- 【Immortal Redneck】カンザスに帰りたい [2018/05/17]
- 【BATTLEBORN】ベアトリクスとオレンディ [2018/05/25]
- 【Battlefield 1943】ガダルカナルはリゾートアイランド [2018/05/27]
- 【Detective Grimoire】タイトな推理ADVの佳作 [2018/05/31]

オイラ、カンザス生まれのカンザス育ち。
カンザスってどこだって? おめ、そんなことも知らねえのか? 地球がこうどーんとあって、その真ん中にどーんとあるでっけえとこだ。
名前? いや、まだそれは食ったことねえ。なんて呼べばいいかって? 好きなようにしろよ。レッドネック? なんだかわかんねえけど、それで構わねえぜ。
カンザスから出たことなかったこのオレが、いまはワケのわかんねえとこにいるんだ。
だだっ広い平野なのはおんなじなんだけど、こんなカジノみてえなでっけえ建物はカンザスにはねえな。
三角形のとにかく妙ちきりんな建物だぜ。

おまけにただでさえクソ暑いとこなのに、なんだか知んねえけんど包帯でぐるぐる巻きにされちまってんだよ。蒸れてしょうがねえぜ。
そんでもってよ、あのヘンテコな建物の中に入って、てっぺんまで行かなきゃなんねえらしいんだ?
いちいち面倒なコトは聞かねえオイラも、さすがに「なんで?」ってなったぜ。
そしたら「シリアスサムはいちいちそんなこと聞かなかった。お前も黙ってやれ」。
誰だよそいつ? 意味わかんねえよ!

まあオイラ、ショットガンとダイナマイトさえあればたいていどうにかなるからさ。それが手元にあればそれ以上文句も言わねえよ。
そのピラミッドとかいう、辺り一面カサカサした建物に入って行ったんだよ。
そしたらこれまたなんだかよくわかんねえ生き物がいっぱい出てきてさ、こっちに向かって突っ込んできやがんだよ。ま、そら撃つわな。
そいつらの頭めがけてショットガンぶっ放したら、「あ、言い忘れたけどヘッドショット判定ないから」ときたもんだ。
はしょるとこはメチャクチャはしょってやがんな、このゲーム!

ま、とにかくアバウトな当たり判定で銃をぶっ放して、出会う妙ちきりんな奴らを殲滅しながら、とにかく前に突き進むっつう、まあ『DOOM』とか『Redneck Rampage』みてえな、いにしえのFPSのような手応えのゲームなんだよ。
弾薬のリソースがシビアなところも、ちょっと似てるかもしんねえな。
ちょっと変わってるのは、ローグライクっつうの? 入るたびにマップがランダム生成されるアレ。それと死んだらいったん外に出されて、また一から始めなきゃなんねえとこだな。

でもよ、そのシステムが上手く機能してるかっつうと、実はそんなことありゃしないんだな。
基本的に銃撃ちまくるだけの単純なアクションだから、立ち回りだとか道中で拾えるアイテムの選別だとか、一回の冒険で得られたり、次回プレイに持越せるプレイヤースキルの蓄積がほとんどねえんだよ。
唯一の蓄積は外出たときに購入できるキャラクターステータスの上昇分だけ。
ま、それでも最初のうちはテンポはいいんだよ。プレイヤーキャラの能力はまだ低いから、ピラミッドに突入しても20分位で死んで、外に出されてはささやかにステータスアップを獲得して。

でもキャラの防御力やHPが上がってなかなか死ななくなってくると、一度入ったらもう一時間くらい中を彷徨いっぱなしじゃん。
そうなってくると、ランダム生成っていえば聞こえがよさそうだけど、その実はもう景色も出てくる奴らも変わり映えしなくって。
唯一の変化は武器と巻物の拾得なんだけど、まあこれも拾わなきゃその効果が分かんない。なんのひねりもねえランダム要素なんだよ。
武器はまだいいよ。問題はピラミッドの中にいる間だけステータスボーナスを与える巻物でさあ。
拾ってみたら「スカ」とか。いや、スカならまだマシだよ。「持ってる武器全取っ替え」とか「防御力激減の代わりに攻撃力激アップ」とか、ありがた迷惑なもんばっかなの。
そういうのをよ、拾って強制適用したあとに効果の内容を教えられたって困るつうんだよ!

ボス戦の直前になって、それ用に取っておいたショットガンと弾薬を、いきなり太陽の杖とかワケのわかんねえものに強制チェンジされたこっちの身にもなってくれ。オイラのショットガン返せつうの!
そんでもってそのボス戦が、またバランスが超悪いときてんだよな。
1時間もかけて同じような場所をぐるぐる巡って、やっとたどり着いたてっぺんでボスに叩き殺されて、また一からやり直し。
プレーの単調さに対する解決策を、ローグライクなシステムに丸投げしてんだけど、丸投げされた方がそれを完全に持て余しちゃってら。
ああ、こんなことなら、カンザスから出てくんじゃなかったぜ。っつか、誰だよ、オイラをこんなとこに連れてきやがったのは!
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2018/05/17 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
なにかとアレな人材ばかりな『バトルボーン』女性陣の中でも、イカレ度において一、二を争うバッドアスといえば、ベアトリクスとオレンディで異論はないだろう。
メンヘラ、ゴスパンク、いろんな形容詞が思いつくが、二人のなりをダイレクトに現していると個人的に思っているのが、ふた昔前に流行った"プッツン"というワードだ。
共に90年代前半の高円寺が似合いそうな両名だが、バトルボーンとしての資質は、やはり大きく違う。

ベアトリクスは巨大な注射器を武器にする病み系少女。
見るからに打たれ弱そうな外見だし、まあ実際に打たれ弱いのだが、その脆さに反して継続生存率は意外と高い。
その秘密は前線から離れた中長距離のポジションを常に維持できること。
注射器はそこそこの射程とズームスコープ、さらには適度な連射力を備えている。
そしてベアトリクスならではの特殊能力が、通常攻撃で相手に各種カース効果を与える疾病感染スキル。
ウイルスを前衛に守られた地点からスナイピングでばら撒いているのだから、まぁとんだバイオテロ娘である。

こっちが最前線で敵バトルボーンやミニオンの群れたちと大立ち回りを演じているときに、チクッチクッチクッと、ささやかながらも実に嫌らしいダメージを与えてくる輩がいる。
「誰だこのヤロウ」と彼方を見てみれば、注射器を抱えたこの娘が「ウケケケケ」と、これまた嫌らしいニヤニヤ笑いを浮かべていやがる。
「ビョーキ女、そこ動くんじゃねえ!」と向かっても、ニヤニヤ笑いはそのままにとっとと後方に姿をくらまし、ほとぼりが覚めたら戻ってきて、またチクッチクッチクッ。
マルキのような純スナイパー型と違って本質はサポーターだから、通常武器をただ撃ってるだけでも前線への貢献度がハンパでないし、安全な位置からのレベルアップスピードも早い。
声優に例えると小林ゆう、タレントに例えると石原真理子のようなタイプ。
自軍に石原真理子がいるというのも、あまりゾッとしない話だが、立ち回りを心得ているプレイヤーが動かすベアトリクスは、味方だとそうとう心強いのも確かだ。

同じプッツンでもベアトリクスがビョーキ系ならば、オレンディは完全なアレ系。
超瞬間高火力紙装甲の前線要員という後先をまるで考えないパーソナリティからも、そのアレっぷりが充分に伺えると思う。
オレンディの肝はなんたってスキル、スキル、スキル。
爆発的な破壊力を持つ範囲攻撃を任意の場所に発動させられ、またこのスキルの回転率がとんでもなく早い。
スキルダメージ、スキルクールダウンのギアをくまなく発動し、前線を駆け回りながらのべつ幕なしにどっかんどっかん火柱を上げまくるのが、このキャラの真骨頂だ。"混沌をばら撒く魔女"の異名はダテではない。

おかげで敵味方双方にオレンディがいるときなんかは、前線の状況を把握するのも一苦労だ。
ベアトリクスが「ウケケケケ」ならば、オレンディは「ウキャキャキャキャ」。自分が死んだときですら、この高笑いを残して消滅していくもんだから始末に悪い。
声優に例えるなら金田朋子。タレントに例えると平野レミのようなキャラクターといえば、オレンディの味方にいても嫌になる鬱陶しさが伝わるんじゃないだろうか。
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2018/05/25 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ガダルカナル、ウェーク島、そして硫黄島。水木しげるのマンガの悲惨な情景が思い浮かぶ、凄絶な歴史の舞台だ。
しかしここは名前は同じだが、そんな悲劇的な戦史とはミリともリンクしていない南の楽園。
部隊には一〇〇式機関短銃が景気よく配備され、コルセアはゼロ戦と互角に旋回戦を繰り広げ、そしてチハたんがシャーマンと正面からド突きあいを演じられるファンタージーワールド。
糧食の心配も必要ない。ポテチ、冷やし中華、メロンパン、あらかじめコンビニできちんと調達しておけ。

『Battlefield 1943』のガダルカナルは、オレにとってリバティーシティやバイスシティ以上のクルマ泥棒天国だ。
ジープのハンドルを握り、荒れ道の海岸沿いワインディングロードを突っ走って向かう先は敵陣地。
ガレージに不用心にも無施錠のまま鎮座しているのは九七式中戦車だ。悪い、ちょっと借りてくぜ。壊すまで大事に乗るから心配すんな!
南洋のグランド・セフト・オートにとって、もっとも美味しいシチュエーションは修理中の敵戦車だ。
コキコキやってるところに、こっそり忍び寄って、頃合いを見計らって操縦席にライドオン。
オレのために戦車を直してくれてありがとう! これはほんのお礼の気持ち。バックギア、ぶちぶちぶちっ! 戦車の頼もしい重さを全身で感じてくれ!

シンプルなクイックマッチのみのアクセス。わずか3つだけのマップ(のちにエースパイロット様隔離用の制空権モードが追加されたが)。既存の『Battlefield』を徹底的にシェイプさせたその先には、程良いマンネリ感に包まれた南太平洋のパラダイスが待っていた。
リゾートビーチでは人々の時間の過ごし方も思い思いだ。
狙撃銃を抱えて見張り台から降りてこないやつ、ジープで海岸通りを流しまわっているやつ、爆撃司令室の前に居座って動かないやつ、日本刀振り上げて意味もなく走り回ってるやつ、そもそもスタート地点の空母から動かないやつ(とっととトイレから帰ってこい!)。
狭い島だからみんなのリゾートスタイルも一目瞭然だ。それに目くじら立てることもない。
ただし、さっきから飛行機キープして地上に降りてこないエースパイロット様だけは話が別だ。それはオレの拠点間ショートカット用タクシーだっちゅうの!

青い空に白い雲。空に負けないくらい青い海に白い砂浜。ガダルカナルいいとこ一度はおいで。
中央の尾根に両軍の兵士が群がり、戦車がそれに続き、ジープは坂を登りきれずにエンストし、上空では戦闘機が無意味に飛び回り、そして油断していれば後方の飛行場や前哨基地の色がひっくり返る。
何百、何千と繰り返されてきた、見慣れたという言葉にも苔がむすほどのお馴染みの光景。
でもオレたちは飽きない。マンネリは感じているけど、でもマンネリもいいもんだなって思ってたりもする。
さもなきゃいくら互換対応になったばかりだといって、10年も昔の古いゲームが、ここまで賑わっている理由が説明つかない。

摺鉢山から転げ落ちる戦車、ウェーク島の内湾で操縦者のログアウトごと頓挫する上陸用舟艇、爆撃指揮所から出てきたとたんスパナで頭をスコーン、敵基地に乗り込んで飛行機に爆弾をセット、そして何度やっても脳汁が漏れる戦車砲で飛行機撃墜。
10年前から変わらぬルーチンワーク。だけど南国リゾートって、この世のトレンドからもっとも離れた場所のはずだろ?
太陽の下チェアに寝っ転がる、いつものビーチ作法みたいに、オレたちは上陸用舟艇に飛び乗ってとりあえず美しい島に駆け出し旗の下に集う。
生き物のように時間と共に姿を変えるオンラインゲーム群にあって、この南の島々は生まれたときから、ありのままの姿をほぼ保つ、貴重な手つかずの楽園なのだから。
<Xbox One互換対応タイトル>
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2018/05/27 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
湿地帯に囲まれた田舎にある観光名所、ボギーズボッグ。
とは言っても由緒正しい観光地じゃない。日本で例えるなら、つちのこランドとかヒバコンの里とか、まぁそんなノリのちょっと胡散臭いアトラクションだ。
このおどろおどろしい沼地の観光の目玉になっているのは、ボギーという生き物。
半魚人の出来損ないみたいな外見をしているが、誰もその存在をはっきり確かめたわけじゃない。
雪男とかチュパカブラとか、そんなジャンルに属する伝承のUMAだ。

そんな人手があまり入っていない自然地帯と俗世間の思惑がカフェラテみたいな入り混じった地に、探偵グリモアはやって来た。
殺されたのは、このボギーズボッグの経営者レミントン。
彼の死体には三つ爪の鋭利な裂き痕が刻み込まれ、そして事件現場の周りにはヒレのついた三つ指の足跡が残されていた。
犯人は伝説の生物ボギーらしい、早く見つけてくれ。……って、んなアホな。
ボサボサの赤毛に無精髭、トレンチコートをキメた名探偵が活躍する『Detective Grimoire』は、英国のソフトハウスSFB Gamesが2014年に放ったポイント&クリック式ADVの佳作。

ちょっと個性的なアートワークの下に隠れたその実は正統派の推理ADV。
ミステリアスな伝承と殺人の組み合わせ自体が本格派ミステリの王道みたいなものだし、それに対処するグリモアの行動もロジカル。
事件現場やその周辺を巡って証拠品を集め関係者から事情を聴取。証拠や証言から矛盾点を導き出すことができれば、当該の人物に核心的な質問を放つことができる。
この辺を含めてシステム的には『逆転裁判』からの強い影響が感じられるかもしれない。

要所要所でグリモアの捜査を先に進めるために必要なのが思考整理タイム。
疑問点にキーワードとテキストを組み合わせて真相を導き出す、プレイヤーの推理力が問われるパートだ。
そしてフィナーレを飾るのは、依頼者である警部との一問一答形式の推理披露。
ここで警部からの疑問にすべて淀みなく答えられ、事件の概要を整理できれば、おのずと犯人にたどり着くことができるだろう。
タイトにまとまったシステムは、ミステリ系のADVにありがちな"真相に誘導されている感"を程よく打ち消して、プレイヤーに自らの機智と洞察で事件の姿に迫っていく手応えを、しっかりと与えてくれている。

その手堅く仕上がったミステリADVとしてのベーシックを彩るのは、ユーモラスなアートデザインとグラフィカルに分かりやすく表現されたインターフェース。
そしてクオリティの高いボイスアクトに、初期LucasArtsのADV作品を思わせる小粋なやり取り。
残念ながら日本語化は為されていないが、ボイスとテキストが同時表示されるし、それほどクセのある英文も出てこない。
英語に苦労しながらも、それでもプレイ時間は3~4時間程度のタイトさ。
ミステリADVとしての原則を破綻させず、余計な急展開や引き伸ばしを挟まず純粋に事件に没頭できる程良いサイズに収まっている。
PC版の他にiOSとAndroid版もあり。
この記事に含まれるtag : ミステリ アドベンチャーゲーム
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