左から右へ。左右しかないのはゲームの仕様だ。いかに王といえど仕様には従う。

まず最初に灯すのはキャンプファイヤーの明かり。焚き火レベルのささやかな炎だが、しかしこれは王国の樹立を世に示す大きな第一歩だ。
今、この不毛の大地にオレさまの王国の設立を宣言する!
スマホからGoogleマップを見てみれば、近隣にはデザート王国だのスク水王国だの餃子の王国だのカーテンじゅうたん王国だのと競合の王国がひしめいているが、何度も言うようにオレが目指しているのは、そんななんちゃって王国ではない。
ってか、王様とか王国って言葉、安っぽく使われすぎ。バイク王? いやいや、王様バイク下取ったりしないから! 王様のブランチ? いやいや、王たるもの、三度々々きちんとご飯食べるから!

いくら王国を宣言したところで、それを構成する民草がいなくては、ヨーロッパあたりにぽこぽこできている勝手独立国となんら変わりはない。
幸い近隣の森のなかには原始生活ぎりぎりの暮らしをおくる浮浪民たちがちらほらいる。
オレは慈悲深い王だ。コインを一枚。これで身支度を整えてオレの王国の一員となりたまえ。
あとは弓でもハンマーでも鋤でも好きなもん手にとって、適当に働いて出すもん(税)出してくれりゃいい。
その税収を手にオレは王国の版図を大きくする。
採伐を命じて草原を拡げ、新たに城壁を建築して領土を拡大する。麦を実らせる農地がそこそこできれば、それは王国の運営がそれなりに上手くいってる証だ。

そうやって国を富ませれば、王国を脅かす魔物どもへの対処も少しずつ備わってくる。
投石機を作り、騎士を雇い、やがては魔物どもへこちらからカチコミをかける準備も万端だ。
そしてその間に進めなければならない重要なこと、それは船の建設。
なにせこの王国の運営は多分に焼畑農業的だ。やがて冬の訪れがくれば、苦労して作った農地も実りのない不毛の大地と化してしまう。
そうなる前に次なる地へ。
せっかく基盤が整った王国を捨てるのは後ろ髪が引かれるが、新しい地ではさらなる歯ごたえのある環境、手強い魔物たちが待ち受けている。王様冥利につきるとはこのことだろう。

PCからモバイルまで幅広く展開し、タイトだけど完成度の高いシステムで高い評価を得ている2Dタワーディフェンス国造りSLG。
すでに続編『Kingdom Two Crowns』もリリースされて久しいが、やはりシリーズ中のベストはシンプルだけど練り込まれたシステムをブラッシュアップさせた、この『Kingdom: New Lands』だろう。
オレは王だ。すべてをおのれの手で築き上げた初代王だ。
玉座にふんぞり返る暇も、後宮で妃たちをはべらかす暇もない。いくら国が繁栄しても、相も変わらず大地を右から左へ、左から右へ駆け回る孤独な毎日だが、それこそが王たるものの本来の日常であるはずなのだから。
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2019/07/14 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
一切のネタやアイデアが思い浮かばなくなり一行たりとも書けなくなってしまう。非常に身につまされる話です。
作家やクリエーターであれば、それはおのれのアイデンティティと飯の種に関わる問題です。スランプで深く思い詰めてしまったとしても、それは無理もないことでありましょう。
そんな一筆も書けない焦燥から自暴自棄になり夜の街に飛び出すこのゲームの主人公。
ここで凡愚な我々であれば、ヤケ酒飲んで憂さを晴らしたり、バッティングセンターで140キロの速球にチャレンジして一心不乱にバットを振ったりするところです。
しかしそこは浮世離れした作家先生。ヤケ酒にもバッティングセンターにも背を向けた彼は、夜の公園を一人で無防備に歩く青年に無理矢理襲いかかったではありませんか。

泣き叫ぶ青年相手に一発抜いてスッキリした作家先生、自宅に戻って机に向かいます。
するとどうしたことでしょう。新しいアイデア、文章が湯水の如く溢れ出てくるではありませんか。
「書ける!書けるぞぉ!」
狂ったように走り出す彼の筆。そして小説の完成と同時に彼を包むエクスタシー、フィニッシュ!
書いていたって、何か別のものをカイていたんじゃないかと疑いたくもなりますが、とにかく創作の甘美な快楽というは、我々凡人の理解に及ばないものであることは確かなようです。

しかし、この創作の源がいつまでも続くわけはない。そうそう都合良くあの青年が、夜の公園をうろついているわけはないしな。と言うか、あんな目に遭ったら普通二度と夜の街なんか歩きはしないだろう。
ううむ、困った。また彼を手籠めにしなければ、筆が走らないではないか。
"ピンポーン"。おや、誰かが来たようだ。
「今度ワケあって、父の知り合いのこの家にご厄介になる者ですが。……ああっ!」
君は私の創作の源であるあの青年!? ……これは創作の神様の贈り物かなにか!? なにはともあれラッキー!!

まだ幼い弟を引き連れて作家先生の家にやって来た、本来なら性犯罪被害車であるはずのあの青年。カモがネギ背負ってやって来たとは、まさにこのことです。
「これでまた小説が書ける」と安堵する作家先生ですが、この可愛い兄弟をむさぼり尽くすことに熱中し過ぎたのか、あるいはシナリオを書いた人がこの設定やテーマを処理しきれなくなったのか、とにかく"創作の苦しみ"、あるいは"創作は悪魔の所業"といった主題は、完全にどこかに置き忘れられて以後はまったく無かったことにされてしまうのでした。
そう、このゲームの製作は、"ボーイズラブゲーム界のトロマ"と私が勝手に呼んでいる粗製濫造メーカー、マリンハート。
テーマ、設定、ストーリー、あらゆるものを途中で早々と投げ出してトンズラ決め込むそのスタイルは、このメーカーに一貫したアティチュードだったりするのです。

この作家先生には、若い専任の編集者が一人付き従っています。
先生の創作の為には、あらゆる協力(それはもはや奉仕に近かったりする)を惜しまないこの編集者。
「おい、バイブ買ってこい」
「はい、買ってきましたぁ!」
「おい、ムチとローソク買ってこい」
「はい、買ってきましたぁ!」
「おい、バイブ買ってこい」
「またですか?」
「今度は双頭のやつ」
「はい、買ってきましたぁ!」
……自分の仕事を少しは疑った方がいいと思います。そうしているうちに、遂に本性を表す編集者。作家先生の足にすがりつき、
「あんな兄弟のことは放っておいて、オレだけのご主人様になってください!」
創作者の周囲には、こんな奴しか居ねえのか!

編集者が買ってきた各種道具を使って、家の中に罠を仕掛ける妙なコマンドも存在しています。
ロープを使った罠を仕掛けておくと、深夜に兄弟のうちのどっちかが緊縛状態でひっ絡まっていたりするのですが、仕掛ける方も仕掛ける方ですが、黙って引っ掛かる方も引っ掛かる方です。
ゴキブリホイホイならぬ美少年ホイホイ。この緊縛罠にかかるプロセスなどはぜひとも知りたいところですが、そんな面倒くさい描写をご都合主義という言葉を自分たちのためだけに最大解釈するこのメーカーに求めるほうが間違っているのかもしれません。
イントロの勢いが進行度5%くらいのところで早々と失速して、あとはだらだらとどうでもいい展開が続く、典型的なマリンハートスタイルの駄作です。
<18禁作品>
この記事に含まれるtag : ボーイズラブ アドベンチャーゲーム
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2019/07/19 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
あのミラマー基地での輝かしい日々から30数年の時を経て、マーヴェリックことピート・ミッチェルが帰ってくる。
'86年の大ヒット映画「トップガン」のその後を描く続編、「トップガン: マーヴェリック」の第一弾トレーラーがついに公開され、その迫真の戦闘機映像が人々の注目を集めた。
しかし吹き上がるミリヲタや飛行機ヲタをよそに、オレはその予告編に対してもやっとした感想を抱いている。
肝心のヒロインはどこよ!? 誰よ!? 「トップガン」ってジェット戦闘機がカッコよければいい映画だったっけ? 違うでしょ!

「トップガン」は、あの軽佻浮薄を絵に描いたような80年代だからこそ存在を許されたようなチャラくて浅はかなイケメンが、これまた80年代的なイイ女と、観てるこっちが胸焼け起こしそうなイチャイチャを繰り広げるジャンクフードみたいな映画だったじゃん!? F-14なんか付け合せのポテトフライみたいなもんでさ。
え、オマエの認識がおかしい!? 間違ってる!? そんなことねえだろ!
だいたいオレの印象に残っている「トップガン」の名シーンって、ほとんどその類いばっかだよ。
ライチャス・ブラザーズ歌いながらナンパしたりさ、"火の玉ロック"をバックにバイクでニケツしたり、お腹の上でベーコン焼いたりとか。
え、「ホットショット」とごっちゃになってるって? ごっちゃになったってさして問題ないだろ!

だいたい80年代トム・クルーズ映画って、みんなそんな具合だったじゃん。
戦闘機だの他のパイロットなんてのは、ジャンクフード恋愛の鞘当てみたいな存在で、事実トムクルの次の映画でF-14がNASCARのストックカーにまるまる置き換わったって、まったくノープロブレムだったでしょ!?
とにかく「トップガン」と言ったら、F-14よりもケリー・マクギリス(ベルリンの"愛は吐息のように"付き)の方が重要なの!
それをどいつもこいつもF-14、F-14と!

ゲームの分野でも「トップガン」は今に至るまで何度も何度も関連作品が登場しているけど、どれもこれも人を無理やりジェット戦闘機のコクピットに縛り付けてるもんばっか。
PS2とゲームキューブで国内版も登場した、この『トップガン エース オブ ザ スカイ』も例外ではなく、ブリーフィングもそこそこにいきなり任務ミッションに飛ばされてやんの。
やめてよ! 何度も何度も言ってるけど、オレは三次元の空間把握能力にだいぶ問題があって、飛行機ものはホント苦手なの!
機体がちょっと傾いただけで、もう右も左も上も下もワケ分かんなくなるの。『GTA』シリーズとかでも飛行機操縦ミッションが出てくるとマジで絶望したもん!

オレは大空とかエースパイロットへの憧れなんて特にねえんだよ。トム・クルーズになりたいだけなんだよ!
それを「トップガン」のゲームときたら、判で押したように飛行機に乗せやがって。
せっかくあの映画の版権とってるんでしょ? だったらケリー・マクギリスのバストアップショットが出てきて、
1、シミュレータに使う機体はどれですか?
2、ミグの旋回能力について教えてください
3、それより君のことが知りたいな
なんて3択を選んで好感値が上下するようなゲームに本来はなっているべきでしょ!?
そりゃパイロットだから飛行機に乗らなきゃなんないのは分かってるけどさ、そこは『ときメモ』の平日シーンみたいにちびキャラがアニメーションしてステータスパラメータが勝手に上下していく感じでさ、オレは一向に構わないですよ、オレは!

「トップガン: マーヴェリック」もいずれ版権ゲームが出たりとかするんだろうけど、もうエアーコンバットみたいなものは『エースコンバット』とかあるんだから、そっちに任せてさ、今度こそトムクル主人公のギャルゲーみたいなやつを……。
ってか、「トップガン: マーヴェリック」でもトムクルはちゃんとイチャイチャするんでしょうね? 頼みましたよ、ホント!
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2019/07/22 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
余人はいざ知らずオレにとってトップガンのゲームを遊ぶ理由はただ一つ、トム・クルーズの立場になりたいがためである。
トム・クルーズの振る舞いが許されるのならば、たとえ苦手な飛行機操縦であっても仕方がない義務として受け入れる覚悟は持っている。
しかし世にあるトップガンゲームは、どれもこれもエスコンもどきのそれ以上でも以下でもなく、トム・クルーズの影も形もありはしない。
まぁこれはトム・クルーズのおのれの肖像権に対するシビアさに原因があるらしく、トムのトの字も出せないとなると、数多のトップガンゲームが、いずれもただ飛行機を飛ばして訓練やドッグファイトに勤しむだけの内容になってしまうのは、致し方のないことかもしれない。
そんな"トップガンなのにトップガンじゃない"トップガンゲームの中で、トップガンの再現性という点で一番健闘している作品。それがこの日本でもメディアクエストから国内版が発売された、プレイステーションの『トップガン ファイヤー・アット・ウィル!』。

オープニングの実写ムービーで流れるのは、空を舞うF-14の編隊。国籍不明のミグ28編隊との挑発合戦を経て空母に帰投しようとするも、ミグとのニアミスに気が動転した僚機のクーガーが着艦できない。
危険を犯してクーガーを誘導する主人公機。無事帰投したものの命令を無視した主人公を待っていたのは、司令官からの呼び出しだった。
司令官室で待ち構えていたのは、スキンヘッドの気の短そうなおっさん。原作映画「トップガン」でも司令官を演じていたジェームズ・トールカンご本人ではないか!
え、あんたか!? うそ、これ、展開といいマジでトップガンじゃん!

「おい、聞いているのか? マーヴェリック!」
え、うそ!? オレ、いまマーヴェリックって呼ばれた!? トム・クルーズじゃん! 顔はまったく映らないけど、オレ、ついにトムクルの立場じゃん!
「貴様にはこれからミラマー基地のエリート訓練校に行ってもらう」
ケリー・マクギリスがいるとこじゃん! 行く行く行きます! 行ってさっそくナンパしてきます。
「オレも一緒に行く」
…………あんた別に来る必要ねえじゃん!? ミラマーと関係ねえだろ、あんた来たら話が微妙にズレちまうじゃん!?

ジェームズ・トールカンことスティンガー司令官の謎のミラマー赴任の理由は、おそらく原作映画から唯一出向してきた役者だから、使い回せるだけ使いまわそうというところ。
ミラマーまで来てあんたのツラ見たくねえんだよ。そして案の定ケリー・マクギリスいねえし!
せめて代わりになるヒロインくらい用意しとけよの願いも虚しく、紅一点となるのはプレイヤーにねちねち嫌味を垂れるのが役目のライバルのみ。
ちなみにこのゲームでは相棒グースの存在はオミットされ、レーダー要員となるのは最初からマーリン。もちろんティム・ロビンスが演じているわけはなく、まったくの別人。

そう、この『トップガン ファイヤ-・アット・ウィル!』は、プレステ・サターン期に溢れていたシューティングパートを無名俳優を使った実写ムービーでブリッジするシューティングゲーム(『ショックウェーヴ』『クレイジーイワン』etc,etc,)にトップガンのガワを被せたもの。
飛行パートもいにしえのスペースコンバットゲームに近い手触りで、3D空間で飛行機を動かしている雰囲気には乏しく、どちらかというと360度回転する照準を動かしているような感覚。

トップガンのテーマ"Danger Zone"が流れるのも、このゲームの大きなセールスポイントの一つだが、残念ながらケニー・ロギンスのオリジナルではなく別人によるカヴァー。
なんとかトップガンにしようと頑張っていることは分からなくもないが、シューティングゲームという着地点は、やはりこちらのトップガン観から大きく逸脱してしまっている。
いや、義務としてシューティングパートをさせられるのは構わない。だけどせめてその合間にはケリー・マクギリス、あるいはその代わりになるものとイチャイチャくらいさせろと、ムービーパートのたびに出てくるジェームズ・トールカンのハゲ頭を見ながら思うのであった。
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2019/07/25 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |