- 【ドッグズライフ】今年の干支ゲー [2018/01/02]
- 【Axel & Pixel】駄犬とボヘミアン [2018/01/04]
- 【WWE Legends of Wrestlemania】廃車置き場の獰猛犬 [2018/01/06]
- 【Manual Samuel】人体オートマ解除 [2018/01/08]
- 【Polar Panic】ひ弱なホッキョクグマ [2018/01/11]
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あけましておめでとうございます。ニューイヤーは戌年。
犬といえばもっとも崇高で可愛らしい生き物にして、人類にとって古くからのパートナー。
ゲームの世界においても『Fable2』に『Fallout3』のドッグミートと、プレイヤーの重要な相棒のポジションに収まる例は少なくない。
しかしせっかく犬が主役の年なのだから、恒例の干支ゲーもやはり犬がピンで主役を張るゲームを選びたいではないか。

日本では2005年にサクセスから発売されたPS2の犬オープンワールドゲーム『ドッグズライフ』。
堂々と主役を張るのはビーグルのジェイク。
のどかな田舎の一軒家で呑気に飼われている犬だが、ガールフレンドがある日突然犬さらいに連れて行かれちゃったもんだから、さあ大変。
飼い主に訴えようにも、あの人たちこっちの言うことなんか端っから聞く耳持ってないし、「デイジーはどっかに遊びに行っちゃったのかな」などと、まるで危機感持ってない。
だったら運良く放し飼いのこの身。自分で奪還に向かうしかない。

しかし隣町やさらなる大都会で縦横無尽に動くには、ジェイク自身のステータスアップが必要だ。
ジェイクを成長させてくれるアイテムはスバリ骨。運良く地面に埋まってることもあるが、たいては人間が抱え込んでいて、なにかと引き換えで偉そげに「ご褒美だよ」と寄越してくれる。
その手のお使いミッションの大半は失せ物探し。任せといて、そういうのめっちゃくちゃ得意だから!
△ボタンで発動するのはにおいモード。犬の鼻っ面視点になり、視界は多少不自由になるが、それを補って余るのが匂いの可視化。
気になる匂いが色で表示される。これなら人間の歩いた跡を辿るなんてチョロいもんだ。

他に犬ならではの能力は類稀なるジャンプ力。ちょっと高い塀とか広い溝なんか、けっこう行けちゃうぜ。
それと各種コマンド技。例を挙げると、←↓←で左方向におしっこ。→↓→で右方向におしっこだ。
排便をしたけりゃ←→↓だな。ただしお腹いっぱいのときじゃないと空っ屁しか出ないぞ。

ジェイクには健康度ステータスも存在するが、これを維持するのに手っ取り早いのは、やはりエサ。
犬小屋(セーブポイントでもある)の脇にはいつもご飯が用意されているが、出先となるとそうはいかない。
ゴミ箱をひっくり返して漁る手段もあるが、しかしここは犬に優しい世界。あそこにあるのはペディグリー(協賛)の自動販売機だ!

見ず知らずの土地までガールフレンドを助けに行くのは、ジェイク一匹の力だけじゃムリだ。
かと言って人間は……、あいつらエサをくれる以外はあんまりアテになんない。
やっぱり頼りになるのは同胞。チワワからセントバーナードまで、この世界には様々な犬種の仲間たちがいる。
だけど犬の世界にもヒエラルキーはある。ジェイクがいきなり擦り寄ったって鼻であしらわれるのがオチだ。
ミニゲームで勝利してなんとか優位を示せれば、仲間たちをパートタイムで操作できるようになる。
チワワなら狭いところも通れるし、ガタイの大きなマスティフならば大木を押しのけて通り道を作ることだって可能だ。

手助けを借りながらどんどん広がってゆく世界。
人間にとってはクルマで小一時間の範囲かも知れないが、のどかな農場の周りしか知らなかったジェイクにとっては、雪山や大都会は遠い遠い未知の場所だ。
しかし案ずることはない。ここは犬に優しい世界。クルマやバイクは車道を闊歩する犬に文句言いつつも停まってくれるし、犬小屋やペディグリーの自販機はそこかしこにある。
何より楽しいのは地べたに近い視点から、匂いだけを頼りにうろつきまわるにおいビジョンモード。
周囲のことなんかお構いなしにくんかくんかしまくる、散歩時の飼い犬の気分もちょっとは理解できるかもしれないな。
(記事編集) https://bonkura360.blog.fc2.com/blog-entry-2724.html
2018/01/02 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
アクセルは雪深い山奥に居を構えるボヘミアンな画家。
図体はデカイけどちょっぴりグズで気弱なピクセルはその愛犬。
創作の合間に暖かい暖炉の前で1人と1匹揃ってうつらうつら。そんなときにいたずらネズミが変なピッチで蓄音機を鳴らしちゃったもんだから、さあ大変。主従は奇妙な夢の世界へと引きずり込まれるのであった。

そこはアクセルのクリエイティブな夢想の世界。
美しい自然の景色とどこか暖かみのあるオブジェ。そしてちょっぴり縮尺が狂った生き物たちが織りなす生きた絵画の中で、画家と駄犬は失われたモチーフを探してついでに脱出するポイント&クリック旅に出るのであった。

『Axel & Pixel』はチェコの独立ディベロッパーが2009年にXbox LiveアーケードでリリースしたグラフィカルADV。
このXBLA版は国内ストアでは未配信に終わり、海外版も現在ではストアから姿を消してしまっているようだが、このSteamへの移植版が健在だ。
ポイント&クリック形式のADVは、得てして風が吹けば桶屋が儲かる的な解法を要求されることが多いが、本作の難易度はかなり低め。
各ステージは絵画を模して精緻に描き込まれているが、それに対して探索するポイントは限定的。
反応のある場所を総当りしているだけで、この世間的にはまったく潰しの効かなそうな主従を導くことができるだろう。

その代わりに厄介なのが唐突に挟まれるQTE要素と、春夏秋冬のパートをブリッジする簡易アクションゲーム。
QTEはタイミングの猶予こそシビアではないものの、指示アイコンが極端に小さすぎて咄嗟に判別するのは至難の業。
気球やバギーなどに乗り換えるミニゲームも操作性に妙なクセがあり、なによりもせわしなくて、のんべんだらりとした本編との乖離が著しい。

見どころはやはり美しいビジュアルと、それにちょっかいを出すことで返ってくるユーモラスな反応。それに対するボヘミアン主従のあたふたしたリアクション。
ゲームに出てくる犬というと、聡明で主人公の行動を勇敢に手助けするようなタイプがほとんどだが、本作のピクセルはたまに役には立つけれど、基本的にこっちの方がその身を気遣ってばかりいるような臆病っぷり。
世俗から離れた画家の、さらに現し世からも離れた夢世界行脚の緩い緩いムードの後押しも受けて、そんな駄犬がとことん愛おしく思えてくる隠れ犬ゲーだ。
この記事に含まれるtag : アドベンチャーゲーム
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2018/01/04 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
ボロボロのフェンスに囲まれた廃車置き場。
そこに放し飼いされた、エサをちゃんと貰ってるんだかも怪しい、けたたましく吠えまくる凶暴な犬。
『Fallout 3』のドッグミートを擬人化すると、おそらくこんな男になる。
ジャンクヤード・ドッグ。通称はJYD。
今の時代だとPCすれすれのリングネームだが、とにかくこの人は南部黒人プロレスファンの絶対的なヒーローだった。
その猛々しくも愛嬌が見え隠れするキャラクターに目をつけたビンス・マクマホンに引き抜かれ、南部のローカルスターは全国区WWF(現WWE)の小結クラススーパースターへと転じる。

タイツとレスリングシューズ以外に身にまとうのは、犬の首輪と鎖のみ。
観客は入場時に「バウワウワウ!」と吠え声コールで、この廃車置き場の猛犬を出迎える。
得意技は頭突き。やはりこの技を得意としていた(というかそれしか技が無かった)"類人猿"ミッシング・リンクを寄せ付けなかった頭の硬さはホンモノだ(正直言うとリンクさんは大先輩なんだから、ちょっとは立ててやれよと思ったが)。

特に切り札にしているのは、四つん這いになってそのまま突進するわんわん式のヘッドバット。
週プロの活字プロレスが全盛だった日本では完全に黙殺されていたが、80~90年代のアメリカンプロレスにおける重鎮の一人。
そのレスリングキャリアのハイライトは、世界最高のプロレス祭典レッスルマニアの記念すべき第一回大会。中トリを務めたグレッグ・バレンタインとのインターコンチネンタル戦だ。

方や頭突きだけ、方やエルボーだけの原始的なレパートリーで試合を組み立ててしまう不思議な職人同士。
それをゲームで再現できるのはWWEプロレスゲームのレジェンド版『WWE Legends of Wrestlemania』。
いや、厳密には再現ではない。この一戦が登場するのは史実を書き換えるリライトモード。
実際にはカウントアウトでバレンタインにベルトを持ち逃げされてしまったこの試合を、プレイヤーの手でリング内でピンフォールを奪い、きっちり決着つけてやろう。頭突き、頭突き、頭突き、もう一つおまけに頭突き!
バレンタインのマネージャー、ジミー・ハートがちょっかい出してきたら、それにちゃんと絡んで背中を無防備に晒すのが、慎重さには程遠いジャンクヤードの猛犬の役割ってもんだ。バレンタインさん、後ろからきっちり奇襲お願いします!

このゲームに登場するもう一匹の犬は英国産。
日本でもお馴染みだったダイナマイト・キッドとデイビーボーイ・スミスのブリティッシュ・ブルドッグス。
タッグチーム解消後はスミスがブリティッシュ・ブルドッグと改名してシングルプレイヤーに転身。
キッド未登場の本作では、そのリングネームでの参戦。
90年代プロレス界の猛犬両巨頭が揃って登場する『WWE Legends of Wrestlemania』。干支ゲームの資格を充分に備えた一作だと無理やり断言したい。
この記事に含まれるtag : プロレス
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2018/01/06 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
サミュエルは銀の匙をくわえて生まれてきた男。ロボット製造会社CEOである父親の庇護の下、これまでぬくぬくとした人生を送ってきたぼんぼんだ。
だけど彼女の誕生日くらいはちゃんと覚えていたほうがいい。お決まりのひと揉めの後、フラフラ飛び出したところをトラックに撥ねられて人生一巻の終わり。
しかも地獄で会った死神は、語彙を嘆きの川に置いてきちゃったかのようなスケーターもどき。
ここでも一悶着あって、サムは死神の口車に乗り24時間期限付きの再誕を果たすこととなる。
しかしサムにとってはこれが新たな苦難の始まりであった。なにせ仮初めの生を受けたサムは、自分の身体をすべてマニュアル仕様で動かさなければならなくなったからだ。

脳が身体の運動を司っている状態は最高だ。
だって歩くにしろ息を吸うにしろ、無意識のうちに脳がオートマチックですべての動きを処理してくれる。
だけど今のサムはいわば死体に魂を再注入したようなもの。今まで自然に身体が動いていたことを、全部マニュアルで入力しなくちゃなんない。
ああ、なんか眼がしばしばして視界がぼやけてきた。いつもならここで身体が勝手になんかやってくれてたんだけど……。
「Yo、Yo、デュード。まばたきって知ってっか? Aボタンで眼をぱちぱちさせんだよ。しょっちゅうやる必要あっから、しっかり覚えとけよ」

今度はなんか息が苦しくなってきた。以前だったらこれも無意識のうちの運動でどうにかなっていたはずなんだけど……。そうだ、確か呼吸っていったっけ! ……アレってどうしてたっけ?
「Yo、手のかかる野郎だな。Yボタンで吸ってBボタンで吐くんだよ」
吸って、吐いて、吸って、吐いて、あ、視界がぼやけてきた。まばたきまばたき。吸って、吐いて、吸って、吐いて、まばたき。……生きるってめちゃくちゃ大変だな!
「やっと分かったか、デュード」

でも歩くのくらいは分かるぞ。右トリガーで右足を前、左トリガーで今度は左足。それを交互。右、左、右、左、右、左、ちょろいちょろい。あ、なんかまた苦しくなってきた!
「呼吸だよ、呼吸」
吸って、吐いて、右、左、右、左、吸って、吐いて、右、左、右、左、吸って、あ、まばたき! 吸って、吸って右、右、右、あ、歩けねえ! もうワケわかんねえ!
洗面所にたどり着くのも一苦労。着いたら着いたで歯磨き、放尿といった難事業が待っている。

それが終われば今度はクルマの運転だ。……って、おい! このクルマ、クラッチペダルが付いてんだけど!?
「デュード、マニュアル車も知らねえのかよ」
いや、知ってるよ! 知ってっけどさ! ああ、そうだよな! こんなゲームに出てくるクルマだから、そりゃ当然マニュアル車だろうな!
アクセル踏んで、クラッチ切って、ギア入れて、クラッチ離して、動いた、動いた。
オレが現実で最後にマニュアル車を運転したのって、もう20年近く昔の話なんだよ、カンベンしてくれよ。
しかもただのマニュアル車運転ならまだいいよ。サムの場合はその間に呼吸やまばたきも続けなきゃなんないんだから!
「Yo、Yo、兄弟、もっとトバせったらよ」
面倒だからずっとローギアのまま走り続けたかったんだけど、そうもいかないみたいだな……。

マニュアル化された自分の身体に悪戦苦闘するサムを待ち受けるのは、単調労働にロボットの反乱、無垢な子供たちの危機に地獄でまたまた一騒動と、さらなる苦労の連続。
同じマニュアル操作系ゲームの『Octodad: Dadliest Catch』はほのぼのファミリーコメディだったが、こちらは死神のキャラクターに代表されるように、ひたすら下品でスチャラカなノリ。
数時間のボリュームも、マニュアル操作のコンセプトが息切れ起こさないうちにすっきり終わってちょうど良し。
その短いプレイタイムの間に、サムとプレイヤーは、呼吸の、まばたきの、歩行の、普段意識せずやってるあらゆることの、そして彼女の誕生日をしっかり覚えることの大切さを身に沁みるだろう。
<国内ストア未発売>
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2018/01/08 | Comment (2) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |
タイトルの配信が停止されてストアから消え去ってしまい、文字通り幻の作品となってしまうのは、ダウンロード販売の宿痾。
ゲームそのもののライセンス切れ。あるいはゲームに絡んだスポーツや映画などの版権切れ。販売会社の再編や倒産など、配信停止に至る理由は様々だ。
そして2017年の終了をもって8本のタイトルがマイクロソフトストアから姿を消したことが明らかになった。
内訳は『Runner2: Future Legend of Rhythm Alien』、『Greed Corp』、『A.R.E.S. Extinction Agenda EX』、『DeathSpank: The Baconing』、『Chime』、『The Adventures of Shuggy』、『Xotic』、そして『Polar Panic』。

これだけまとまって停止になってしまうのは、Midwayが破綻して関連タイトルが揃って煽りを食ったとき以来の気もする。
『Runner2』のように国内ではマルチに発売された作品もあるが、そのほとんどは日本の国内ストアではリリースされなかった、いわゆるNAIJばかり。
ダウンロードのやっかいなのは、配信が止まったら新規にそれを手に入れる術が絶たれてしまうところ。
だからストアから引き上げるならば、前もってアナウンスしてくれれば、こっちも対処のしようがあるのだが(『Boom Boom Dance』の配信停止日を早めに知らせていたコナミなどは、かなり良心的なのだろう)、後の祭りとなってはどうしようもない。
辛うじて『Polar Panic』だけは入手済みだったので、記録の意味も込めてどんな作品だったのかを解説しておこう。どんだけ需要があるのか知らないけど。

とは言っても「北極版『ペンゴ』」の一言でだいたいの説明は済んでしまうけど。
『ペンゴ』のペンギンに対してこちらの主役はホッキョクグマ。
環境破壊企業に子供や仲間を連れ去られた白クマが、それを奪還せんと人間社会にカチコミをかける。
なにせクマ科クマ属の中でも最強の声が高いホッキョクグマだ。
荒れ狂う爪にかち割られる人間の頭。たちまち返り血に染まって紅白グマとなりながらも、さらに人間に対する凶行の手は止まない、なんてスパックロマンな騒ぎを期待するところだが、ボックスアートの雰囲気からも分かるように、これは基本的に子供向けほのぼのゲームなので、そんなエクストリームな展開とはまったく無縁だ。

このゲームのホッキョクグマが、その爪と牙の代わりに悪辣な人間どもに立ち向かう武器。それは氷の塊。
つるつる滑る地面の上で巨大な氷塊を滑らせ、それを人間にぶち当てて押し潰してしまおう。
しかし『ペンゴ』でペンギンと対峙したワケの分からない生き物と違って、このゲームの敵は悪知恵の働く人間。猟銃はもちろんのこと、火炎放射器で氷を溶かしたり、フリーザーで新たに氷を作ったりなど、バリエーション豊かな反撃を試みてくる。
さらにこいつはクマのクセして、人間と接触すると問答無用でやられてしまうひ弱さなので、その立ち回りは自然と慎重にならざるを得ない。

しかし、慎重に振る舞おうにも、それぞれのステージに設定された制限時間は、かなりタイト。
この時間的制約もあって、各ステージでボーナスアイテムをすべて回収してのAランククリアを目指すのは、かなり至難の業。
ほのぼの系の見た目を裏切る、なかなかにハードコアな歯応えのあるゲームだ。
この記事に含まれるtag : XBLA
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2018/01/11 | Comment (0) | Trackback (0) | ホーム | ↑ ページ先頭へ ↑ |