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ボンクラ360魂クロスカルチャーゲームブログ 

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【Crysis Warhead】もう一つのクライシス

   ↑  2018/11/01 (木)  カテゴリー: PCゲーム
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もう一個人のドンパチでは収拾つかないくらい、大袈裟な話に膨れあがるクライシスサーガの狭間に咲いた徒花。サージェント・サイクス、通称サイコ。
『Crysis』一作目で、リンシャン島での任務中、壊滅状態に陥ったラプターチームの中で、主人公のノーマッドの他に島からの離脱に成功した数少ない人物。
作戦中に別れ、ノーマッドの視界から消えていた彼が、その間にどのような行動をとっていたのか。
『Crysis』のスピンアウト作品である、この『Crysis Warhead』は、そのサイコを主人公に据えた、もう一つのリンシャン島顛末記だ。
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オリジナルを洗練させたり問題点を修正する形になって、結果として拡張パックやスピンアウト作品が、本家よりもバランス的に優れたゲームになってしまうのは割とよくある話だが、『Crysis Warhead』もそのパターン。
後半、思い出したようにストーリー収拾につっ走って、まとまりを欠いてしまった『Crysis』よりも、ボリュームはさすがに欠けるものの、遥かにバランスがいい安定した作品だ。
顔出しNGだったノーマッドと違って、もともと面が割れているサイコは、よく喋る上にキャラクター付けもはっきりしているから、ナノスーツに引き摺られるようにして行動していたノーマッド以上に、その役割や行動は明快で感情移入もし易い。
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北朝鮮軍からエイリアンへと、なし崩し的に抗争相手がスライドしてしまう『Crysis』と違って、こちらはその対立構造も明確だ。
森繁和前中日前監督扮する(?)北朝鮮軍将校を仇役に据え、エイリアンを双方が巡って争う第三極に位置づけたことで、『Crysis』では希薄だったトリプルスレッドの構造も、『Crysis Warhead』では充分に活かされている。
何より北朝鮮軍をぶっ叩いて、エイリアンを空母まで運ぶという既定事実に話を収めればいいのだから、そのストーリーミッションはすっきりと単純明快だ。
『Crysis』のように、後々の展開を意識しなければならない責務から解放されているのが、『Crysis Warhead』の最大の強みだろう。ワケの分からない無重力空間を無駄にふらふらさせられる心配だって、もう無用だ。
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ナノスーツの持つ凄まじい能力と運命に、ただ翻弄され続ける『Crysis』正編シリーズの主人公たちとは対照的に、おのれの戦争をただひたすら完遂しようとするサイコ。
もはやスーツがそのまま人格と化してしまったノーマッドやアルカトラズと違って、彼が個を貫き通せたのは、やはり顔出しの説得力があったからこそなのだろう。
スーツを第一義とするクライシスサーガのコンセプトにすら抗った不屈の男、サージェント・サイクス。
しかし彼の活躍は、あくまでもスピンアウトの位置づけに押し込まれて、コンソール機への移植も果たされることはなかったのであった。

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【Crysis 2】コンクリートジャングルの捕食者

   ↑  2018/11/03 (土)  カテゴリー: XBOX 360
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密林のプレデターから大都会のプレデターへ。
前作『Crysis』の舞台だったリンシャン島は、設定によると沖縄辺りにある島だったらしいが、そこから巻き起こったエイリアン騒ぎは、もはや全世界を呑み込んだ。
そして舞台は、いつの間にかニューヨークへ。
木々が生い茂るジャングルは、瓦礫だらけのビル群に。白い砂浜と美しい珊瑚礁のビーチは、感染者たちが蠢く下水道に。
コンクリートジャングルに潜むプレデター気分を演出してくれる相棒は、前作からCryENGINEと共にバージョンアップした新ナノスーツ。
しかしストーリー進行の都合上、頻繁に「システム再起動」を繰り返す新ナノスーツに、「このスーツのOSはWindowsMeかよ!」なんて愚痴も、ついつい飛び出してきちゃうのであった。
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そもそもこのナノスーツ、本作の主人公アルカトラズにとっては、何も好きこのんで着たわけじゃない。
前作では意味不明な存在だった、"クライシス サーガの鍵を握ってるっぽい男"プロフェットに無理矢理着させられただけだ。
着てるだけで回りからは不気味がられるし、それだけならまだしも民間軍事企業には親の仇みたいに追い回されるし(人違いだって! オレはそのプロフェットって野郎じゃねえ!)、挙げ句の果てには「この人、歩く死人みたいなものです。スーツの力で生かされているだけです」などと、終末医療患者のように言われてるし。
じゃあ何ですか? このスーツを脱ぐと死んじゃうってことですか? それってまるで「メタルマン」じゃねえか!?
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だけどプレイヤーの立場にしてみれば、このナノスーツは便利で高機能なアイテム。肉襦袢みたいなイケてない外見も我慢できるというものだ。
しかもこの最新版には、戦術オプション表示を始めとして、余計なお世話に近いような新機能もてんこ盛り。
なんか日本の家電メーカーが作る製品みたいだな。そのうち「あと5回引き金を絞るとリロードが必要となります」なんて音声アナウンスとか搭載されそうだ。
ナノスーツの機能をフルに活用して、神出鬼没の立ち回りを構築するのは相変わらず楽しいんだけど、その一方で『Crysis 2』は、前作に色濃く残されていた初代『Farcry』的なテイストが大幅に減退しちゃっている。
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それは単に舞台が南の島から大都会に移ったからだけではない。
初代『Farcry』や『Crysis』前半のフィールドが広大な正方形だとしたら、この『2』のそれは縦長の長方形。
プレイヤーに与えられた裁量の範囲が、だいぶ狭まり、レールライド型のゲーム進行に少し歩み寄った構成になっている(この転換は、前作のスピンアウト『Crysis Warhead』からも窺えたが)。
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Crytekという会社を鮮烈にイメージづけた、そんな『Farcry』らしさの喪失と引き替えに手に入れたのは、目の前で展開するニューヨーク大崩壊のビジュアルを始めとしたシネマティックな展開と、格段にとっつきやすくなったプレイフィール。
良くも悪くも角のないフツーのサイエンスフィクションFPS大作になってしまった、クライシスサーガの第二弾。
その是非は置いといて、いたたまれないのは、急展開するストーリーに存在を顧みられることもない、前作の主人公ノーマッドとサイコの二人なのであった。

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2018/11/03 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |

【Crysis 3】ナノスーツと大風呂敷

   ↑  2018/11/07 (水)  カテゴリー: XBOX 360
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「『Crysis』『Crysis 2』からさらに時は経ち、世界はもっとのっぴきならないことになっていた」
オープニングムービーで語られる"これまでのクライシス"をざっくり説明すると、こんな感じになる。
ごめん、だってただでさえ一作ごとに飛躍しまくる含みの多い設定のうえに、シリーズ作の発売間隔も7年越しになっちゃってんだから、もうホント分かんねえって。
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だいたい話の核を噛み砕いて説明するべき立場にあるシリーズのキーマン、プロフェット(一作目ではリャンシャン島に潜入した特殊部隊ラプターチームの隊長、二作目では主人公のアルカトラズに無理やりスーツを着せて自分はとっとと退場した無責任野郎)が、やたらと秘密の多い男だから、こっちはもうもやもやを持て余してストーリーとかどうでもよくなっちゃんてんだよ!
とにかくスゴい能力を秘めた戦闘スーツの物語。それを着ている当人を操作するプレイヤーも、その時には便利、時には厄介な能力に振り回される。そういうお話だ。
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ダイジェストに続くムービーは、民間軍事企業CELLの艦船に突入する特殊部隊の姿。
それを率いるのは……、外伝『Crysis Warhed』以来の登場となるサージェント・マイク・サイクス、通称サイコ。シリーズの準皆勤キャラクター。
彼らのお目当てはCELLに奪われた例のナノスーツとその中身。中の人はというと……、
「よっ、プロフェット」
これまでシリーズの脇役として、勿体ぶった態度や隠し事だらけの行動で歴代主人公やプレイヤーまでをも疑心暗鬼にさせていたプロフェットが、満を持してこのシリーズ最終作の主人公。
だったらこいつを端っから主人公にしておけ!
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SFシューターサーガとして同じような立ち位置にある『HALO』は、マスターチーフという一貫した主人公がいたから、作品の発売スパンが開いてもまだ一貫性があったが、こちらは一作ごとに主人公入れ替えアンド過去作の主人公使い捨て。プレイヤーだって当然置いてきぼり気味だ。
だったら錯綜するストーリーはとりあえず脇に置いておいて、本シリーズの真の主人公たるナノスーツの並外れた能力を堪能しようとするも、こちらも煩雑でおせっかいな機能がムダについた国産家電化がさらに進行。
バイザーモードは遠くにある敵やアイテムの識別や、地雷原やタレットなどのハッキングを可能にする便利機能。
もっともハッキングは有効に使える局面が限られイライラさせられるばかりだし、アイテムを識別しても拾うためにはいちいちバイザーモードをオフにしなければなんないけどな。
誰かこのスーツ、スティーブ・ジョブスに再デザインさせろ!
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前作でニューヨーク(のみならず世界)が崩壊し、今回の舞台となるのはその廃墟ニューヨークが樹々に侵食されたロケーション。
しかしその魅力ある舞台もわずかな登場に終わり、中盤以降のステージは特徴のない魅力に欠けるものばかり。
広げた大風呂敷を強引に畳みにいったことも災いして、中庸なSFシューター化がより一層増してしまったクライシスサーガの最終作。
サイコをなんとかストーリーに再回収してCryTekとしてはなんとかお話にケリをつけたつもりだろうが、こちらは使い捨てにされた挙げ句、とうとうその名すら語られなくなった1作めの主人公ノーマッドの消息が気になって、もやもやするばかりなのであった。

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【Forza Horizon 4】Best of Bond カーパック

   ↑  2018/11/11 (日)  カテゴリー: XBOX ONE
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クルマはラグジュアリーな存在でありながら、その一方に痛車や改造車など稚気を徹底的に追求した方向性がある。
本来なら相反するその二つを併せ持ったクルマ。それはボンドカー。
高級スーツに身を包んだ英国の色男が颯爽と乗りこなしハイソ感を振りまきながら、後方に振りまくオイルとか、タイヤホイールに隠されたドリルなど、小学生が考えたようなギミックを満載したその姿は、クルマの究極の理想形といっても過言ではないだろう。
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今までは007版権ゲームの枠内の留まっていたそのボンドカーが『Forza Horizon 4』に降臨。
有料DLC『Best of Bondカーパック』は歴代の007映画からより優られた10台のボンドカーが収められたコレクション。
ボンドカーでメジャーどころといえば、やはり「007 ゴールドフィンガー」に登場したヘッドライトからマシンガンがせり出すアストンマーチンDB5と、「007 私を愛したスパイ」の劇中車、水陸両用のロータス・エスプリがツートップだろう。
その二台はもちろんこのカーパックに収録されているが、今回取り上げたいのは個人的にもっとも好きなボンドムービーで活躍したクルマだ。
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シリーズ第6作の「女王陛下の007」は、ジョージ・レイゼンビーがボンド役を務めていることで何かと割を食っている作品だが、どうしてどうして、数ある007映画の中でも極めて格調高く完成度も高い。
中盤以降の舞台となるアルプスの雪山でのスキーやボブスレーを交えたアクションシーンは当時としは出色の内容だし、歴代ボンドガールの中でもっとも悲劇的なヒロイン、ダイアナ・リグも素敵だ。
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そしてボンドカー、アストンマーチンDBSは冒頭からの登場。
ここではクルマやインパネを執拗になめて、その運転者の顔をなかなか映さない演出で、二代目ジェームズ・ボンドとなるジョージ・レイゼンビーのお目見えを焦らしに焦らす。
スパイ仕様車としてのギミックや活躍の描写はないが、格調の高さは残しつつも先代のボンドカーであるアストンマーチンDB5からモダンになったフォルムは、ショーン・コネリーに代わる新ボンドの愛車にふさわしい風格がある。
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歴代ボンド役でオレが一番好きなのは、なんと言われようと4代目のティモシー・ダルトン。
気品と粗野がかち合うことなく同居したその佇まいは、オレがイメージするボンド像にもっとも近いし、彼の二つの主演作のハードアクション路線も大好きだ。
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そのボンドカー、「007 リビング・デイライツ」に出てきたアストンマーチンV8は、ダルトンボンドの資質に合わせたかのような、アストンマーチン車の中でも飛び抜けて荒々しい面構え。
並行車を切り裂くレーザーカッターにミサイル、スキー機能など、スパイ御用達車としてのギミックも充実。
『FH4』で乗ることのできるV8には、残念がらこれらのガジェットは付いていないが、劇中カーアクションの舞台となる雪道や凍結湖は、Horizonウィンターの季節を待てばいつでも目の前に広がっているぞ。

*関連記事
【007 Racing】底抜けボンドカー大集合

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【007 死闘】ティモシー・ダルトン版ボンドゲーム

   ↑  2018/11/19 (月)  カテゴリー: メガドライブ&メガCD
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初代ショーン・コネリーに始まって、ジョージ・レイゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、そして現在のダニエル・クレイグと、錚々たる顔ぶれが並ぶジェームズ・ボンド俳優。
その中で史上最高のボンドを一人だけ選ぶとしたら、オレは迷うことなくティモシー・ダルトンの名を挙げる。
故ダイアナ妃をして「もっともボンドらしいボンド」と言わしめたダルトンだが、彼が不幸だったのは、ロジャー・ムーア時代末期の低調ぶりや、東西対立が緩和されスパイアクションというジャンル自体が古びてしまった最悪のタイミングでボンド役に就任してしまったこと。
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結果、興行成績に恵まれず、この史上最高のボンドは「リビング・デイ・ライツ」と「消されたライセンスの僅か二作のみで姿を消してしまった。
ダルトンが主演したこの二作は、ロジャー・ムーアのお気楽極楽スパイ活劇からシリアスなハードアクション路線に大きく舵を切ったのが、その大きな特徴。
特に過去作には見られなかった世俗的な敵(南米の麻薬王)を据えた「消されたライセンス」は、それまでのボンド映画ではタブーだったブルータルな描写をたっぷりと盛り込んだ一作で、麻薬王サンチェスを演じたロバート・デヴィの存在感や、立場を捨てて私的な復讐に執念を燃やすダルトン・ボンドの好演で、オレの中では不動のシリーズベスト1映画だ。
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そのダルトン・ボンドの恐らく唯一のコンシューマゲーム化作品が、日本ではあのテンゲンを通して'93年に発売されたメガドライブソフト、『007 死闘』(原題『James Bond The Duel』)。
パッケージに映るボンドは間違いなくティモシー・ダルトン。同様にタイトル画面も、眼光鋭くこちらを睨みつけるダルトン。
ああ、しかし、この時期のシネマゲームといえば、とにかく何でもかんでも横スクロールアクションになってしまっていた時代。
ゲーム中に登場するボンドはタイトル画面のダルトンから一転、タキシードに蝶ネクタイという記号で辛うじてボンドと認識できるしょぼいキャラ。
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画面の縁から予告もなく放たれる、雑魚キャラの銃弾に苦しめられながら何とか前に進むと、やにわに出現したジョーズ(リチャード・キールの方)に首根っこ掴まれ、為す術なく海の中に放り捨てられ、溺れてもがいているところを(このボンドはカナヅチなのか!?)ジョーズ(サメの方)に襲われ、ばくばく食われて果てるという、ダルトン・ボンドのハードボイルドさなど欠片もない展開になってしまうのは、時代を考慮すると致し方ないことなのだろうか。
しかもティモシー・ダルトンのボンドと、リチャード・キールのジョーズは、元々接点なんかありはしない。
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さらに突き進んで行くと、今度は「007 美しき獲物たち」でグレイス・ジョーンズが演じた怪女メイデイや、ジョーズと並んでボンド映画を象徴する悪役、「007 ゴールドフィンガー」に登場したシルクハットの東洋人オッド・ジョブ(ハロルド坂田)など、これまたダルトンとは縁もゆかりもない人たちが、中ボス扱いで次々と登場。
ジョーズ、メイデイ、オッド・ジョブと、なんとなく「ドット絵でも判別しやすいルックスの人たち」なんてのが選出基準になってるような気がするな。
人を食った内容でメガドラファンをほっこりさせてきたテンゲンの日本語版マニュアルも、ティモシー・ダルトン版ボンドのシネマゲームという立場に拘るこちらとしては、今回ばかりはちょっと困りもの。
「ラッキー、はっぴー、うれぴー」なんて文字が上滑りするマニュアルのテキストを前に、改めてダルトン・ボンドの不遇さを噛みしめるのであった。

この記事に含まれるtag : シネマゲーム 

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