- 【UNO】アゲインスト・ザ・公式ルール [2019/05/10]
- 【From Dust】偏差値30からの天地創造 [2019/05/13]
- 【Ryse: Son of Rome】インタラクティブ残酷史劇 [2019/05/28]
- 【Pinball FX3】Rome [2019/05/31]

人は公式に明文化された決まりごとを望む。
なにか揉めた場合、解釈の齟齬があった場合、運営からの公式見解は錦の御旗だ。
正式に提示されたルール裁定は、揉め事をときにはスッキリと丸く、ときには強引に収めてくれる。
その一方で人は限りなくグレーで曖昧とした環境を好む矛盾した生き物でもある。
ローカルルール、その場限りの時限ルール。その場の空気で変動する決めごとの数々。
この場合の錦の御旗は「面白けりゃオッケー」だ。

ゲームは競技と遊びの狭間で常に揺れ動くジャンルだ。
その中でどちらかというとパーティーゲーム=遊びの傾向が強かった『UNO』。
しかし昨今のゲーム界隈の競技化志向の流れに応えたんだかどうかは知らないが、ここに来て権利元から突然「ドロー2、ワイルドドロー4の重ね置きは認めない」「ワイルド系カードでの上がりはOK」の公式ルールが改めて表明されて、みんなを「なんで今になってわざわざ」と驚かせた。

なにせ公式ルールの存在なんて気にも留めにしなかったし、当たり前のように自分の手番にドロー2やドロー4をスタックして次の人間に押し付けていたもんだから、急に「それ正規じゃないよ」と言われたら、なんとなく釈然としない気持ちが先に立つもので、それに整理をつけるためか、Xbox Liveでは普段遊びもしない『UNO』をプレイしている人の姿がやたらと目についた。
かくいうオレも今までチェックを外すのをを考えたこともなかったドローカード重ね置きオプションを、改めてオフにして部屋を建ててみたのだが、やっぱり『UNO』というゲームの勘所は、あのドローカードスタックの不幸押し付けあいにあるところは間違いないようで、試しにやってみた正規ルールマッチは、いつもよりもちょっと盛り上がりに欠けたまま解散に至ったのだった。

ケイドロやボール鬼といった子供の伝承遊びにおいても、明らかに普段の取り決めよりつまらなくなるルールを、なんの根拠もないのに「これが正規のルール」と主張してみんなを辟易とさせていたガキが一人か二人はいたもんだが、これからは『UNO』でも「ドローカードの重ねは禁止だよ!」と頑なに主張する人間の対処に迫られるのであろう。
ちなみに現在はUBIがパブリッシャーとなっているXbox One版『UNO』。
ドローの重ね置きはもちろんのこと、7や0のカードで手持ち札の総取っ替えさせられる7-0ルールや、同種の札を順番飛ばして出すことのできるジャンプインルール。
さらにDLCのラビッツデッキでは、ラビッツたちがちょっかいを出しまくるハウスルールが適用されるなど、好きなようにルール設定ができるので、自分たちなりのスタイルをチョイスして、ついでにKinectカメラの前で脱いだりおっぱいポロリさせたりして盛り上がろうではないか。
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2019/05/10 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
オレの名は"大地の息吹"。砂埃の彼方からやって来た。
人はオレのことを神と呼ぶかもしれないが、それちょっと買いかぶりすぎ。私立文系だから、あんまり頭良くない。
まぁ神様ほど叡智に長けてはいないが、それでも砂をばさーっとすくってどっかに移動させたり、水をばしゃーっとすくってあっちに飛ばしたりなんてことはできる。早い話が公園の砂場を支配する幼稚園児みたいなものだ。
やっぱあんまり大した者ではない。

オレを呼び出した連中は、あんまり話が通じない未開部族。
奴らの言葉で分かるのは「たすけてえ」だけ。あとは「ぎゃー」とか「うひい」なんて悲鳴だけ。
「たすけてえ。みずがいっぱいいっぱい。わたれないよお」だの、「たすけてえ。めのまえきゅうながけ。のぼれないよお」だのと、奴らがこちらに泣きついてくるたびに、「泳げ!」とか「フリークライミングって知ってっか?」などと突き放してやりたくもなってくるが、そうしていたら話がちっとも進まない。

しょうがないので川に砂を盛って橋を造ってやったり、崖に溶岩でなだらかな斜面を造ってやったりするのだが、そこまでしてやっているの、あいつら礼の一つも言いやしない。
「ギブ&テイクって言葉を知らねえのか!」などと説教してやりたくもなるが、資本主義の確立まであと数千年はかかりそうなこいつらに、そんなことを言ってもしかたない。
連中はオレのことを万能の神だと思っているみたいだが、さっきも言ったように、そんなに大した者じゃない。
押しては引く潮の満ち引き。凄まじい勢いで噴き出す水。辺り一面を水に沈めてしまう雨期。轟音を上げてマグマを噴き出す火山。
そんな大自然の躍動を完全に押さえつける力などオレにはない。

だから知恵を絞って、なんとかこれを制御する手立てを見つけ出す。だけど、あらかじめ断りを入れているように、オレ、頭はあんまりよくない。
押し寄せる溶岩流をどうするか悩んだとき、高地にある湖を決壊させて溢れた水でこれを止めることを思い立った。
オレの目論見あたった。溶岩流止まった。水は止まらなかった。押し寄せた濁流、村を押し流した。ホントごめん。ちょっと考えれば分かることだったな。

そんな頭のあんまりよくない"人知を越えた力"と、天変地異を選んで渡り歩いているんじゃないかと疑いたくなるくらい引っ越し魔な未開部族たちの、素敵な素敵なコラボレーション。
それは例えれば、子供の頃、波打ち際で遊んだ砂遊びみたいな手触りだ。せっく築いた砂の城が無残に打ち崩される様ですら面白かった、あれと同じような愉悦がこのゲームにはある。
「箱庭をいじってまったり」というイメージを抱かれる人も多そうだが、定期的に押し寄せるカタストロフィへの対処もままならず、最初のうちは時間に追われて部族全滅を繰り返す、かなり忙しいゲームだ。

しかし各ステージ毎の特殊環境への対処法さえ学んでしまえば、それは永遠に砂いじりと水いじりを繰り返して地形を思うがままに変える、夢のまったり空間へと変貌する。
説明不足による、とっつきの悪さもあるけれど、これはあえて説明を省き、プレイヤーの体験による学習を促すことで、プレイヤー毎のイマジネーションを込めたゲーム理解を求めているのだろう。
さらにそれは大袈裟に言うならば、噴火や洪水といった天変地異に初めて遭遇したときの、人類の畏れや驚き、そして事態を把握してそれを受け入れ克服していく過程を再現しようとしているのではないか。

『From Dust』はダウンロードゲームというこぢんまりした規模ながらも、そんな壮大希有なコンセプトを内包した作品。
やり込めばやり込むほどスルメのように味が出てきて、学習すれば学習するほどさらに遊び心が深まって行く傑作ゲームだ。
そしてオレの一番のお気に入りは、延々と砂を盛って無理矢理高地を造ってしまう愚直というか馬鹿丸出しな手段も、時には受け入れてしまう懐の深さなのだ。
今、ここにお前らが暮らしやすい平地を造ってやるからな。ええと、あと20時間くらい延々と砂を盛っていればなんとかなるかもしれないから、そこでおとなしく待ってろ!
<Xbox One互換対応ソフト>
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2019/05/13 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ちゃんとした歴史書はおろか、「ローマ人の物語」ですらまともに読んだことのないオレにとって、古代ローマ帝国は「ベン・ハー」や「スパルタカス」「クォ・ヴァディス」といった古いハリウッド映画を通したイメージがそのすべてだ。
男たちはゲルググみたいな羽飾りをつけた兜に筋肉ムキムキの常に怒りっぽい連中で、女たちはほとんど半裸の恰好でそこらをくねくねしている。
ゴージャスな椅子に腰を痛めそうなスタイルで腰掛けた王侯貴族たちは、そんな女性の身体に壺に入ったぶどう酒をケラケラ笑いながら垂れ流し、そこかしこで奴隷がムチでぶっ叩かれている。
そんな情景がオレの中での古代ローマ帝国の8割だ。

なんか塩野七生さんや古代ローマ学者にこんこんと説教されそうなローマ帝国観だが、この『Ryse: Son of Roma』も概ねそんな感じだから大丈夫!
プレイヤーの分身たる主人公マリウス・タイタスはローマ帝国兵。
羽飾り兜にマッチョボディ、剃ってもこってり濃いヒゲに短気な性分。嫁さんが自分の意中を汲んだリアクションを取らないと、とたんに不機嫌になって当たり散らしそうなタイプ。いずれにせよ今の世の中ではとうてい生き辛さそうな男だ。
しかしここは蛮族の脅威に晒された皇帝ネロ暴政下のローマ。むしろこういう男の方が頼りになる。
ローマの誇りにかけて、あの北斗の拳に出てくるモヒカン連中と、どっこいどっこいな奴らで屍の山を築いてやる!

そうは意気込んでも無双シリーズなんかとは真逆のゲームバランス。
1対2はキツい。1対3はヤバい。防御大切。盾は相棒、盾は友達。ついでに盾は跪いた敵の頭をかち割ったりするエグい武器。
防御ボタンを確実に押して相手の隙きを誘い追い討ちをかけたら、いよいよお楽しみの処刑(トドメ)モードだ。
崩れ落ちた相手に深々とひと刺し。片腕をすぱーんと斬り落として絶叫する敵を楽にしてやるひと薙ぎ。倒れ伏した蛮族に容赦ないガチストンピング。
ローマ史劇は血なまぐさい。そんなこちらの先入観にしっかり応えてくれるフィニィッシュムーブの数々。
それなりにバリエーションがあるとはいえ、これが毎戦闘ラストまでほぼ必須状態で付いてくるもんだから、後半はいささかげんなりすること間違いなし!

ストーリーも残虐古代史劇ムードをしっかりとフォロー。
死体の山に必要以上に挿入されるブルータルでゴアなシーン。ブリテン島(蛮族の巣)に進撃してからは敵味方共に酷い目に遭う度がハネ上がり、ケルト民族に至っては潔いほどの準モンスター扱い。
みんなが大好きウィッカーマン(生贄を収めて丸焼きにする巨大人形)もしっかりと出てくるぞ。
ローマものでは恒例の剣闘場も、ストーリー仕立ての集団戦でちょっぴり斬新だ。あえて例えるなら残酷版風雲たけし城みたいなもんだな。

スラッシュアクションシーンの単調さは、確かにこのゲームの大きな欠点だが、それを補うように挿入されるのはマリウスが百人隊長としての真価を問われる集団戦パート。
少数精鋭のローマ軍対雲霞の如き蛮族の大軍の構図を、そのまま落とし込んだディフェンスモードは、割とありがちかもしれないが、集団で盾を構えて矢を受け止めながらじりじり前進の手応えをしっかり与えてくれるのは、この『Ryse』くらいのものだ。
やっぱり盾最高。盾は相棒、盾は友達。でも投石機だけはカンベンな。

開発は『FarCry』や『Crysis』のCrytek。圧倒的なビジュアルでXbox Oneのロンチに華を添えたマイクロソフト発の大作。
鋭さよりも重さで叩き斬るような剣と、相手の攻撃を受け止めるたびに「ごっぽん!」と手応えが伝わってるかのような盾。
人を斬り刻む生々しく重たいフィーリングをたっぷりと詰め込んだ重量級スラッシュアクションだ。
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2019/05/28 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ピンボール。それは箱庭の造形美。
そして映画だったらその作品の丸々一本分の要素、ロックバンドであったらそのグループの歴史そのものを、限定された区画の中にテーマとなったモノのほとんどを網羅しなければならない小宇宙である。
コミックや映画は言うに及ばず、スペースシャトル事業や大都市でのタクシー業務、中世の攻城戦や吹き荒れる竜巻災害など、様々なテーマが長方形の箱の中に敷き詰め再現されていった。
最初期にはピンボールの体裁を辛うじてとっているだけだったビデオゲームピンボールも例外ではなく、実機のそれに比べれば短い歴史の中で、いつしか台ごとにそれぞれ濃密なテーマを擁していくようになった。

とは言え目もくらむような長い歴史を誇る古代ローマ帝国を、あの限られたスペースに再現するのは並大抵のことではない。
でも大丈夫。偉大な文化を築いてきた当事者たちには申し訳ないが、我々の古代ローマ観なんて、剣と盾と投槍と闘技場とあの派手な兜。ガレー船にカタパルトに一応文治的なモノも入れとくと水道橋。そんなもんで以上だ。
それらの要素が荘厳なデザインを施された長方形の箱庭の中にみっちり。
デビューは『Pinball FX2』のローンチ台。現行の『Pinball FX3』にも継承されている『Rome』は、ゴージャスさとフィールドの詰め込み感ではZen Studiosのオリジナル台の中で上位に入るテーブルだ。

『Pinball FX2』から『Pinball FX3』への移行は、単なるバージョンの違い程度の印象しかないけれど、無印『Pinball FX』から『FX2』は、インターフェースやオンライン周りも含めて、あらゆるすべてが革命的にアップグレードされたようなインパクトがあった。
収録台にもそれは顕著で、フィールド内のオブジェクトが質素で淡白だった『FX』のオリジナル台に対して、『FX2』で新登場したオリジナル台はアートワークからイベントから何から何までが格段にパワーアップ。
その代表格とも言えるテーブルが、この『Rome』。

考えてみれば古代ローマは投石機の存在でピンボールとはちょっぴり相性がいい。
東から迫りくる蛮族を打ち払い、西ヘは逆に蛮族の国にカチコミをかけ、横並びのターゲットは盾兵の隊列。
ポピュラーなローマ帝国のイメージをこれでもかと詰め込んだ、『Ryse: Son of Rome』をプレイした直後ではなぜか再評価してしまう台なのであった。
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